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【書評】「10年後、君に仕事はあるのか?」を読んで、100万に1人のレア人材を目指そう

子ども達には幸せになって欲しい。親なら誰もがそう思うはずです。

そのために親は子どもを塾へ通わせたり、一生懸命になるのですが、これから子どもたちは、僕らが経験したことがない世の中を生きていくことになるのだそうです。

中でもよく言われるのが、様々な仕事がAIにとって代われるという話。きっかけはこれ。

オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授とカール・ベネディクト・フレイ博士が今後、10~20年のうちにアメリカの約47%の仕事がコンピューターにとって代われる可能性があると発表したものです。

10年、20年というとちょうど僕の子ども達が社会で働いている年齢です。もし本当に人の仕事がAIに奪われるのだとしたら、果たして僕の子ども達は未来の為にどんなことを考え実行していかないといけないのか?

親が考えても仕方がないのですが(笑)やっぱり気になり、手にした本があります。「10年後、君に仕事はあるのか?」です。

著者である藤原和博氏は、リクルートを経て、都内では義務教育初となる民間校長を務められ、橋下大阪府知事のもと、特別顧問も務められた経歴もある、教育家。

この後紹介させていただく、藤原氏の100万分の1のレアになれ!の発想は目から鱗です。

目次

本書と著書のプロフィール

藤原 和博氏

教育改革実践家。1955年東京生まれ。1978年東京大学経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任。メディアファクトリーの創業も手掛ける。1993年よりヨーロッパ駐在、1996年同社フェローとなる。2003年より5年間、都内では義務教育初の民間校長として杉並区立和田中学校の校長を務める。2008年~2011年、橋下大阪府知事の特別顧問。2014年から佐賀県武雄市特別顧問。2016年、奈良市立一条高等学校校長に就任。(著書発行時)

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本書の要点ポイント(書評)

AIなどの発展で、仕事がどんどん消滅していく10年後、子供たちが、それでも「雇われる力」を身に付けるにはどうしたらよいか?どんな勉強をしていけばよいか?本書は、子供たちに向けてメッセージを書かれている本です。

10年後、生きていくために必要な能力とは?

知識だって必要

AI vs 教科書が読めない子どもたち」では、AIが人間の仕事を全て奪うというのは幻想だと学びました。ですが、多くの仕事をAIが代替えできるようになってきているのも事実だとも学びました。

僕ら親世代が一生懸命勉強してきた詰め込み型の知識では、今後社会では通用しないといわれて久しいし、きっとAIには勝てないのだろう。そう思いながら読み進めた本書ですが、意外や意外。

著者は、

もし君に小さい頃からアスリートや芸術系の訓練をせず、普通に学校に通っているようなら僕はまず勉強することをすすめます。

とおっしゃっている。

生きるために必要な能力は、基礎的人間力、情報処理力、情報編集力。この3つをバランスよく鍛えることが必要というのが著者の考え方。

知識を覚える能力は、この中の情報処理力になります。一方で正解がない問題に対して試行錯誤をしながら作り出す力のことを、著者は、情報編集力と名付けていらっしゃいます。

これからは正解のない問題を解決する力が必要だとはいっても、ベースとなる知識がないと、その能力は発揮できない。

今までは

情報処理力9:情報編集力1

だったのを

情報処理力7:情報編集力3

くらいにもっていきましょうと説明されています。

これからは「勉強の時代じゃない」といって知識を身につける授業を疎かにしてはいけない。本書を読んで学びました。

思考力も必要

正解のない問題をあ~でもない、こ~でもないと考えて思考する力が情報編集力。この情報編集力を学校で訓練するための科目が、アクティブ・ラーニングといわれるものです。

アクティブ・ラーニングにはどんな問題があるのだろう?本書には様々な具体例が紹介されていて面白かったのですが、中でも「走れメロスは本当に走っていたのか?」を研究した愛知県の中学生の紹介は面白かった。

こういう発想ができる子が、これからの時代求められているんだな、面白な~って思うけど、こんな子が本当にアクティブラーニングをすれば育てられるのだろうか?って思いました。

著者は、インプットした知識をアウトプットするには練習が必要だといいますが、僕も全くもって同意見です。

そのためには学校でこのアクティブラーニングを訓練できる先生が必要です。我が子もアクティブラーニング型の授業を受けているようには思いますが、まだまだ知識型の勉強の割合が9、アクティブラーニング型が1くらいの割合だろうなと思うので、このアクティブラーニングを教えられる先生がどのくらい増えていくのかが今後の大きな課題だろうなと思っています。

