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【書評】強烈なオヤジが高校も塾も通わせずに3人の息子を京都大学に放り込んだ話

探究学舎*1の宝槻氏の著書・「今日から塾をやめてみた」を読んで、宝槻氏の学びに対する考え方に共感して以降、ずっと読んでみたいと思っていた本がありました。

強烈なオヤジが高校も塾も通わせずに3人の息子を京都大学に放り込んだ話」という本です。

宝槻氏は、非常に個性的なオヤジさんに教育されたのだとおっしゃっていますが、そのオヤジさんがどのようにして宝槻氏を教育されたのか、ともて興味があり、本書を手にしました。

驚いたことに、宝槻氏は3人兄弟で、全員が京都大学に入学されています。また本書では、県の統一テストで国語の偏差値が5だったという三男のお友達も、このオヤジさんの指導を受けて、京都大学へ入学された事が紹介されている。

一体、どんな教育をされて、子ども達を京都大学へ導かれたのか?

そこには、有名塾へ通わせて、子どもの勉強を管理してといった教育パパの顔は一切ありませんでした。むしろ、これから正解のない世の中を生きる子ども達の教育を考えるうえで大切な考え方がびっしり詰まっていました。

今回はこの本を書評してみたいと思います。

目次

本書と著者のプロフィール

宝槻 康伸氏

1981年東京都生まれ。京都大学経済学部卒業。探究学舎代表。幼少期から「探究心に火がつけば子どもは自ら学び始める」がモットーの型破りな父親の教育を受ける。高校を中退し京大に進学。開発期間5年をかけて確率した探究型の教育手法は、子どもたちから「わぁ!すごい!」と歓声があがる”驚き”と”感動”の詰まった授業として、熱烈な支持を受け続けている。

宝槻氏の関連著書の紹介

本書の要点ポイント(書評)

強烈なオヤジさんの教育方針とは?

本書を読み終えて。。。

確かに強烈なオヤジさんでした(笑)今の時代ならまだしも、30年以上前の話になるだろう当時に、こんな型破りなオヤジさんは絶対にいなかっただろうなと思いました。

時代がようやくオヤジさんに追いついてきたのだと思います。今ならオヤジさんの教育方針は、正解のない世の中を生きる子どもたちにマッチした教育ばかり。

簡単には真似ができませんが、こんな教育ができたら楽しいだろうな、きっと子ども達は楽しいだろうなという教育ばかりでした。

どうしたら子どもが「ハマる」かを考え続けた

例えば、

  • まんが日本の歴史
  • まんが世界の歴史
  • 三国志
  • サイエンス雑誌「ニュートン」

などの大量の漫画や本を子ども達に与える。レンタルビデオも大量に借りてきては、子どもに見せる。ドリルや難しい本じゃなくて、「子どもが面白い!」と食いつくものを探して与えて、子どもの知的好奇心を育む。

また、これがすごいのですが、子ども達がミニ四駆を遊びつくして飽きたタイミングで、少し難度を上げたタミヤの工作キットを買ってきて子どもの知的好奇心をくすぐる。

どうしたら子どもが勉強をするのかを考えるのではなくて、どうしたら子どもがもっとハマるかをずっと考えて行動された。

宝槻氏は、著書「今日から塾をやめてみた」の中で、親は子どもに「夢中になれるものを探して」というけれど、夢中でハマれるものを持っている子どもは実はレアなんだとおっしゃっている。

だからオヤジさんは、子どもがハマるかハマらないかはわからないけど、とにかく数をうって子どもが夢中になるものを探し続けた。そして子どもが夢中になったらもっとハマるにはどうしたらいいのかを考えられた。

東大脳の育て方」という本では、東大生の92%に夢中体験があったことが紹介されていますが、まさに著者もオヤジさんの教育によって、夢中体験をされていたことになります。

著者は、進学高校へ進学後、学校の偏差値主義の考え方が合わず、高1で退学されているのですが、学校を辞めたいと相談したときに、オヤジさんは即答で

「いいよ。大検とって大学に行け」と答えられている。

音楽に夢中になっていた元東大王で弁護士の鈴木光氏に「(音楽を真剣にやりたければ)中学さえ卒業すれば、高校には別にいかなくてもいい」*2と鈴木氏の夢を応援されていた親御さんの事を思い出しましたが、結局、鈴木氏も著者も東大や京大に受かられている。

