以前公開しました「思春期の子を持つ親が何度でも読み返すべき本」は、当ブログのアクセス数3位とお陰様で好評をいただきました。そこで今回も、思春期の子の持つ親が読むべき本を紹介したいと思うのですが、視点を変えて、「思春期の子どもにイライラしないために読む本」という切り口で書いてみたいと思います。
思春期の子の考えている事が分からず、親初心者の僕は戸惑う事も多いのですが、本を読むことでだいぶん救われていることが多いです。少しでも共有できたらなと思います。
さて、子育て本は、最新だからいいというわけではなくて、長年愛されるロングセラー本の方が僕は好きだったりします。ですので、今回も新旧問わず、僕は本当にいいなと思った本を独自の基準でご紹介したいなと思います。
「この本は名著だね!」という本はもちろんですが、「えっ!この本を紹介する?」なんて意外な本も紹介しています。お楽しみいただければと思います。
くろちゃんパパ
- 思春期の娘二人(小学生、中学生)のパパ。
- 子育て本、教育本を100冊以上読む。
- 娘が生まれた時からずっと子育てに関わり、娘たちと今も良好な関係を築く。
- 長女の中学受験の勉強に毎日付き合い、中高一貫校の合格を親子で勝ち取る。
- 勉強だけで優劣が決まる今の教育に疑問をもち、未来型の教育に関心を持ち勉強中。
思春期の子にイライラしたら、どんな本を読めばいい?
当ブログで何度も繰り返し書いていますが、思春期の子育ては本当に難しいなと感じています。本を読んだからといって、子育てが思うようにいくものではありませんね。。。
それでも、思春期の子どもの気持ちを少しでも勉強しておくだけで、親子関係が良好になったり、イライラせずに済んだりします。だから僕は本を読みます。
思春期の子育てといっても、実は親に出来る事というのはほとんどありません。それはわかってはいるのですが、出来る事は何もないんだと割り切ることができないのもまた親なんでしょうね?
なぜ親は子どもの事を過剰に悩むのでしょうか?それは子育てに理想があり、また子どもにこうなって欲しいという願望があるからに他なりません。
でもね、親は親。子は子。それぞれ別の人格であり、親の思うように子どもが育ってくれるはずもありません。そのことを理解勉強するだけでも、心はぐんっと楽になるものです。
今回は、思春期の子育てにそんなにイライラしても仕方がないと悟れる、そして楽になる本をご紹介できたらなと思います。
子どもの成績低下にイライラする時
嫌われる勇気
- 子どもが思春期になり、突然、勉強しなくなった。
- 勉強しなさい!といっても言う事を聞かない。
- 子どもの成績が急下降しはじめた。
等、子どもの勉強についての悩みは尽きません。「小学生時代はずっと100点だったのに」「中学受験も突破して安心していたのに。。。」という方もいらっしゃるでしょう。
このように、どうしても子どもの成績が落ちることを受け入れられないという親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか?
そんな、子どもの成績が思うようにいっていないという親御さんの気持ちをぐんっと楽にしてくれる本が、アドラー心理学を詳しく学べるベストセラー本「嫌われる勇気」です。
この本がベストセラーになった頃から、アドラー心理学が子育てに役立つとして、多くの本も出版されているくらい、アドラー心理学は子育てに活きると考えられています。
本書では、子どもと勉強のことで言い合う事について、「課題の分離」という考え方を持ち出し、「勉強は子どもの領域」であり、その領域に土足で踏み込むから、子どもの反発を招く。だから、子どもの勉強には干渉しない事と説いています。
イギリスのことわざで、「馬を水飲み場に連れていくことはできても、水を飲ますことまではできない」という言葉がたびたび引用されているのですが、親が子に無理に勉強をさせようと水飲み場までは連れていくことができるかもしれないけど、そこから先、水を飲む(勉強する)かどうかは、本人の意志なんだということを冷静に学ぶことができます。
子どもの勉強は子どもの責任であり、親の責任ではない。そう冷静に考えられるようになると子育てはぐんっと楽にになりますね。
子どもの反抗期にイライラする時
ウチの子、最近、思春期みたいなんですが、親子でイライラせずに乗り切る方法、教えてください!
