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「スタンフォードが中高生に教えていること」を読んだ。子どもの才能を伸ばす未来型の学校

僕が二人の娘をもって思う事は、生徒一律に同じ教育を行う学校教育の限界です。

同じ教育を受けて、その授業やクラスが合う生徒はもちろんいます。うちの次女は合うほうです。ですが、うちの長女のように皆と同じ教育を受ける事が合わない生徒もいます。そして合わない生徒の割合は不登校の数*1を見ても、年々増えていっているようです。

それを何とかしよう。クラスみんなが平等に授業を受けられるように、学校は努力してくれます。それはとてもありがたいのですが、学校教育に限界を感じているのもまた事実です。

一方で未来型の学校は、1人1人カスタマイズされた授業が受けられる世界に向かっているといいます。

その未来型の形が見えるのが、スタンフォード大学オンラインハイスクールです。

オンラインの学校ながら設立わずが15年で、ニューズウィーク「STEM教育に力を入れる高校ランキング2020」で、全米ベスト3、2020年は全米進学校1位に輝いたこの学校を率いているのは、なんと日本人校長の星友啓氏。*2

星氏の著書「スタンフォードが中高生に教えていること」を読んで未来型の学校について学び、思った事を今回は書いてみたいと思います。

本書を読むといいと思う人
  • 未来型の高校を知りたい人
  • アメリカの学校教育について知りたい人
  • ネットの高校に関心がある人
目次

今回の教材と著者のプロフィール

著:星 友啓
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星 友啓氏

スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長/哲学博士/EdTechコンサルタント。1977年東京生まれ。東京大学文学部思想文化学科哲学専修課程卒業。その後渡米し、Texas A&M大学哲学修士、スタンフォード大学哲学博士を修了。同大学哲学部の講師として教鞭をとりながらオンラインハイスクールのスタートアップに参加。2016年より校長に就任。(著書発行時)

学びポイント(書評)

スタンフォード大学オンラインハイスクールは、「Design Your Learning」

僕自身、何も思わずこういうもんだと学んできた学校の一斉授業。僕のように特に学びたい事がない子であれば、それもいいと思う。

だけど、学びたい事がある子にとって、皆が皆同じ内容の授業を受けるのは苦痛だと思うし、もっと自分が学びたい事を学べる学校に通いたい。そう思っても仕方ないと思うし、健全な心だと思う。

そう、こうしたマイノリティを支援する仕組みが日本には足りていない。

学校の授業よりもスタサプの方がわかりやすいという話があります。ならば、ネットで学んだほうが早いし、時間効率だっていい。時間は有限なのだから、学びたい事がある子にとって学びたい事以外を延々と学ばされるのは苦痛です。

このように今まで当たり前だった一斉授業は、時代に合わなくなってきている。

オンラインでありながら、全米の進学校ランキングで1位に輝いたスタンフォード大学オンラインハイスクールは「Design Your Learning」。自分で、学習プランを計画していく、自らが学ぶ学校なのだそうです。

講義ベースの授業、学年、カリキュラム、時間割、放課後、テスト、偏差値、こういった学校の定番を可能な限り見直したというそんな学校がアメリカに、しかもオンラインにある。

僕はこの学校の事を知りたくなりました。

まるで大学のよう。個々にパーソナライズされた授業

スタンフォード大学オンラインハイスクールは、年齢による学年振り分けを廃止して、学習到達度による学年の振り分けを制度化しているという。

一見、日本のように皆が同じ教育を受けられる事は公平のように思えるが、能力やニーズが異なる生徒たちが同じ教育を受けるというのは、ある意味、不公平だと著者はいいます。

本当にそう。僕は皆が同じ教育を受けることは、不公平どころか、子どもの個性や才能を潰しているとさえ思っている。

以前、ギフテッド教育について記事*3を書かせてもらいましたが、才能があり、その分野を突き詰めて勉強したい子に、皆と同じ教育を強要することは、その子の才能をつぶしてしまう事になるのは少し考えればわかる事です。

日本の教育は、「80点の子を作るのはうまいが、異能の人を伸ばしきれていない」*4とソニーグループ前社長・平井一夫氏もいうその原因は、学校の一斉授業にあると言っていいと思う。

