僕のブログを読んでくださる方で、まだお子さんが小さい親御さんがいらっしゃったら、ぜひ伝えたいことがあります。
勉強も大事だけど、勉強よりも大事なことがあるよと。
たぶん、みんなそんな事は言われなくたってわかってはいるとも思うんですけど、どうしても中学受験等、目に見える結果を子どもに求めてしまうのも親だと思います。
けれど、実際に僕が子育てをしてきて、子どもに勉強もさせてきた経験からも、やっぱり
学校では教えてくれない勉強以外の家庭教育って大事だよ
ってアドバイスしたいです。
学校では教えてくれない勉強より大事な事ってたくさんあるんですけど、そのひとつにお金教育があります。お金教育というと
- 無駄使いしてはいけない。
- 貯金しなさい。
だけであれば簡単なのですが、お金の真の価値を知り、お金を上手に使える子に育てるには、お金教育はやっぱり重要です。
僕が子どもに教えているのは、特にお金の使い方。自分にリターンが返ってくるお金の使い方を投資といい、自己投資は大事なお金の使い方のひとつだよということ。
それを中学生にもわかりやすく教えてくれるお金の本があって、それが「お金のコンパス」という本です。
お金のコンパス 書評

本書は、漫画本です。だから中学生でもさらっと読めちゃう。しかも本書は実際、「なかよし」2023年3月号~9月号に掲載された作品のようで、なるほど、どうりで漫画が少女漫画っぽいって思いました。漫画が少女漫画なので、特に女子にはおすすめしたい一冊です。
※監修はフィナンシャル・プランナーで、お金教育を普及する「キッズ・マネー・ステーション」を主宰される代表の八木陽子氏。
ストーリーは、衝動買い、無駄使いの癖がなおらない中学生・佐原真白さんと、お金はなるべく使わないという堅実派の黒瀬大和くんという2人の主人公が、若手実業家の朝倉進氏からお金について学ぶというお話です。
お金教育で「無駄使いするキャラクター」はわかりやすい設定だと思うのですが、「お金をなるべく使わない」という主人公も登場し、それもダメ出しがされている設定がいいんです。
お金はもっているだけでも価値がないんだという点をわかりやすく教えてくれるわけですね。
ではここからは本書の要点を書いてみたいと思います。
お金は「信用」でできている
「信用」という考え方は、これからとても大事になってきます。
僕が好きで何冊も著書を読ませていただいている藤原和博氏も、著書「10年後、君に仕事はあるか?」で、信用のことを、「クレジット」といい、信用を高めていくことの重要性を説いていらっしゃる。

大人なら普通に考えても、仕事で、信用を積み重ねると、お金の単価があがっていくというのは想像できるかと思いますが、これっ、大事な考え方なんですよね。
本書では、主人公に1,000円札を作るのにかかっているコストを問います。僕も詳しくは知りませんでしたが、1,000円札を作るのにかかっているコストは約18円なんだそう。
たった18円で作れる紙なのに、なぜ1,000円の価値があるのか?
その答えは、お金が「信用」で成り立っているからだと本書は解いているわけです。
お金持ちになりたかったら、自分の信用力を高める必要がある
例えば芸能人でも大手企業でも有名、つまり信用があるからそこにお金が集まってくるんですよね。これがお金持ちの構図。
僕はこの考え方が好きで、子どもによく信用の話しするのですが、親の言う事よりも本に書いてあったのを読むほうが子どもには説得力がありますよね(苦笑)
中学生の子ども達には是非、本書で「信用」を高めるとお金持ちになれるよってことを学んでほしいです。
宝くじはギャンブルである
本書で、主人公の真白さんが宝くじを買って当選を夢見るシーンがでてきます。宝くじの夢を語る主人公にアドバイスされるのは、宝くじの絶望的な当たる確率と、宝くじは投資じゃなくて、投機(ギャンブル)だということ。
宝くじが絶望的な当選確率だというのは、かなり有名な話ですが、中学生くらいだと知らない子も多いと思います。
「えっ~!!宝くじってほとんど当たらないじゃん!」と驚くんじゃないかな?
そして次に投資の話になるんですけど、自分に投資することも投資なんだという話がでてきます。
僕はことあるごとに子どもには、お金は自分に投資しなさい。それが自分に返ってくる。これが投資。という話をしているのですが、本書を読んで、パパが言っている事と同じだと思ってもらえたらいいなって思います。
本書の中盤では、円高や円安、電子マネーといったお金の知識もわかりやすく教えてくれるのですが、終盤は、いよいよ「お金の価値」について説いていきます。
お金ってダーティーなイメージがない?
現在社会はなんでも揃っていて、お金持ちじゃなくても、そこそこ不自由なく暮らせていける。特に子どもは親に守られているから、お金を稼ぐ大変さ、お金の重要さをわかっていない子も多いと思います。
だからなのか、血眼になってお金のために必死になって働いている大人を見ると、お金にダーティーなイメージをもつ子もいるかもしれません。
僕も学生の頃、お金より夢ややりがいが大事なんて思っていました。しかし、実際は、お金も夢もやりがいも大事なんですよね。
本書の終盤では、「お金を稼ぐ」ことをテーマにしてお金の価値について説明してくれます。
お金というのは、ありがとうの対価である。
お金を稼ぐということは、「ありがとう」をたくさんいただいて、その対価としてお金をもらう事なんだという事を学ぶことができます。
自分の夢を追いかけるのも大事、自分の好きを追いかける事も大事。そして、それが、たくさんの人の「ありがとう」に繋がる事が大事なんですよね。
自分しか満足しない夢はお金にはつながらない。これっ、僕が子どもに一番教えておきたいことなんです。
まとめ 漫画本だから中学生本人に読んでもらいたい
中学になったら勉強や部活も忙しくなって、たまの息抜きはスマホ。なかなか本を読まないかもしれませんが、本書は漫画なので、あっという間に読めるから、中学生本人にぜひ、読んでもらいたいなって思います。
どうしても子どもが読まないってなったら、親が読んで子どもに話ししてやってもいい。本書は中学生にもささりやすい例でお金の説明をしてくれているので、堅苦しくないのもいいのです。
というわけで、今回久しぶりに教育本の書評を書いてみました。うちは子どもも大きくなったので子育て本はもう読まないと思っていましたが、学校が教えてくれないような社会の常識など、まだまだ親が教えられる事もあるなって思っているので、マイペースで教育本も読んで、またブログで紹介できたらいいなって思っています。