子どもを愛する親であれば、子どもの将来を考えて当たり前です。けれども、子どもの将来を考えても考えても、このAI時代、正解がなにかを予測することは不可能といっていいと思います。
僕自身も子どもの将来について色々考えるのですが、僕のアドバイスが正解であるとは全くもっていえない。
僕が学生の頃は子供の将来についての回答、正解がありました。よい大学に入り、有名な企業に就職する。このレールが正解だった。
ただ今の時代は、このレールにのったからといって正解とは限らないといわれています。とはいえです。まだまだ、日本は学歴社会であり、入れるものなら難関大学に入り、入れるものなら大手企業に就職したい。この流れは健在です。正解とは言い切れないけれど、正解には近いかもしれない。
なので、AI時代、子どもの将来のことを考えても正解はわからないけど、よい大学、大手企業に就職は、親が今考えつく最善といえるというのが、今の日本だと正しい表現になるのではないか。と思います。
さらに新聞テレビなどで、連日、
- 新卒の求人が過去最高を記録した
- 初任給が30万円を超えた
などと報道されています。であれば少子化の今こそ、とりあえず大学へいき、よりよい企業への就職を目指すというのも自然な流れと思われるかもしれません。
けれどもです。少子化であっても特に大手企業(名だたる400社)に入るのはそんなに簡単なことではないし、ましてや何となく大学へ行くだけでは企業から評価されない事も知っておくべきだと思います。
そんなことを解説しながら、今回は、AI時代、子どもの将来についてどう考えてみるべきかについて述べてみたいと思います。
AI時代だからこそ、中途半端な大卒は厳しい
結論から書きますが、僕はそんなに遠くない将来、ブルーカラーやエッセンシャルワーカーのほうが稼げるようになると思っています。
今みんながみんな大学へ行くんだけど、果たしてそれが正解なのか、大いに疑問に思っています。中途半端な大学へ行くくらいならなおさら、それは無駄になるのではないか?と思っています。
確かな根拠はありません。ただ、僕がなぜそう思うのか、根拠に近い資料を下記に示したいと思います。
AIが登場して、アメリカではプログラマーが27.5%も減っている
最初にあげる根拠はこちらの記事です。

アメリカでは、AIが登場して以降、プログラマーが27.5%も減少しているという記事になります。日本ではまだ、「IT人材が不足している」とニュースで報道されていますが、そんなに遠くない将来、日本でもプログラマーの数はそんなに必要がないというレベルになっていくでしょう。
以下、記事からの引用になりますが、Googleのスンダ―・ピチャイCEOは2024年第3四半期の決算説明会で
現在、グーグルで新たに導入されるコードの4分の1以上をAIが生み出し、エンジニアがそれを確認して実装している
と明らかにされている。現実としてプログラムはAIが書く時代になったのです。
僕もプログラムを書くのでわかりますが、AIは本当にすごいです。今まで調べながらコーディングしていた作業も、AIに聞けば、正解、もしくは少なくとも正解に近いコードを瞬時で返してくれるので、コーディングの作業時間は格段に短縮されました。
そんな時に頭によぎるのです。「このプログラム作業、僕がやらなくてもAIができるじゃん。むしろAIのほうがすぐれたコーディング書けるじゃん」
なので、大学でプログラムを学ぶことは決して無駄ではないけれど、何も考えずにただプログラムだけをする人員はだんだん不要になっていきます。
必要な能力は、そのプログラムを使って何を実現したいのかを考える力。AIは指示を与えると何でもできますが、考えることはまだできませんから。
大手企業の求人が増えていないのはなぜか?
新卒の求人倍率は過去最高を記録しています。また初任給が30万円を超える企業も続出。少子化で益々人材は不足していく。売り手市場の今こそ
とりあえずどんな大学でもいいから大学へは行くべきでは?
と思っても仕方がありません。ただしです。下記の読売新聞にもありますが、みんなが就職したい従業員5000人以上の大手企業の求人倍率は、前年比より0.07ポイント減の0.34倍。

少子化にも関わらず、大手企業に入社するのは今もって難しい。つまり学生を求めている企業は、大手企業以外であるという事なので、特にただ大学へ行っただけの学生であれば、最終的に就職するのは中小企業になるというのがわかります。
多くの学生が志望する業界の求人倍率は低い
さらにこちらの記事では、一体どの業界が売り手市場なのか?がわかります。引用すると、

- 流通業:16.21倍
- 建設業:9.35倍
- サービス・情報業:0.36倍
- 金融業:0.23倍
つまり
- 情報業や金融業を志望する学生が多いが、その門は狭い。
- 売り手市場とはいうが、人手不足なのは、圧倒的に流通業。
というのがわかります。
なぜ、金融業の求人は少ないのか?答えはAI
ではこの少子化時代、なぜ金融業の求人倍率は低いのでしょうか?ここで登場するのが、またまたAIです。