子どもをよく観察し、子どもが学びたいと思うことを学ぶべきだという信念を持たれれていたのが著者のオヤジさんであり、鈴木氏の親御さんであったのかなと推測します。

これこそが、「オヤジが高校も塾も通わせずに3人の息子を京都大学に放り込んだ」真相だったのですね。

斜めの関係、人生のロールモデルとの出会いを用意した

もう一つ。オヤジさんの教育がすごいな~と思ったのは、色んな経歴の大人を子どもに会わせるために家に連れてこられたことです。

  • お寺の和尚さん
  • オーケストラの指揮者
  • 海洋写真家
  • 彫刻家
  • バス停で偶然知り合ったイスラエル人

など等。

友だちでもない、親でも先生でもない人生の先輩となるような人との関係を「斜めの関係」*3といいます。人生のロールモデルと出会うことで、子どもは自らやりたい事や自分の人生を考える事ができます。

長女は私立中学に通っていますが、私立中学の多くは、人生のロールモデルや、本物と出会う機会をたくさん用意されているところ*4が多いです。

インスパイアハイ*5というライブ配信をご存じでしょうか?

例えば、お笑い芸人の渡辺直美氏、ミュージシャンの野田洋二郎氏、台湾IT担当大臣・オードリー・タン氏など、様々な人生のロールモデルになりうる方の話が聞ける10代のために行われているライブ配信です。

子どもが思春期にもなれば、親が子どもの人生に影響を与えることは難しいです。

だからこそ、親でもない、先生でもない人生のロールモデルとの出会いは大切で、今の教育が大事にしている考え方のひとつといえると思います。

この教育の最先端の考え方を30年も前に実践していたオヤジさんはすごいの一言に尽きます。

家庭教育で大事な親の心構えとは?

本物に触れさせること

このように第1章では、オヤジさんの話をずっとされていくわけですが、第2章、第3章では、オヤジさんの教育に影響を受けた著者の家庭教育の考え方が記されていますが、またこれが良かった。

僕たち親は、どうすれば子どもが学ぶようになるのか?について悩みます。そのヒントとして著者は、海洋生物学者レイチェル・カーソン氏*6が子どもに自然の神秘を見せる事の大切さを説いた次の言葉を紹介してくれています。

著:レイチェル・カーソン, 翻訳:上遠恵子
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もしあなた自身が自然の知識をほんの少ししか持っていないと感じたとしても、親としてたくさんの事を子どもにしてやれることができる

たとえ、自然の事を何も知らなかったとしても、子どもに自然を見せる事、触れさせる事それだけで、子どもは自ら何かを感じ取ってくれる。

オヤジさんは、キャンプや釣り、海外旅行、美術館などに子ども達をどんどん連れ出して、子ども達の感性を常に育もうとされていた。

どれが子ども達の感性に合うかなんて親でもわかりません。とにかく数をうって、子どもに触れさせて、響くかを試し続ける。この大切さを本書で改めて学びました。

点と点が将来いつか繋がる。コネクティング・ドッツ

本書を読んで僕が一番心に響いたのが、コネクティング・ドッツの話です。

例えば子どもがゲームばかりしている。親としては意味のないものだと思え、苛立ちを隠せないという方も多いと思います。

著者は、それも将来役に立つ瞬間がくることがあるといいます。

ここで引用しているのが、スティーブジョブズ氏のコネクティング・ドッツ*7の話です。

将来をあらかじめ見据えて、点と点をつなぎあわせることなどできません。できるのは、後からつなぎ合わせることだけです。

無意味であろうと思うことでも、それが将来、点と点が繋がることがある。何が子どもの将来に繋がるかなんて、今の時点でわかるはずもない。子どもが夢中になっていることはきっと将来、何かの役に立つはずだと信じて待つ事の大切さを学びました。

ミライの教育は、子どもの知りたい、学びたいにアプローチする。

著者の立ち上げられた探究学舎は今の公教育では実現が難しい、子どもの知りたい、学びたいという知的好奇心にアプローチする素晴らしいものだと思います。

日本の学校の先生はティーチャー、ティーチング。一方的に教えるだけの事がまだまだ多い。ですが、もう外国の指導方法は自ら学ぶ子の手助けやアドバイスをするコーチング*8になってきている。ソニー・グローバルエディケーション会長・礒津氏も「2024 教育のミライ」で紹介されてましたが、これが未来の教育であろうと思いますし、世界はもうそう舵を切ろうとしている。

宝槻氏は、日本の未来の教育を、まさに探究学舎でやられているのだと思います。その精神はオヤジさんから学ばれた。この本を読めばそれがよくわかります。

【2023/3/23追記】宝槻氏のオヤジさんのインタビュー記事が掲載されたので、紹介しておきます。

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