大学入試は、総合型選抜(旧AO)が増えていることは周知の事実ですが、著者はこの本を発行時(2017年)から総合型選抜が増えることを予言されています。

大学入試改革では、知識偏重問題から、思考力、判断力などが問われる問題へシフトされつつあります。

いずれにせよ、高校でアクティブラーニング型の授業が増えなければ対応できない。と著者はいい、その為この流れは、結構ゆっくり進むのでは?と予言されているのですが、ズバリですよね。

で気を付けないといけないのは、ゆっくりした流れでいくなら、5~10年かけてって事になると思うのですが、我が子の受験にドンピシャなんですよね。

本当に学校教育だけで、新しい大学入学共通テストに対応できるのか?不安ですが対応していかなければいけませんね。

人間力=信頼を得る事が最も必要

大人になるまでに、基礎的人間力、情報処理力、情報編集力をバランスよく鍛えるという話でしたが、この中の基礎的人間力が実は最も大切なのではないかと本書を読んで学びました。

基礎的人間力とは、誠実さであったり、ひたむきさであったり、優しさであったり人柄を表すもので、言い換えると「信頼」といえるのではないでしょうか?

このことを著者は「クレジット」とおっしゃるのですが、信頼を得る事で、そこに人やお金が集まってくる。これからはそういう時代になっていくのだろうと共感しました。

知識が必要、いや思考力だといっても、やっぱり人間ですからそればかりじゃなくて、信頼を積み重ねていくことが大事だというのは、仕事をしていればよく理解できますよね。

勉強ばかりに目を向けるのではなく子どもたちにクレジットの大切さを教えてやりたいと思いました。

凡人でも100万人に1人のレアな人材になれる

著者のレアカードを目指す方法、100万人の1人なる方法に共鳴を受けた著名人は多いです。

例えば堀江貴文氏。堀江氏は下記の記事で、藤原氏のレア人材になる方法について語っておられます。

次に西野亮廣氏。西野氏も藤原氏の100万人の1人になる方法に共感されています。

著者のレア人材になる方法は以下のようなものです。

オリンピック選手のような1万分の1の存在を目指すのではなく、努力したら100人に1人がなれる存在になり、それを3つ掛け合わせれば、100万人に1人のレア人材になれるという考え方です。

つまり

100分の1×100分の1×100分の1=1,000,000分の1

というわけです。

マルコム・グラッドウェル氏が、著書「天才! 成功する人々の法則」で、1つの事を極めようとすると1万時間かかるとおっしゃっているそうです。

講談社
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この1万時間を達成するのに必要な時間は、5~10年。5~10年頑張れば、誰でも100人に1人くらいの人材になれると著者はいいます。

それを3つ掛け合わせることで、100万に1人のレア人材になれるというのです。この考え方は僕もものすごくいいなと思います。オリンピック級の難易度が高い職業を目指すのではなくて、まず5~10年頑張って100人に1人を目指す。それを3つもつようにする。

確かにこれなら我が子でも手が届きそうな気がしてきます。少なくともオリンピックを目指すよりは。

↓藤原先生の100万人に1人のレア人材になる方法はビジネス書になりますが、下記本を併せて読んでみてください。

著:藤原 和博
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まとめ 10年後、子どもたちが目指す方向性は?

著書で僕が一番印象に残ったのは、みんな同じ方向に進むのは、成長社会では価値があったが、成熟社会では価値が落ちる。という著者の話です。

一流大学を目指し、一流企業を目指してほしい。僕ら親世代なら今も強く願っている事ではないでしょうか?しかし今後、同じ方向へ向かう事は段々価値が下がっていくというのならそれが全てではないことを僕たちは理解しないといけない。

とても信じられないような話ですが、たぶんそういう未来になっていくのは間違いないでしょうね。

だから親は、子どもが人とは違う方向へ行きかけていても、それを止めるのではなく我慢強く見守ってやりたい。ひょっとしたらものすごい価値のある方向へ向かっているのだなと思えるようにならないといけない。

一番いけないのは、子どもをみんなと同じ方向へ行くように親がレールをひいて導いてしまうこと。本書を読んで改めてそう思いました。

だけど、基礎学力は必要。基本的な知識がないと思考力だって発揮できない。このことは忘れてはいけませんよね。

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