記事にもあるように金融業界とAIの親和性は非常に高いといわれており、実に93%がAIをすでに活用している。
- データ入力
- 顧客対応窓口
といった今まで人力で補っていた業務も多くは効率化されています。
AIが活用されるのは、ビックデータといわれる膨大なデータを抱える一部上場のような企業が中心です。つまり大手企業ほどAIを活用するため、簡単な業務は人ではなくAIで自動化していく。
今や、簡単な業務しかできない人材は、先に書いたプログラマー同様、金融業界でも不要だと考えるのが自然です。
AI時代に考える子どものキャリア
売り手市場といわれるものの、このように細かくみていくと、多くの学生が求める仕事につくのは実はそう簡単ではなさそうというのがわかります。
つまり就職自体は簡単にできるけれど、学生が理想とする職業につくのは簡単ではない。
そして形だけ「大卒」では大手企業にそれほど評価してもらえない。
のがわかります。
では中途半端に大学に行くぐらいなら。。。と考える場合や、大学で学びたい事がないという子どもに対して、親として子どもにどんな選択肢、アドバイスを与えられるでしょうか?
高専にいくのをお勧めしたい
少し話がそれますが、大学進学の前の前の段階で、高校受験時に高専を選べるなら選べたらいいなと個人的には思います。
即戦力を育てているといわれ、企業から非常に評価が高いのが、高専です。大卒の求人倍率よりもはるかに高い求人倍率がそれを物語っています。
人の手を必要とする、高い技術力はAIには真似ができません。
娘が勉強を頑張って、ある程度勉強で勝負したいといってきたら、高専勧めてみたいなって思いますね^^
エッセンシャルワーカーを目指す
さて、ここから中途半端に大学進学をするくらいなら。。。という視点で子どものキャリアを考えてみます。
世の中は、需要と供給でバランスが保たれています。売り手市場の中、驚かれるかもしれませんが、ホワイトカラーはすでに人余り。AI時代に需要が低いのはホワイトカラーで、逆に需要が高いのは、エッセンシャルワーカーです。

大学に行く多くの学生は、ホワイトカラーの職を考えることでしょう。けれど中途半端に大学で学ぶくらいなら、資格を取ってエッセンシャルワーカーになるほうが遥かに給料が稼げる時代になると僕は思っていて、その道をおすすめしたいです。
エッセンシャルワーカーとは、
「私たちが生活していくうえで必要不可欠な仕事をしている人」のことで、私たちはこの人たちがいないと満足に生活することができないわけですから、常に需要が高い。
例えばお医者さんはその代表ですが、看護師さんであったり、介護士さん、配送ドライバー、バスの運転手、農業従事者などもエッセンシャルワーカーです。
エッセンシャルワーカーは、激務も多くなり手がいない職業ですが、需要と供給を考えてみても、この職業は稼げる仕事になるように僕は思っています。常に社会にとって必要な人材でいるのであれば、どこにいっても仕事や給料に困ることはない。
逆に記事にもあるように、事務系の求人倍率は、0.45倍。売り手市場であっても需要がないし、AIとの勝負になりますので、仕事でも給料でもこれからはかなり苦労するだろうと思っています。
若いうちは自分のやりたい事を追求する
上記に説明してきたとおり、AI時代には、とりあえず大学にいけば給料のよい所に就職できる等と皮算用してみても、それがうまくいく可能性は低いといわざるをえません。
エッセンシャルワーカーになるのも僕としてはかなりの確率でよい給料が稼げると思っているけれど、じゃぁそれが正解かといわれるとそれも何ともいえない。
つまりのところ、AI時代、考えたって何が正解かは誰にもわからないのです。
だったら、子どもがこの分野で頑張ってみたいという道があるのなら、その道をまず探究してみてもよいと僕は思っています。※僕の教育方針は今これです。
※「10年後の仕事図鑑」で堀江貴文氏も、これからの時代は「とことん遊べる子が稼げる時代」だとおっしゃっている。また本書で、落合陽一氏は、「これからは何者でもない人間の価値はどんどん下がっていく」とおっしゃっていて、実はブルーカラーの方がホワイトカラーより有利な点もあるとも述べられています。

若いうちは失敗しても十分にやり直せる。とりえあず20代前半までは自分が目指したい分野、それが成功するかしないかは別にして、一生懸命に探究する。その経験が将来にいきてほしいというのが願望であります。
AI時代、何が正解か僕が考えたって当たらないわけだから、子どもに自分の価値観を押し付けない。そして、自分がやってみたいという道を諦めるという後悔だけはしないでもらいたい。
それだけかな~。親として子どもにしてやれること、そしてアドバイスできるのは。そう思っています。