中堅 私立中学でもいいんじゃね?

子育ての悩みを本で解決!教育本と子育て本の書評、中学生・高校生にお勧めの本を紹介してます。長女が通う私立中学の魅力も発信。娘たちの幸せ追求ブログ

【書評】 「中学受験をしようかなと思ったら読むマンガ」を読むだけで、中学受験のリアルがわかる

中学受験はよい経験だったし、長女がイキイキと中学に通ってくれているのを見て良かったな~と思うけど、できればもう経験したくない。そのくらい精神的にも肉体的にも過酷だったのが中学受験でした。

 

僕自身が中学受験の経験者ではなかったので、娘に経験を伝えることもできないし、とにかく情報が少なすぎて本当に苦労しました。情報を得るためにとにかく動いて、生の情報を拾っては取捨選択し、なんとか親子ともども満足いく中学受験にできました。

 

この経験を、これから子どもの中学受験を考えている方にお伝えできればと思うのですが、中でも一番お伝えしたい事は、

 

華々しく第一志望の難関中学へ合格できる子は、一握りしかいない

ということです。僕がそうだったのですが、子どもの学校の成績が非常に良い場合、ひょっとしたら難関中学に合格できるのではないか?と夢を見てしまう。

 

中学受験本や雑誌、インターネットをみれば、どの中学の偏差値がよくて、どの中学に入れば将来どの大学へ進学できるといった特集ばかりが目に付きます。

 

でもね。。。中学受験ってそんな華やかな世界じゃないんですよ!

と僕は教えてあげたい。

 

酸いも甘いもという言葉がありますが、こと中学受験に関して言えば、甘いはほとんどありません。それを教えてくれる本が今回ご紹介する「中学受験をしようかなと思ったら読むマンガ」です。

 

中学受験のリアルを教えてくれます。この1冊を読めば、中学受験とはどんなものか大体理解できる優れものです。僕が娘の受験前にこの本に出会っていれば、もう少し余裕を持った受験戦略をたてられていたかもしれません。

 

 

 

本書と著者のプロフィール

漫画:高瀬 志帆氏

テレビドラマ化もされたあの「二月の勝者-絶対合格の教室-」を手掛ける漫画家であり、2人のお子さんを育てているワーキングマザー。(著書発行時)

 

原作:小林 延江氏

漫画と実用書を手掛けるフリーランスの編集者。息子の中学受験を通じて、その厳しさ、奥深さを経験。

本書の要点ポイント(書評)

本書は、あの「二月の勝者」の著者である高瀬志帆さんが描かれた中学受験のシュミレーション漫画です。

 

  • 勉強も運動も中の上、6年夏までなかなかエンジンがかからないコウタ(山吹家)
  • おとなしい性格で真面目にコツコツやる綾香(白田家)
  • 2年から塾に通うが、本当はバレイを続けたい舞(青山家)
  • 本と理科が大好き、我慢強く思慮深い亮介(赤城家)

4つの家庭の中学受験が疑似体験ができます。

 

それぞれ「私立中堅校」「公立中高一貫校」「超難関女子校」「受験を止めた」ご家庭。塾選びから、勉強をめぐる親子喧嘩、受験直前、受験当日までのストーリーをそれぞれ笑いあり、涙ありに描かれた一冊です。

 

今回ご紹介するのは、2017年3月発行のムックの内容に一部新規ページを追加した新装版ですが、中学受験後の後日談が描かれており、この追加ページがとても重要なので、買う場合は、新装版を買われることをお勧めします。

中学受験を凝縮してまとめた一冊

「二月の勝者」を読む前の入門書

本書は、本当に中学受験をリアルを見事に描いている一冊だと思います。しかも、マンガだから、スラスラあっという間に読めます。

 

中学受験は本当に大変で、思うような結果が出ないことが圧倒的に多いです。最高のハッピーエンドになる子はほんの一握り。そういった等身大の受験生がリアルに描かれている。

 

中学受験漫画は「二月の勝者」が有名だと思いますが入門編として、まず、この一冊を読まれることをおすすめします。子どもの中学受験を経験した僕が太鼓判を押します。

 

↓中学受験漫画といえば、「二月の勝者」ですよね!

親目線で中学受験が描かれている

「二月の勝者」は、子どもや塾の先生目線で描かれている漫画だと僕は思っています。(詳しくは知らないのですが、ドラマを見ている限り)

 

ですが、本書はどちらかというと親目線で描かれているのが特徴かなと思います。

 

受験の主役はもちろん子どもですが、中学受験は特殊で、親がまるで主役のように動かないといけない時があります。中学受験は親にもストーリーがあるものなんです。その親の喜怒哀楽や奮闘が本当にリアルに描かれている。

 

学校の成績はいいのに、塾の模試で30点とか40点しかとれない子ども。これに親がびっくりするのも中学受験。僕もこんなにできないものかとびっくりし、落胆したものです。

 

また、どのくらい勉強すれば合格するのか全くもってわからないのが中学受験。子どもにどうしても合格をさせてやりたい。その想いから、子どもが少しさぼったりゲームをしているだけで、腹が立ち、焦るのも中学受験。

 

