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「子どもが教育を選ぶ時代へ」を読んだ。マレーシアには不登校という概念がない。僕が思う日本との徹底的な教育差

子どもが教育を選ぶ時代へ。マレーシアには不登校の概念はない

子どもが通っている学校と合わない。将来のためだと言って、それでも子どもを無理やり学校に行かせる。本当にそれでいいのか?それが子どもの幸せ、将来に繋がるのか?最近よく悩みます。

子どもには子どもの人生があると言い聞かせるのですが、世間体を気にして、子どもの人生にレールを引こうとしている自分がいる。。。そう悩んでいた時に読んだ本が「子どもが教育を選ぶ時代へ」という本です。

本書は、日本の教育が合わずマレーシアに移住。子育て、教育をされてきた著者がマレーシアの教育事情について、また日本の教育との違いや国際的な教育の流れについてまで言及されている興味深い本です。

この本を読んだらいいと思う人
  • 子どもが学校に合わないと悩んでいる方
  • 子どもが不登校、不登校気味だという方
  • 未来型の教育に関心がある方
この記事を書いている人

くろちゃんパパ

  • 思春期の娘二人(小学生、中学生)のパパ。
  • 子育て本、教育本を100冊以上読む。
  • 娘が生まれた時からずっと子育てに関わり、娘たちと今も良好な関係を築く。
  • 長女の中学受験の勉強に毎日付き合い、中高一貫校の合格を親子で勝ち取る。
  • 勉強だけで優劣が決まる今の教育に疑問をもち、未来型の教育に関心を持ち勉強中。
目次

子どもが教育を選ぶ時代へ(書評)

著:野本響子
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野本 響子氏

早稲田大学卒業後、保険会社を経てアスキーで編集に携わる。フリー編集者を経験後にマレーシアに滞在し、現在はnoteなどで同国の生活や教育情報を発信。(著書発行時)

日本の不登校は学区制に問題あり

日本の教育は今過渡期を迎えています。文科省の発表によれば、全国の小中学生の不登校児は、約29万人にものぼるといいます。

子どもの甘えではなくて、僕は日本の学校教育の閉塞感が、学校に行きづらくさせているものだと思っています。

著者も子どもが日本の学校と合わずマレーシアへ移住、転校をされています。

マレーシアは、当たり前のように転校が可能なんだそうです。学校も公教育、インター、ホームスクールと多彩に選択肢があり、実際、お子さんは合計9つの学校を経験されているそうです。

例えば僕が住む地域には中学まで学区制というのがあり、マレーシアのようには簡単に好きな学校に通うことができません。

越境で学校を通うのも偏見の目があったり大変です。合わなければ、学校を変えればいい。これがマレーシアのように日本も根付いていれば、子どもは合わないと思ったら、すぐに学校を変えることができます。

これは一部の例ですが、今の日本の学校教育は、大人の事情で、子どもの逃げ場がないように思います。

本書のタイトルになっているとおり、子どもが教育を選べる、教育の場所を選べるのが、本当の子どもの幸せに繋がるのに。そう思います。

世界の教育は知識の詰め込みから21世紀型にシフトする

日本の学校はまだまだ知識詰め込み型の、先生が一方的に教える授業が大半を占めています。そして、みんながみんな同じ方向を向いて頑張ろうという教育。これらの教育は18世紀にはじまった「忠実」「従順」な生徒を作り上げる為に作られた「プロイセン・モデル」というのだそうです。

対して知識の詰め込みではなく、自分で考え、意見をいえる能力を育む

  • critical thinking(批判的思考)
  • communication(コミュニケーション)
  • collaboretion(協働)
  • creativity(創造性)

4つCをモデルといわれる「21世紀型の教育」があります。

著者は、世界の教育には大きく分けてこの2つのモデルが存在しているといいます。

マレーシアには、旧式(プロセイン・モデル)、21世紀型と多種多様な教育があるのは事実のようですが、決してすべてが未来型の教育に変換しているというわけではなくて、まだまだ旧式の教育も多く、学費が高いほど、21世紀型の教育が受けられるとの事でした。※その点は、日本と同じだなと思いました。お金持ちが最先端の教育を受けられるっていうことですね。。。

旧式の教育がなかなか変われない理由として著者は

  • 親が自分で受けた教育を基準に考える
  • 先生も自分が受けた教育を基準に考える
  • 企業の採用基準

などをあげられていますが、まさにそのとおりだと思います。僕自身も、自分が受けた教育を基準に考え、今だにその考え方から完全には脱却できていません。社会的背景をみても、企業がまだまだ学歴フィルターをかけている事、中高等学校も大学進学実績を強くアピールする事も、僕の心を揺さぶっているのは間違いありません。

それでも世界全体をみれば、近未来、教育は確実に21世紀型にシフトするのだろうと思います。

本書ではかの有名なケン・ロビンソン氏のスピーチ「学校教育は創造性を殺してしまっている」を紹介し、

そもそも社会が求める能力と大学教育がマッチしていないのではないか?