スタンフォード大学オンラインハイスクールの時間割を本書で見ましたが、まるで大学生のような時間割でびっくりしました。

同じ学年でも学んでいる内容も学ぶ時間もバラバラ。必須の授業自体もとにかく少ない。試しに娘にこの時間割を見せてみると、すごく、びっくりしていました。

そこには自分が学びたい事が学べる環境があることへの羨望がありました。まるで大学の時間割のよう。日本にもこんな高校があればいいな。親子で素直にそう思いました。

反転授業が、オンライン授業の課題を克服する

コロナ禍でオンライン授業をしたけれど、対面授業と比べて授業の質が落ちている、これで学費が対面授業と同じ学費かとため息がでる。*5そんな声が聞かれるほど、オンラインには課題がありました。

こうしたオンラインの課題を補完しているのがスタンフォード大学オンラインハイスクールが導入した「反転授業*6です。

反転授業は、講師が一方的に行う講義とは異なり、予習をしてから授業に臨む。授業では、予習した内容をディスカッションすることで双方向に授業が進む。少人数クラスであるため、常にディスカッションも求められるから、オンラインだからといって勉強をさぼる事は出来ない。

仕事でも会議前に資料を読んでから望むのと、会議当日に資料を配るのではディスカッションの活発さが異なります。

反転授業、これこそがミライ型の授業方法だと僕は思いました。

優秀な教師が全国から集まる

僕が思うオンラインの最大のメリットは全国から優秀な先生を集める事ができる事です。

通常の学校では、地域周辺で教師を選抜せねばならないが、オンラインではそうした地理的制限がない。と著者がいう通り、全国から優秀な教師を集められるのはオンラインの最大のメリットと言えると思います。

実は僕も子どもの習い事を探す時、物理的制限を受けない場合はオンラインで優秀なコーチを探しています。

関西に住んでますが、近くに良いと思う先生がいない場合、東京だったり、福岡だったり、娘が習いたいと思う先生とオンラインで繋ぐことをしている。

未来は良き先生の授業を生徒が選択する動きになっていくだろう事を落合陽一氏も著書・「0才から100才まで学び続けなければならない時代を生きる学ぶ人と育てる人のための教科書」*7でおっしゃている。

高校中学も、そう変わっていってもおかしくはない。

ミライの教育はパーソナライズの時代へ

五味太郎氏は著書「勉強しなければだいじょうぶ」*8で勉強は、勉学を強しると書く。そうじゃなくて、自ら学びたいと思うことを学べば大丈夫だと言われてます。

学校は読み書き計算をやり、後は個々が学びたい事を選べる、パーソナライズできる、こうした理想を語っておられましたが、本書を読んでまさか既にパーソナライズされた授業が世界のメジャートレンドとして認知されてきている。というので驚きでした。

ネットの高校に通うのが当たり前の時代がくるかもしれない

スタンフォード大学オンラインハイスクールに集まる生徒たちは優秀。だからこそパーソナライズ、オンラインでやっていける。それはそうなのかもしれない。

けれど本書で学んだ事は、子どもが学びたい事を学ぶ、それが本来の教育の姿であるという事。そして世界の教育はそう変わろうと進化を続けいるという事。

ただ著者もいっていた通り、教育はインフラだと考えると簡単に変わる事は難しいし、質の高い教育を平等に受けられる教育も子ども達のセーフティーネットとして絶対に必要だと思います。

ですが、教師不足が社会問題になっている昨今、なんでもかんでも公教育だけで何とかしようとするのではなく、民間とお互い足りない部分を補完しながら、良い教育を作り上げていって欲しいと思います。

特にギフテッドのような才能ある子を引き上げるのはスタンフォード大学オンラインハイスクールの仕組みを見習うべきではないか。国にはこうしたマイノリティを支援する仕組みもしっかり考えていただきたい。

今、自分が学びたい事を学べるネット高校の生徒数が飛躍的に増えているといいます。N高等学校*9や、ゼロ高等学院*10などの取り組みに僕も感心をもっています。

日本も数年後には、高校生がネットの高校に通うのが当たり前の時代がくるかもしれないな。本書を読んでそんな風に思いました。

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