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「僕が親ならこう育てるね」を読んだ。ひろゆき氏の子育て本は他とはちょっと違う

Yahooニュースでも、ひろゆき氏のニュースを見ない日はないのではないでしょうか?もっとも、Yahooニュースは見る人の嗜好をもとにAIが最適しているはずですから、僕がひろゆき氏に関心があって頻繁にニュース記事をみているだけかもしれません。ですが、それにしても、すっかりご意見番としても地位が確立されているようにも思えるひろゆき氏。

そのひろゆき氏の著書に「僕が親ならこう育てるね」という本があります。子育てをしている僕がずっと読んで参考にしたいなと思っていた本です。今回は、この本を書評させていただきたいなと思います。

目次

本書と著者のプロフィール

著:ひろゆき
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ひろゆき氏

1976年神奈川県生まれ。東京都・赤羽に移り住み、中央大学に進学後、在学中に米国・アーカンソー州に留学。1999年に開設した「2ちゃんねる」、2005年に就任した「ニコニコ動画」の元管理人。現在は英語圏最大の掲示板サイト「4chan」の管理人を務め、フランスに在住。(著書発行時)

本書の要点ポイント(書評)

教育には正解はありません。とはいえ、正解がなくても導き出そうとするのが親心。

社会現象にもなったあの「2ちゃんねる」の創設者であり、今やメディアでもその発言がものすごい影響力をもつ著者が、子育てには正解はないけれど、「僕が親なら」の視点で、少しでも正解に近づこうという趣旨で出されたのが本書です。

少しでも参考になるところがあれば拾ってもらえると嬉しいですという著者ですが、実際、非常に参考になることが多かったです。今回は、その中でも僕が印象に残った、ひろゆき氏の一味違う視点をピックアップして紹介したいなと思います。

ひろゆき氏の一味違う子育ての視点

好きな事で生きていくは、負け組になる

子どもの人生がうまくいくように願うのは親なら当たり前です。子どもをよい大学へ入れようと勉強のサポートをする。また、スポーツでもダンスでも歌でも、「子どもが好きな事を全力で頑張っている」のであれば応援するというのは、価値観が多様化した今の時代ならではかもしれません。

しかし著者は、「好きなことで生きていく」は99%で負け組になるといいます。これって厳しいことを書いているようにも思いますが、冷静に考えてみれば、成功者は一握り。そのとおりですよね。

確かに今の時代、一流大学へいって一流企業に入れば人生の成功という時代は終わったかもしれませんが、高卒と大卒では給料が違うように現実は、学歴って社会では大事なものになっています。好きな事や夢中になれることがあるのはいい事ですけど、だからといって勉強をないがしろにしていいとは言えない。

うちも子どもが夢を語ってくることがあります。「もちろん全力で応援する」と伝えていますが同時に、「もしその道を諦めた時に、勉強って役立つよ」という事は常に話していますね。

競争率の高くない分野に子どもを導く

競争率が高くない分野で子どもが苦にならないものを見つけてあげるサポートをするというのが著者らしい素晴らしい視点だなと思いました。

これはビジネス用語でいう「ブルーオーシャン」的な考え方だと思います。レッドオーシャンとは、すでに競争が激しい市場のことをいい、対してブルーオーシャンとは、まだそれほど競争がない未開拓の市場をいいます。

僕が読んだ本だと、堀江貴文氏と落合陽一氏の共著「10年後の仕事図鑑」でも書かれていますが、競争が激しい世界で戦うのではなくて、競争が少ない分野を見つけて、その分野で一番を目指すって考え方です。

子どもの習い事を見つけるにしても、全国たくさんの人が習っている習い事でトップになるには相当厳しいと想像できますよね。だったら、マイナーな分野を習わせてみるとか。もちろん、その分野を子どもが興味を持たないと意味がありません。そういう意味で、「子どもが苦にならないもの」と著者はおっしゃっているのだと思いました。

親が出来ない事を学ばせても無駄

これからの時代、英語やプログラミングを学ばせたほうがいいのでは?これは先般のブログでも書いた通り、僕自身も子どもに習わせようか悩んだ一人です。

ですが著者は、親ができない事を子どもに学ばせても無駄だと一刀両断です。

またプログラム教室などは、スクールのレベルが低い問題もあるとおっしゃいますが、これは僕も非常に思っているところがあります。

僕は習い事は先生との出会いが大事だと常々思っていて、娘たちの習い事もそれはもう無茶苦茶調べて決めました。塾だとわかりやすく合格実績が出ているのですが、他の習い事って実績がそうそうあるところも少ないので見極めが難しいのですよね。

しかし、少なくとも親がこのスクールのレベルなら子どもを預けてもいいと判断してから習わせたいですよね。

70点の大切さを教える

この考え方も著者ならの視点で良かったです。本書では、facebookのマーク・ザッカーバーグ氏の有名な言葉

「Done is better than perfect」(できあがりは完璧よりもよい)

を引用し、100点よりも70点でスピード感をもって物事を進める大切さを教えるといわれています。

これも僕は子どもによくいうことです。70点で合格する試験があるのなら、70点で合格しても、100点で合格しても一緒。なので、70点で合格するように効率化して物事を進めなさいといいます。100点を目指すといつまでも物事が進まないからです。

