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「学校に行きたくない」と子どもが言ったときに親ができること。不登校でも子どもを信頼すること

子どもが学校に行きたくない。と言い始めたのが青天の霹靂だったという方もいらっしゃるだろうし、僕のように子どもにすでにその兆候が出ていて、来たかと心の準備が出来ていたという人もいらっしゃるだろう。

けれど、親の立場からすると、いずれにせよ心痛い事案です。子どもには子どもの人生といいますが、子どもを産んだ責任が親にはあり、なんとか社会でやっていける子にはしてやらないという義務があります。

子どもが学校に行きたくない。そういうようになった時、親はどうしたらよいのか?その答えは、きっともう少し先にならないとわからないとは思うのですが、それでも、親ができることは何なのか?その答えを模索したい。そう思って読んだ本、今日は紹介したいなと思います。

目次

不登校の子どもに親ができることとは?

石井 志昴氏

1982年、東京都生まれ。中学2年生から不登校となりフリースクールに通う。19歳から日本で唯一の不登校の専門紙である「不登校新聞」のスタッフとなり、2006年から編集長。20年からは、代表理事も務める。これまで、不登校の子どもや若者、識者ら400人以上に取材をしている。「あさイチ」「逆転人生」(NHK)「news zero」(日本テレビ)「報道特集」(TBS)などメディア出演も多数

amazon著者紹介より抜粋

著者は不登校新聞の編集長でいらっしゃって、ご自身も不登校を経験し、フリースクールに通われていた方です。決して不登校のカウンセラーではなく、ご自身が不登校を経験されてきた方なので、話に説得力があります。

本書を読んで「子どもというのは、ただ雑談をしたいのだ。」ということをいわれていたのが印象的でした。それなのに、親は不登校の子どもを心配するあまり、子どもの雑談から、将来の仕事につなげて話を広げようとしたりする。まさに僕なんですが、子どもが求めている事は決してそれではない。

僕にとって、とても痛い話でありました。

子どもを信じてやろうと思うのですが、すぐに心配が勝って、子どもがちょっと将来の希望を口にしたらすぐにそれをどうしたら成功に導けるかをこんこんと話ししてしまう。あるあるじゃないでしょうか?

いかに子どもを信頼していないか。その親の不安が子どもにも伝わるのでしょうね。子どもを信頼する。口では簡単なことですが、実際、子どもの将来を思うとなかなか難しいものです。

けれど、本書では一貫して子どもを信頼してあげてくださいという事が書かれていて、それが不登校の子どもを持つ親へのメッセージだと僕は感じました。

不登校は一番しんどい時期を脱したサインだと安心する

不登校は子どもにとって学校は一番つらい時間なんだろうと思いますから、著者の言うとおり、不登校で学校へ行かないということは一番しんどい時期を脱したサインだというのはその通りだと思いました。

もちろん、家の中では見えない自分の将来を憂いているのだと思います。けれど、不登校になった時点で、心の回復ははじまっているというのですから、親としては引きこもりになったらとか心配はつきないと思いますが、まずは安心してやらないといけないなと思いました。

僕は子どもに理想を求めることがあるのですが、幼い頃は子どもがただ存在してくれるそれだけで、本当に嬉しかったし、子どもに求めるものは何もなかったと思いだします。

子どもが危機を脱して、心の回復をはじめてくれているのなら、まずはそれでいい。そう思うようにしないといけないなって思いました。

勉強はいつでもできると開き直る

親としては子どもの将来が心配だから、どうしても勉強の遅れが気になり、そんな話もしたくなる気持ちはわかります。けれど、勉強の事は一旦置いておく。そうすることで、子どもはプレッシャーを感じることがなくなり、勉強は子どもが自分自身で必要と思ったら自分で始めるようになる、それからでも十分間に合うというのも著者がおっしゃるとおりだと僕も思いました。

実際著者はフリースクールに通われていた時も勉強という授業にはほぼ出ていらっしゃらないと書かれていました。それでも、今は新聞社の編集長をやられているし、著書も発行されている。