と書かれているのが印象的でした。

僕自身も、子どもを学びたい事もないのに大学へ行かせる意味があるのか?と悩むのはこうした考えがあるからです。米国では、期待されない学生像があるとし、それは「入学そのものが目的化している学生」だというのも納得です。

以前ブログで紹介した、「2040教育のミライ」という本があります。そこには冒頭ソニー創業者の井深大氏の

よい大学へさえ入ってしまえば人生の大半が決まってしまうような今日の世の中の機構に私は大変疑問を感じる・・・

2040教育のミライ

が引用されているのですが、近未来、日本も確実に、受かることだけを目的にした大学進学に意味がなくなると僕は思っています。

マレーシアには不登校という概念がない。日本との差は、学校を自由に選べるところ

僕は日本の教育も今懸命に変わろうとしていると評価しているのですが、マレーシアとの差は、やっぱり学校をいつでも変われるという自由度にあるのだと思いました。

上述しましたが、僕は日本の学区制という制度が本当に嫌いでなりません。

大人の事情で子どもが自分に合う学校に通えない、合わない学校を変われない。なんというシステムかと思います。

いじめや、学校が合わないと思えばマレーシアならすぐに転校できる。しかも多種多様な教育を選ぶことができる。転校が当たり前の社会であれば、生徒の心理的な負担はそんなにないと思います。

だからでしょう。マレーシアには不登校という概念がないそうです。

自分が合うと思う学校へ行けるというのは、本当、子どもの一生を左右するといってもいいと僕は思うんですよね。合わない学校に無理をして、いじめや不登校を経験してまで、頑張ってその学校へ戻らなければいけない仕組みは、子どものことを考えているようで考えていないと僕は思うんです。

文科省も頑張ってくれていると思いますが、公教育だけで解決しようとせず、民間の力をもっと頼ってみてもいいのではないかと思います。

学区制はもうやめよう。学ぶことが楽しいと思える教育環境を

本書では台湾のデジタル担当大臣のオードリータン氏がよく登場します。オードリータン氏1も学校が合わず、中学を退学されています。学校システムは合わないけれど、学ぶこと自体は好きという方も彼のように存在します。

こういった方は、本当に学ぶことが大好きであることが前提なので、誰もがオードリータン氏と同じように育つのは現実的には難しいだろうなとは思います。

けれどご両親の、学校をやめるという事に対して世間体を気にすることもなく、親の理想ではない生き方をする子どもに対して、子どもには子どもの人生があるんだと線引きをされたことがすごいなと思います。

子どもの将来を考えた時、上述したとおり、親としては自分が今まで受けてきた教育、価値観を基準に考えてしまう。けれど、この価値観はもはや古いもので、子どもの将来を約束できるものではありません。

著者は学校選びは、「子どもが楽しそうならそれでいいのではないか」とおっしゃっていますが、僕はその通りだと思います。逆に楽しくなければ、子どもの学習に対するモチベーションは絶対にあがりません。楽しいと思える学校に出会うまで学校を変えられる環境をやっぱり用意してやりたい。

「21世紀は安定は高嶺の花」になるという「サピエンス全史」の著者・ユヴァル・ノア・ハラリ氏の言葉を本書では引用されています。偏差値の高い学校に行ったから子どもが安定的に幸せになるという時代でないのであれば、子どもが学んで楽しいと思える環境、学び続けたいという意欲を与えてやることが最も大事。

自分に合う学校に出会えるまで、トライアンドエラー。マレーシアの良さはここにあると著者はいいますが、それが日本の教育にも必要だと僕は思います。

日本でも文科省が「不登校は問題行動ではない」と通達し、フリースクールもだいぶん増えました。ものすごい進歩だと思います。

多様な学びの場所を徐々に整えつつある日本。日本の教育も変わろうとしているのは評価できます。後もう少し、自由に学校が選べる環境作りを文科省には頑張って整備してもらいたい。学区制はもうやめよう。

それと親も昭和型の価値観を変える事。子どもの人生を古い価値観で縛らない事。自分にもまだまだ課題がある。本書を読んでそう思いました。

  1. オードリータン -wiki ↩︎
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