「東大王」という番組で紅一点活躍されていた鈴木光*1さんをご存じでしょうか?東大王を卒業されてからは夢である弁護士になるため、芸能界をすっぱりと引退。
後に見事に司法試験に合格されて、合格報告とともに、SNSも閉鎖されたというその潔さがとても印象に残っています。
↓その後、大手法律事務所に就職され、確実に夢を叶えていらっしゃるようです。
その鈴木光さんの著書があります。「夢を叶えるための勉強法」という本です。鈴木さんは、著書のタイトルとおり、ご自身の夢を叶えていらっしゃいますね。どうやってその夢を叶えられたのか?僕はとても興味がありました。
その秘密は、目標の立て方にありました。本書は夢を叶える為にどのような目標を立てていけばいいのかを具体的に学ぶことができます。
- 鈴木光氏の勉強方法を知りたい人
- 目標の立て方を学びたい人
- どうしたら鈴木光氏のような子どもを育てられるか興味がある人
本書と著者のプロフィール
鈴木 光氏
1998年東京都生まれ。2017年、国立筑波大学付属高校を卒業し、東京大学文科一類に現役合格。同年11月からTBS系「東大王」にレギュラー出演。2021年司法試験合格
夢を叶える為の目標の立て方(書評)
努力しても報われない事は多々ありますが、勉強は努力すれば報われる。
努力すればできる!そう自分を信じられるようになることで、将来の夢に向かって頑張ることができるようになると著者はいいます。
夢を叶える為の具体的な方法は、すぐに実現可能な「小目標」の設定からはじまり、最後は数年単位の時間がかかる「大目標」の設定まで。目標の設定に秘密がありそうです。
本書は鈴木氏の夢を叶えるための目標の立て方を学べる一冊です。
大目標、中目標、小目標を設定する
目標の立て方は、
- 大目標(「こんな大学に入りたい」「こんな職業に就きたい」といった数年単位で設定)
- 中目標(大目標を達成する為に必要な数か月単位で設定)
- 小目標(細かな確認の為の数日、数週間単位で設定)
に分けて考える。
大目標はざっくりでいいそうですが、ポイントは中目標、小目標!
- いつまでにやるかという期限
- 何をやるべきか
- どの程度できることを目指すか
など具体的であれるほどいいといいます。これはものすごく大事な考え方だと思いましたし、夢を叶える人はやっぱり目標達成までが具体的!
少し難しいけど頑張れば達成できる目標を設定する
小目標を立て、短期的な目標から達成して、スモールステップで引き上げていく方法は、自信をつけるのに最もよい方法です。著者も、少し難しいけど頑張れば達成できるかもしれない目標を設定するのがよいとおっしゃっています。
僕は娘が英検を頑張っているのがいいなと思っているのですが、英語がしゃべれるようになるからいいと思っているのではなくて、英検がまさに「少し難しいけど、頑張れば達成できる」小目標であるからです。
実際に英検合格後の娘は自信をつけているようで、努力すれば目標を達成できるを体感してくれていると思っています。
同じく東大卒で司法試験に一発合格された河野玄斗氏も、著書「シンプルな勉強法」で、できるループを回すんだという話をされています。難しい目標から挑戦して挫折するのではなくて、少し難しいと感じる問題くらいから挑戦するべきとおっしゃっていますが、これもいわばスモールステップです。
小さな成功体験を積み重ねるという考え方は先日、千葉ロッテマリーンズの監督に就任された吉井理人氏も著書「最高のコーチは教えない」で触れられていて、一流のアスリートにも適用できる考え方で、夢を叶える人の共通の考え方なんだなと学びました。
学校の教科書や問題集を活用し、宿題や小テストも頑張る
先般、塾に行く前に学校の教科書だという記事を書かせていただいたのですが、著者もまた学校の勉強も決して抜かずに取り組まれていたことが本書で確認できたのはよかったです。