あまりに特殊な算数の問題に親が全くついていけないのもまた中学受験。本書でお母さんが、

 

「ある姉妹が家から学校に行きます。姉が道のりの三分の一行ったところで、妹が家を出ました」

 

という問題に対して

 

「この姉妹なんで一緒に行かないのかしら。お姉ちゃん冷たいわね」

と算数の速さの問題にぼやきを入れるシーンがあります。

 

姉妹同時に家を出発してくれたら簡単に計算できるのに、わざわざ別々に家を出るから計算が複雑になる(笑)中学受験はなぜか方程式を使ってはいけないので、本当にややこしい。

 

親が中学受験問題をみて嘆くのは、中学受験の親あるあるです。

 

↓中学受験独特の特殊算はこんなにあります。こちらの記事が参考になると思います。

yuzupa.com

 

子どもが塾の勉強についていけなくて、親が家で教えるために休息時間も削って勉強し、疲弊するのも中学受験。正直、僕は中学受験でかなり老けた自信があります(笑)。それくらい親も労力をつかうのが中学受験。

 

本書ではそれがみんな描かれている。

限りなくフィクションに近い中学受験が描かれている

努力すれば成功する。報われる。それはドラマの世界です。

 

実際の中学受験はこんなに綺麗にはいかない。この事を本当にリアルに描いているのもまた本書のいいところです。

 

「中学受験したい!」しっかりと意志をもって受験する子は僕は少ないのではないかな?と思います。我が家はそうでした。中学受験をして何か特別にいいことがあるか、小学生の子どもがイメージするのは難しいものです。

 

中には本書で登場する綾香ちゃんのように自分で受験をしたいという子もいるにはいますが、大抵は親が勧めるケースが大半だと思います。

 

いずれのケースであっても遊びたい盛りの子どもに対して、早ければ小学3年の2月から3年間塾通いを強いる。

 

子どもの為だとはいえ、子どもに遊びを犠牲にしてまで勉強を強いた罪悪感が親ならどこかにあるはずです。でも、それが100%報われるわけではない。

 

中学受験の厳しさや苦労、現実を本書では疑似体験できますし、本書のストーリーが限りなくフィクションに近く、多くのご家庭に当てはまると僕は思います。

一番良質なコンテンツは、中学入学後のリアルを描いた後日談

ご紹介してきたとおり、本書は中学受験のリアルを知る上でもっともお勧めの一冊だといっても過言ではありません。言い過ぎかもしれませんが、「二月の勝者」のダイジェスト版といってもいいくらい。この一冊を読んでおけば中学受験の大体がわかります。

 

ですが本書の一番おすすめは、中学入学後の子ども達の様子が描かれたコンテンツです。

 

新装版で追加されたこの中学受験後の4人を描いたコンテンツは本当にリアルで、受験生の親御さんなら是非知っておいて欲しい。

 

  • 私立中学に合格したもののゲームばかりして全然勉強しない子。
  • 進学校に入学したものの勉強が大変で結局Wスクールに通うことになり、出費が大変になった子。
  • 夢を語るのはいいけど全然勉強しない子

どれもこれもがリアルです。

 

中学受験というドラマは、志望校に合格した時点でゴールです。ですが、実際は中学受験はあくまで通過点であり、人生のゴールではありません。

 

厳しい中学受験を突破した子達は、合格した途端に緊張の糸が切れてしまって急に勉強を止めてしまう子も実際多いのです。このことを教えてくれる中学受験本はあまりありません。

 

リアルな世界でいえば、我が子が通っている中学校も勉強を頑張る子と全く勉強をしない子にわかれています。私立中学の問題や勉強についていけない子も実は多いです。

 

また中学入試が終わって中だるみをしている子が多い中、より厳しい高校受験を突破した生徒の方が優秀で、大学実績は高校から入学した子がほとんど稼いでいるという学校も結構あります。

 

こういう中学受験後のリアルまで知って、子どもにとってやっぱり中学受験がいいと判断出来れば、よりよい中学受験ができると思います。

 

 

 

まとめ 中学受験初心者が最初に読んだらいいと思う本です。

子どもの勉強の実力を俯瞰して見られるのは中学受験が最初かもしれません。小学校で常に100点が採れる、学校で成績一番の子であっても、中学受験は全く別世界。

 

僕も世の中にはこんなに勉強が出来る子がいるんだとショックを受けたものです。それでも僕は親バカですから、いつか我が子なら勉強が出来る子に追いつけると信じてました。でも現実は違った(笑)でも、我が子は我が子のままでいい。そう気がつく事が出来たのも中学受験を経験したからだと思います。

 

子どもの幸せを本当に思う時、好きでもない勉強を親のエゴで押しつけるのはどうなのか?そういう事を考えられたのも中学受験を経験したから。例え難関中学に受からなくても中学受験で気付ける事は多い。中学受験は素晴らしいとは思うけど、それが我が子にあっているかは、よく考えた方がいい。

 

その為にはまず中学受験のリアルを知ろう。「二月の勝者」を読む前にまず入門書として本書を読むのもおすすめです。

 

◆ドラマ「二月の勝者」のレビューも是非、参考ください◆