- 子どもが何を考えているかわからない。
- 子どもがスマホばかり見て返事もしない。
- ガミガミ叱っても、いう事を聞かない。
思春期=反抗期といってもいいくらい、思春期の子どもの扱いにはホトホト疲れ切っている。そう悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
そんな時に読みたい本が、「ウチの子、最近、思春期みたいなんですが、親子でイライラせずに乗り切る方法、教えてください!」です。
そもそも思春期は、子どもが親離れをしようとしている時期であるから、自分の意見を主張するのは当たり前。反抗期は本来、正しい姿なんです。そこを理解せずに反発する子と対立してもイライラが増幅するだけです。
本書では、思春期との親子関係を改善するために、「なかよし貯金」という独自のメソッドを紹介。「なかよし貯金」とは、子どもへの愛情貯金のこと。今までも子どもへはずっと愛情をかけてきた!という方も、実はその愛情が子どもに届いていない可能性があります。
本書を読んで、「なかよし貯金」をどのように貯めればいいのかを学べば、子どもに愛情が届くようになり、親子関係ぐんっと改善するのも間違いなしだと思います。
子どもの自己肯定感が低くてイライラする時
夢の叶え方はひとつじゃない
子どもが何事にもやる気がない。。。
親としては心配でイライラすることだと思います。この状態は、子どもの自己肯定感が低い事があげられます。
日本の高校生の自己肯定感は諸外国と比べてダントツに低いことがわかっています。ですので、今、発売されている子育て本の多くが、子どもの自己肯定感を高めようと説かれているものが多いです。
ですが僕の経験上、子どもの自己肯定感を親が高めるのは限界があります。特に子どもが中学生になると、子どもが評価されたい対象が、親から先生や友達に変わります。そう思うと親にできることはほとんどないのです。
ですが、ここに自己肯定感は低くても大丈夫。という著名人がいらっしゃって、とても勇気をもらうことができます。BTS、TWICE、NiziUを始め、通算500曲以上の作品の制作に参加。グローバルに活躍されている作詞作曲家の岡嶋かた多氏です。著書「夢の叶え方はひとつじゃない」は、中高生に向けて書かれた自伝。
本書では、学生の頃、ずっと「自己肯定感が低かったし、低くても大丈夫」という著者が、中高生にアドバイス、語り掛けられているので、親があれこれ言うよりもずっと効果があると思います。ぜひお子さんと一緒に読みたい本です。
皆仲良くの学校にイライラする時
友だち幻想
子どもは学校という小さなコミュニティーで戦っています。
これからは、グローバルで多様な価値観を認めるようにならなければならないとは綺麗ごとで、今も学校では、同調圧力がはびこり、カーストがはびこり、皆同じ方向を向いて頑張りましょう。一致団結しましょうという熱い先生もいます。
学校に馴染んでいる人はいいでしょう。ですが、皆と同調できない、また違和感を持っている子は、とても行きにくいのが学校です。
現在、不登校になる中高生は年々増えて、過去最高を記録していると言います。それは学校の同調圧力に耐えられない、合わない子が増えている証拠です。にも拘らず学校は相も変わらず。
そんな閉塞感いっぱいの学校のイライラする方にお勧めの本が、「友だち幻想」です。
熱血で、クラスを一つにまとめようという先生は評価が高いものですが、著者は先生は目立ってはいけないし、子ども達全員の安全を確保し、卒業させることが先生の本来の仕事である。という意見に救われる方も多いと思います。
今や、友だち100人できるかな?は幻想。親だって会社で合う人もいれば合わない人もいるのに、学校だけが皆仲良くしようでは子どもは息苦しくて仕方がありません。
子どもが学校で友達が少ない、またはいないとイライラする必要はもうありません。本書を読んで、子どもも学校で戦っているんだなと思う事ができたら、気持ちはぐんっと楽になると思います。
子どもの才能のなさにイライラする時
日本人の9割が知らない遺伝の真実
子どもがコツコツと勉強を重ね、東大に現役合格!