僕はとにかく学校の授業や教科書が大事だと思っている人で、むしろ学校の勉強さえしっかりしていれば塾もいらないし、大学だって行けると思っている人です。
「人生に必要な教養は中学校教科書ですべて身につく」で、池上彰氏や佐藤優氏が学校の教科書の素晴らしさを説いていらっしゃったのを読んで、僕は学校の教科書を見直すようになったのですが、東大に現役合格された鈴木氏も学校の勉強をフル活用されていたので、ますます学校の教科書って素晴らしいなって思いました。
守破離(しゅはり)1という言葉があります。
守破離とは、日本の茶道や武道における師弟関係のありかたとされ、
まずは師匠からの教えを徹底的に守るところから始まる。
師匠の教えにそって、修行・鍛錬を積む。師匠の型や他流派も含めて研究することで既存の型を破ることができる
自分自身の型をよく理解しているため、既存の型にとらわれる事なく、型から離れて自在にできるようになる。
このようにまずは、学校の先生、勉強をしっかり積むことからやり、はじめて、自分の型(夢)に近づくことができるというわけです。
勉強は質だという話
勉強量=勉強の時間×質
だという著者。
勉強時間を伸ばすよりも、質を上げる方が簡単だという著者は、この勉強の質をあげることを、勉強の密度をあげると表現されています。
これは和田秀樹氏の著書「公立・私立中堅校から東大に入る本」でも書かれていたことですから、やっぱり勉強方法を知っている人の考え方には共通点がありますね。
勉強の質とは、時間当たりにどのくらいの勉強ができたか、つまり集中して勉強ができたかということを指しますがダラダラ勉強した1時間と、集中して勉強した1時間では、その質が大きく変わるということはよくわかりますね。
著者は、勉強の質をあげるテクニックとして5つあげられていますが、中でも
- タイマーを使って勉強時間を区切る
- スマホ・ゲームは勉強場所から遠い所に電源をきって置いておく
- 人目のある場所で勉強する
は良かったです。スマホやゲームは、鈴木氏でさえ遠い場所に置いておかないとつい手に取ってしまうのだなと思いました。
鈴木氏のご両親の教育が素晴らしい
最後に。僕が本書で一番興味深く読ませていただいたのは鈴木家の教育方針についてです。
意外なことに鈴木さんのご両親は、
- 「義務教育をちゃんと受けていれば、高校すら行かなくていい」
- 「好きなことをして生きなさい」
という方針であったそうですから驚きました。
鈴木さんが、DAW(コンピューターミュージック)で作曲をしたいとなれば、音楽の道に進めるようにオーディションを探したり、「音楽の道で生きていきたいなら、高校にも行かなくていい」というのは、親としてなかなかいえないセリフです。
僕なら高校に行かなくてもいいなんて、子どもに言えないだろうな~。若いうちは失敗を恐れずに好きな道を究めなさい!とは常に僕も言っているのですよ。ただ、最低限、宿題だけはやってねとか言ってしまいますね(笑)
もうひとつ。鈴木さんはご両親に自由に育てられたおかげで、やらされる勉強ではなくて自分が必要と思って取り組む勉強をするようになったと本書では語っていらっしゃいます。子ども自身が決めた道を進めば、人のせいにせず、自分が進もうとしている道にも責任を持つようになる。という言葉がすごく印象に残りました。
本書で学べる事 夢を叶える為には目標設定が大切
鈴木さんは司法試験に合格されて夢を叶えた方といってもいいでしょう。鈴木さんが夢を叶えられたのは、ひとえに目標設定をしっかりされていたからだなと本書を読んで勉強になりました。
高校生であった鈴木さんがこれほどしっかりした目標設定ができた事にも驚きましたが、だからこそ鈴木さんは東大や司法試験合格といった道を切り開かれたのでしょう。
目標設定は大人でも難しいですが、もし我が子が目標設定ができるようになれば、もう安心して子離れできそうです(笑)
そのぐらい、目標設定の立て方は大事。本書では、夢を叶えるための目標設定の方法が学べるお勧め本です。