今から10年後の仕事の形、AIやロボットが人の仕事を奪うとも聞くけれど、具体的にどのような未来が待っているのかは、正直わかりません。
ですが確実に10年後の仕事の形は変化していることでしょう。今から10年後、僕らの世代も影響を受けるかもしれませんが、確実に影響を受けるのは子どもたちの世代です。
僕らは僕らの常識で子どもの未来のために教育をきっとしている。しかし、10年後、僕らの常識は常識でなくなっていることを考えると
- 自分の常識で子育て、教育をしていて本当によいのか?
- 自分の教育はひょっとしたら、間違いではないのか?
という不安にさいなまれる。僕と同じような思いをしている方は、「10年後の仕事図鑑」を読んでみるといい。親が出来ることってそんなにはないけれど、知っておいて損はない。
くろちゃんパパ
- 思春期の娘二人(小学生、中学生)のパパ。
- 子育て本、教育本を100冊以上読む。
- 娘が生まれた時からずっと子育てに関わり、娘たちと今も良好な関係を築く。
- 長女の中学受験の勉強に毎日付き合い、中高一貫校の合格を親子で勝ち取る。
- 勉強だけで優劣が決まる今の教育に疑問をもち、未来型の教育に関心を持ち勉強中。
本書の紹介と著者のプロフィール
堀江 貴文氏
愛称・ホリエモン。日本の実業家・著作家・投資家・タレント。sns media&consulting株式会社ファウンダー、インターステラテクノロジズ株式会社ファウンダー、株式会社7gogo取締役。元ライブドア代表取締役社長CEO。(wikiより)
落合 陽一氏
メディアアーティスト、随筆家、写真家などマルチに活躍。博士(学際情報学/東京大学)。筑波大学准教授。著書に「魔法の世紀」「超AI時代の生存戦略」「日本再興戦略」等(wikiより)
本書の書評(要点ポイント)
英オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授が発表した論文「雇用の未来-コンピューター化によって仕事は失われるのか」によれば、多くの仕事がロボットやAIに置換らえると予測されています。
例えば、事務作業などの単純作業はAIに置き換えられてしまいます。もしくは、そういった仕事の価値は下がり、たとえその仕事にありつけたとしても給料は安くなってしまいます。
これからの未来、何者でもない人間の価値はどんどん下がっていく。
本書では、10年後、ロボットやAIが人間よりも遥かに精度の高い仕事ができるようになる未来であっても、価値ある人間であるためにどう生きていくかについて学ぶことができます。
本書は子育て本ではありませんが、未来の子ども達を育てる親にとって、必読の書だと思います。
AI時代、どんな子が伸びるのか?
親はいつだって子どもの幸せを願うばかりです。ですが古い価値観を子どもに押し付けているようでは、子どもの可能性をつぶすことになります。
これからはどんな子が伸びるのか?と考えながら本書を読むと気付きが多いと思います。
とことん遊べる子
堀江氏は本書の中で首尾一貫していて、「とことん遊べ!」「とことん遊べる人が稼げる時代」と主張されています。
今、「新しい仕事」で成功している人たちの共通点として堀江氏は
- 作業にはまっている、没頭している
- 思いを毎日発信している
- 自分自身に油断しない
の3つを、YOUTUBEで大成功を収めたHIKAKIN*1さんを例にあげていらっしゃいます。
夢中になれることがあり、それをSNSなどを通じて毎日発信し続ける事ができれば、必ず成功する。この没頭力に加えてきっと、GRIT(やり抜く力)も大事になってくるんだろうなとは思いますが、とことん遊んで稼げるなんて夢のようですね。
問題は昔の価値観のままでいる僕が、「子どもを信じて待つことができるか」だと思っています。
100分の1を3つ持てる子
100万分の1にレア人材になる。藤原和博氏のこの考え方は僕も大好きで、以前、「10年後、君の仕事はあるか?」の書評でも紹介させていただきました。
堀江氏も、好きな事を夢中でやって、2~3クラスの中で1番をとって100分の1の存在になり、こういった得意を3つ作れば、100分の1×100分の1×100分の1=100万分の1の代替え不可能なレア人材になれる。とおっしゃいます。