↓合格できる点を目指す勉強方法は、東大生もされています。

今の時代に大切な考え方だなと共感しました。

子どもには根拠のない自信を持たせる

小さな成功体験を積み重ねることで根拠のない自信がつく。この著者の考え方は一般的によく言われることではありますが、著者も同様の考え方でしたし、僕も同感です。

長女が英検や漢検を勉強して頑張っています。でも、実は僕、英検がとれたからといって、英語がしゃべるようになるとは全く思っていないのです。(娘には言っていませんが)

それよりも、英検や漢検というスモールステップで成功体験を積み重ねていくそのプロセスを気に入っていて、子どもが「合格した!」「できた!」という体験をできるだけ多くしてほしいと思っています。

そして見逃しがちですが、英検や漢検に失敗することもいい経験になると思っているんですね。今のところ、娘が英検や漢検で落ちたことがないのですが、級があがれば落ちる事も出てきますよね。

成功体験以上に失敗体験が大事だと思っているので、小さな失敗も英検や漢検で大いに経験してほしいなって思っています。

学ばせるのは、コミュ力よりも成果を上げる力

この考え方が本書を読んで、著者らしい素晴らしい視点だなと思いました。多くの本では、これからはコミュニケーション能力が大切だといい、学校でもコミュニケーション能力を高める授業にシフトしていっています。

ですが僕はコミュニケーションがそもそも苦手な子だっているだろう?それをまた均質的に当てはめて指導するって日本の教育ってどうなの?と疑問を持っていました。

僕が読んだビジネス書で、「NEW ELITE(ニューエリート)」という本があるんですけど、Google社では、チームを任せる人は決してコミュニケーション能力が高い人ではなく、最もパフォーマンスがあがる人物を導き出しているというのがあったのですが、コミュニケーション能力って実は成果をあげる実力があれば自然とついてくるもんなんじゃないかなって個人的には思っています。

持たせるならスマホやタブレットではなくPC

著者は、冒頭で、子どもにインターネットをさせるべきか?について、

「僕ならインターネットを使っても大丈夫な子に教育します」

とおっしゃっています。

今の時代、スマホやゲームを制限しようにもできない世の中になっている。なら、どう使うか。それを教育するのが親の務めというわけです。これは前回紹介させていただいた「賢い子はスマホで何をしているのか」で著者の石戸 奈々子氏も同様の考え方であったように思います。

この章で特に著者らしい視点だなと思ったのが、子に使わせるならスマホやタブレットよりもPCだという発想です。確かに今スマホやタブレットは進化し非常に便利に使えるようになりました。

しかし、まだまだタブレットでエクセルを使うのは難しいし、プログラムだって難しい。大学生でエクセルが使えない子が多いのだそうですね。エクセルって無茶苦茶、会社で使いますよ。そう考えると、子どもにスマホを持たせるくらいなら、PCを使わせて教育するっていうのもひとつかもしれませんね。

大学無償化について

最後に大学無償化についての著者の考え方が書いてあるので紹介したいと思います。僕が著者に非常に関心をもつようになったのは、実はこの考え方をネットニュースで見てからです。

著者は日本の教育費は世界的にみても高すぎると指摘し、大学無償化は基本的に賛成の立場です。ですが、全面無償化については反対。それはいわゆるFランクの大学があるからといいます。勉強しないでも簡単に入学でき、また卒業できるような大学であれば、そこに税金をかけるのは、大学生の子を持たない納税者に失礼になると僕も思っています。

↓ ひろゆき氏の大学無償化の考え方は下記記事が参考になります

そこで著者は、大学共通テストで一定以上の点数を採った学生の学費を国が払う制度にすればいいとおっしゃっているのですが、まさに僕と全く同じ考え方なのです。

こうすると、大学に遊びに行きたい子は、学費を払っていけばいいし、無償で行きたい場合は一生懸命勉強する。やっぱり無償化してもらう子は、最低限、大学へ勉強しに行く子でないといけない。そう思うのです。

↓大学って何しにいくところ?を深く考えてみた記事がこちらです。

まとめ 子育てに正解はない。だから、頑張りすぎない親になろう

本書ではまだまだ紹介したいポイントがいっぱいあり、話題も多岐にわたるのですが、終始著者がおっしゃっていたのは、子育てに頑張りすぎない親になろうという事だったと思います。子どもの人生が何とかうまくいくように願うのが親ですが、思うように子どもが動いてくれないのが普通。

一番笑ったのが、どうやったら子どものやる気を出させることが出来るか?という問いに対して、それは雨ごいをするみたいなものだとおっしゃったところです。全くおっしゃるとおりだなと思いました(笑)

だから子育てって色々上手くいかない事も多いし、時には子どもに腹も立ちますけど、なんとかなるだろうって気軽にやろうと本書を読んで思いました。

それでも、ここは押さえておきたいなってポイントもたくさんあって、それが論理的に書かれていて、非常に参考になりました。他の子育て本とちょっと視点が違っていて、おもしろい本だと思います。

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