以前のブログでも書きましたが、僕は学校の勉強は多少できても、それは「たかが、しれている」と思うようにしました。京大や東大レベルで学問を追求できれば別ですけど、そうでなければ多少学校の勉強が出来たとしても、それほど武器にもならない。これは子どもが全日制高校をドロップアウトしたからいえることで、そうでなければこんな考え方にはなっていないと思います。

糸井重里氏の「せっかく不登校になったんだから」という言葉が僕に今響いていて、せっかく通信制高校にいったんだから、思い切って自分が追求したい分野を追求してみたらいいよって今は思っています。

本書で紹介されていたのですが、

好きにしていいよ。

という言葉が、不登校児が親に言われて嬉しかった言葉なんだそうです。僕は今、好きに自分が関心のあることを勉強したらいいよと、子どもにメッセージを送っているところです。

別に大学に行かなくたっていい。学校の勉強なんてたかがしれている。自分が本当に学びたいことがあるなら、それを勉強できることをを幸せに思って、探究してくれたらいいなって思っています。

自己肯定感は、親の信頼から生まれる

本書では、汐見先生との対談がのっているのですが、その対談がとても興味深い。今世間で流行りの自己肯定感。この言葉の生みの親といわれているのが、実は汐見先生なんですが、汐見先生はこの自己肯定感ブームに対して

今の自分に対する自信や自分を肯定する感覚を自己肯定感という言葉にしたのだけれど、それがひとり歩きしちゃってね。そうなると僕は「自己肯定感」という言葉を使うのはやめようと思うわけ(笑)

「学校に行きたくない」と子どもが言ったときに親ができることを読んだ

とおっしゃっている。

子どもは一番大事な親から、自分は深く信頼されているんだという感覚をもつことができる。その感覚が自己肯定感といわれているもののベースだというのは、自己肯定感の本をたくさん読んだはずなのに、灯台下暗しというか、気が付きませんでした。

汐見先生の言葉を聞いて、いかに子どもを親が信頼してやることが大事なのか、改めて心に刻み込みました。

そして社会性についてです。子どもの社会性やコミュニケーション能力がつかないのではないか?やはり親としては一番心配するところです。

ですが、汐見先生は対談の中で、

自分に何があっても誰かがたすけてくれるという経験値が積み重なっていくと、ベーシックトラストといって、最もベーシックな他者への信頼感がはくぐまれていく。他者というのは下手したら敵なんだと、けれども何かあったときには自分の味方になってくれる存在なんだという感覚を身につけられるかが社会性をはぐくむカギといえる。

「学校に行きたくない」と子どもが言ったときに親ができることを読んだ

この言葉もものすごく共感しました。不登校になった子にはこの感覚に大きなハンデがあるように思ったからです。

他者を信頼できる子は社会性が生まれてくる。ただこれは学校で友だちといっぱい遊んだから育まれるものではない。学校でも牽制球を投げ合いながら忖度しているようでは、そんなものは社会性でもなんでもない。

「学校に行きたくない」と子どもが言ったときに親ができることを読んだ

そういわれるとなんかホッとした気分になりました。まず親が子どもを信頼し、次にフリースクールでも先生でも1人でも2人でもいい。何度も話できる人がどこかに生まれたら十分社会性は育つんだと勉強になりました。

親は子どもを信頼するところからはじめよう

子どもが親の理想通りに育っているのなら、親は何も心配する必要もないし、子どもを信頼しています。そう言えるでしょう。

しかし子どもが不登校であったり、勉強しなかったり、将来に不安があると思ったらきっと親は、なかなか子どもを信頼できないし、言葉や態度に出てしまうのだと思います。

けれど本書を読んで、子どもが不登校である、子どもが勉強しない、子どもの将来に不安がある時だからこそ、子どもを信じて信頼してやらないといけないんだなと学ぶことができました。

全日制の高校を出て大学に行ったから安心という時代ではもうない。不登校になり、通信制高校に通っている我が子をみて心配しない親はいないと思うけど、もう少し我慢して子どもを信頼してみよう。

そう思いました。

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