この考え方は、これからの時代に絶対にあっている。僕も子どもたちに100万分の1のレア人材の話はよくします。
クリエイトできる子
本書ではこれから伸びる職業が色々紹介されているのですが、僕が特に目に付いたのが
- 個人商店
- 職人
- ショービジネス
これからは一億総クリエーター時代だという点です。職人さんなんかを見ても、やっぱり何かを作り出すことができる人間が伸びるんだなと思いました。
僕らの時代は、人・金・資本がある大企業でしか成功が難しかった。ですがインターネットの登場で、今は資本がなくても成功できる時代になった。ピーター・ドラッカーの「プロフェッショナルの条件」でも学びましたが、大企業信仰ではなくて、個で力をつければいくらでも成功できる時代なんですよね、今は。
勉強ができるというのはとても大事ですが、勉強というのは、何かをクリエイトするための基礎だと僕は思っていて、その勉強がただ大学に受かるための勉強であるのならこれからの時代、厳しいなって思っています。
ただし、茶道の考え方で守破離*2というのがあります。
守は基礎の部分。これが勉強。基礎ができていれば、その先に創造があると僕は思っているので最低限の勉強は必要だというのも思っています。
信用を貯めれる子
お金の本質については、村上 世彰氏の「いま君に伝えたいお金の話」をぜひ読んで欲しいと思うのですが、お金って、本来は価値を交換する為のツールにすぎず、お金そのもの自体に価値があるわけではない。
このお金の本質は本当に大事です。
お金をただ貯めるだけでは豊かな人生を送れない。著者のようにお金を回せる人ってやっぱり魅力的です。
信用を貯めれば、そこにお金が集まってくると著者はいいます。キングコングの西野さんはクラウドファンディングでお金を集めていらっしゃいますが、信用ある人や熱意に人はお金を投資する。これが未来(今)のお金の形なんだなって勉強になりました。
ブルーカラーの仕事に就く子
これからは何者でもない人間の価値はどんどん下がっていくという落合氏は、「実はブルーカラーの方がホワイトカラーより有利」な点もあるといいます。
職務内容についてブルーカラーはある程度定型化されているが、ホワイトカラーの正社員は万能だと雇ったものの実はそうでもなかったということがざらにあると、厳しく指摘されています。これには危機感をもったほうがいい。
大学に入った、出だだけで思考力が停止しているようでは今後、社会で生き残っていくのは難しい。昔ならともかく今は大学で何を学ぶために入り、何を学んで卒業したかは最低限必要であるといってもいいと思います。
ブルーオーシャンで戦える子
今までのように、皆が同じ方向を向いて競い合っているようでは、生き残ってはいけない。落合氏は、他人と同じことをやる(レッドオーシャン)のではなく、違うことをやっていくブルーオーシャン的な思考がこれからは重要だと説いていらっしゃいます。
「孫氏の兵法」をご存じでしょうか?勝てるところで勝負するという考え方です。子ども達には、このブルーオーシャン的な思考は是非、教えておきたいです。
↓ ブルーオーシャンの思考は、ひろゆき氏も言及されています
まとめ AI時代は「とことん遊べる」子が伸びる!親は子どもの夢中をつぶさない事
堀江氏は本書で、とことん遊べ!とおっしゃっているわけですが、
どうせ無心になって物事に取り組むのであれば、落合君の言っている「写経」ではなく、評価されるものに時間をあてたほうがいい。
ともおっしゃっている。落合氏のいう写経とは、スマートフォンのソーシャルゲームやパチンコと同じものだ。とおっしゃっているので、夢中になれることは大事ですが、それがスマホゲームだとどうだろう?と考えるところはあります。
ですが、子どもの夢中を親が「勉強しなさい!」でつぶさないようにはしたい。夢中とは本人がするものですから、親が子どもにしてやれることはないのですが、親が邪魔をしないようにだけは注意しなければいけない。
むしろ、子どもが何か他の人がしていない分野で夢中になっていれば、それは喜ばしい事だと思わなければいけない。ただし、夢中を見つけるのはそう簡単ではないというのは、「今日から塾をやめてみた」の著者・宝槻 康伸氏。
もし子どもに夢中になっているものが見つかっていないようなら、子どもにたくさんの経験をさせてやるのも親の仕事かなと思いました。