最近はどこもかしこも英語学習に力が入っていますね。私立中学はもちろんのこと、文科省の方針で、公立の小学校でも5年生から英語が教科として採用され、成績にも反映されるようになりました。
我が家も長女は私立中学で英語漬けの日々を送っておりますし、次女も学校でネイティブの先生から学んでいます。
英語が話せたら素晴らしいなって思うのですが、あくまで英語はコミュニケーションの手段であり、人と人との会話であるわけですから、中身がともなってないとダメです。
外国の方と話をするとき、相手は日本のことを聞きたいわけですから、日本のことを少しも話せないっていうのが、実は残念な事なんですが、灯台下暗し。意外とわからないのですね。
そこで、今回は異文化以上に日本の文化を知っておくことの大切さを気軽に学べる本をご紹介したいなと思います。「北欧女子オーサが見つけた日本の不思議」っていう本です。4コマ漫画でとっても楽しく学ぶことができます^^
本書と著者のプロフィール
オーサ・イェークストロム氏
1983年生まれ。スウェーデン出身。子どもの頃、アニメ「セーラームーン」と漫画「犬夜叉」を知って漫画家になることを決意。スウェーデンでイラストレーター・漫画家として活動後、2011年に東京へ移り住む。
↓日本で活躍されている外国人の方の本は刺激になりますね。
外国の方とのコミュニケーションを弾ませるには?(書評)
オーサ氏が13歳のとき、スウェーデンのテレビでセーラームーンを観て感動し、漫画家になることを決意。そして遂には憧れの日本で漫画家になるために、移住することになりました。
漫画を描くときに、自分にしか体験できないことをストーリーにするほうがよいとアドバイスを受け、外国人から見た日本の魅力や不思議なところを4コマ漫画にしてブログで公開したところ人気を博し、書籍化となりました。
本書は、著者がいかに日本や日本の文化を愛してくれているかわかり、とても温かい気持ちになれますし、また日本の文化が外国の方からどのように見えているのかとても興味深く、あっという間に読める4コマ漫画本になっています。
コミュニケーションが弾むためには失敗を恐れない事
日本語も全くままならない著者が、失敗をしながら日本語を学んでいかれる様子がよくわかります。日本でも学校の授業やオンラインの英会話でネイティブ先生と話す機会が増えてきましたが、生活の中でネイティブと話す機会というはやっぱり少ない。
生きた英語を学ぶためにはネイティブとの会話しかないし、それが上達の近道であるのは間違いないなって本書を読んでも思います。
著者の素晴らしいところは、まず日本の文化、アニメや漫画の好きがあって、その好きを探究するために日本語を学ぶ必要があったということろ。
英語を学べば何となく将来役立つという動機よりも、まずは何か得意であったり好きなものがあって、それを極めるためには英語が必要。という流れがあると英語も上達するんだろうなって思いました。
もちろん、極めたいものを見つけるまでは、少しでも英語を学んでおいたほうが楽だと思うので、英語をコツコツと頑張っておくことに意味は絶対あると思いますが。
日本を愛してくれる外国の方を愛する
本書は、オーサ氏(外国の方)から見た日本ってこんな風に映って見えるんだとか、日本では当たり前だったことが、外国の方から見ると、すごく不思議なことなんだというのが4コマ漫画で本当に楽しく学べます。
なによりオーサ氏が、日本のことを好きになって、日本に住んでくれるまでになったというだけで僕は本当に感動し、本書をあっという間に読みきりました。
オーサ氏が100円ショップに感動しているところや、カップラーメンやコンビニおにぎりの便利さに驚いているシーンなど、日本なら当たり前のことで刺激を受けているシーン
「へ~、日本では当たり前のことでも、外国の方ならこんなに感動するんだ」と面白いです。
逆に、オーサー氏の出身であるスウェーデン(ストックホルム)の文化についても書かれていて、スウェーデンの文化に触れられる点も面白い。
例えば、夏に1日中太陽が沈まない白夜というのがありますが、その反対で、冬に1日中太陽が昇らないのを極夜といいます。スウェーデンがその地域になるってこともこの漫画で学びました。先日、クイズ番組で、「白夜の反対は?」という問題が出ましたが、即答できましたね(笑)
外国の方と交流するってこんなに楽しくて刺激的なんだなって事を本書では学ぶことができました。
外国の方とのコミュニケーションに日本文化を知ることは欠かせない
一方で、オーサ氏が日本の文化に触れられるシーンがたくさん登場するのですが、ここではいかに自分が日本のことを知らないんだなということを痛感することができます。
オーサ氏は日本人でも経験していないような日本文化に積極的に触れられています。つまり外国の方は、日本人とコミュニケーションをとるとき、自分が知っている事を知りたいのではなくて、自分が知らない日本の事が知りたいってことがわかります。
例えば、オーサ氏はそば打ち体験とかされていますが、そばの事を外国人の方に聞かれて答えることができる?といわれると、答えられる自信ありますか?
そう考えると、我々も英語を積極的に学ぶように言われるんですけど、同時に日本文化も学ぶようにしていかないと結局、外国の方とのコミュニケーションは弾まないのではないかって思います。
英語は全く話せないけど、そば職人の人とか、着物を作っている人とか、そういった人達との交流のほうが、実は英語圏の人たちは会話が弾むんじゃないかって想像します。
まとめ。英語を話せる事よりも日本文化を最低限語れることが大事
本書を読んで、日本の文化(今回の場合はアニメや漫画)を愛してくれる外国の方がこんなにもいるんだな~を心が温かくなりましたし、異国の方と交流出来たらこんなに楽しいんだなって事も学べました。
ただ上述しましたが、いくら英語を話せても、日本文化のことを話せないようでは、会話は弾まないのではないかということも思いました。
外国の方が知りたいのは、日本の文化に違いないわけですから。
本書を読めば、外国の方と交流したいなという気持ちがより湧いてくると思いますが、一方で外国の方と話するためには、日本の文化も最低限、勉強しておいたほうがきっといいよなって気づくこともできると思います。
英語はあくまでコミュニケーションの手段であるわけですから、コミュニケーションを円滑にするためにも、やっぱり知識の引き出しは多いほうがいいなって思います。
さて、本書については次女がはまりまして、英語はもちろん大事だけど、日本の文化を知ることも大事だよって話が出来て良かったです。
また長女は、絵を描くことが大好きで詳しいですから、オーサ氏もはまる、日本のカルチャーをどんどん詳しくなったらいいよとアドバイスしております。
子どもにとっても非常に読みやすい本なので、今意味もなく英語を頑張っている、何となく英語が楽しいから頑張っているといった方の意識のステップアップにも本書をおすすめしたいなって思います。