ひょっとしたらうちの子にも才能が眠っているのではないか?そんな夢を見た親御さんも多いのではないでしょうか?それが子どもが大きくなるにつれて現実を目の当たりにすることになります。
それどころか、子どもの友達は様々な分野で才能の片りんを見せているのに、我が子に至っては何の取り柄もない。がっかりというか、イライラしてしまうという親御さんもいらっしゃると思います。
そんな方にお勧めしたいのが、「日本人の9割が知らない遺伝の真実」という本です。
行動遺伝学という学問があり、その権威でいらっしゃる安藤 寿康氏の著書です。本書では、みんなが口に出して言いにくかった「勉強も才能である」ということを科学的に説いておられていて気持ちがいいです。
親としても、自分の遺伝子なんだと思えば、子どもに過度の期待をかけることもしないようになり、心だって楽になりますね。
ですが、本書が本当に言いたかった事は、才能も遺伝なんだから諦めなさいという事ではありません。スポーツや勉強といった目立った才能に固執するのではなくて、人には誰にだって生まれ持った才能があるのだから、それを見つけて伸ばしてやろうということが、著者の一番言いたかったことだろうと思います。
勉強ができない、スポーツができないと子どもにイライラするのではなくて、子どもが本当に輝ける分野を見つける事が、親の大事な仕事なんだという事を学ぶことができます。
番外編 小学生と中学生のギャップにイライラしないために
中学受験しようかなと思ったら読むマンガ
最後に番外編で紹介したい本があります。まだお子さんが小学生で、今現在、中学受験を頑張っている。という親御さんに是非読んでいただきたい「中学受験しようかなと思ったら読むマンガ」という本です。
この本の面白いところは、子の中学受験をこれから考えている親御さん向けの本でありながら、中学受験後の子どもの様子をリアルに描かれているところです。
- 中学入学後、ゲームばかりしている男の子
- 中学入学後、アイドルにハマる女の子
等。多くの中学生が思春期を迎えるとこのようになるよということがリアルにわかります(笑)
今、小学生の一生懸命勉強を頑張っているというお子さんも、中学受験が終わると気が抜けて、一時的にこのような状態になることが多いです。覚悟しておいた方がいいですよという事で、番外編として紹介したいと思いました。
一方で中学受験に落ちて高校受験を目指す子の様子も描かれているのですが、その子はコツコツと勉強をして順調に成績を伸ばしている姿で描かれていて、案外、中学受験をしない子の方が、コツコツ勉強するイメージなのかな?と思ったりして。結構楽しく読めますよ。
思春期の子にイライラしないために、子どもの人格を尊重しよう
結論、思春期の子どもにイライラしても仕方がないし、結局やるのは子ども。自分の子どもとはいえ、自分とはまた別の人格であるわけですから、親は見守るしかないのですね。
けれど、ただ見守っているだけというのも結構しんどいものです。親としたら子どもの将来をどうしても心配してイライラしてしまうのも仕方がないところです。
そんな時は、ぜひ僕が今回紹介した本を読んで、気分を落ち着かせてみてほしいと思います。
子どもには子どもの人生がある。子どもに干渉したところで、子ども自身がやる気を出さないことには仕方がない。諦めのようにも聞こえますが、実際、僕は子どもの人格を尊重してやることで、子どものやる気を引き出す事に成功しました。
今回ご紹介した「思春期の子どもにイライラしないための本」と合わせて、私が以前紹介した、「思春期の子を持つ親が何度でも読み返すべき本」を読むことで、思春期の子どもとの接し方が、段々わかってくると思います。
思春期の子どもとの親子関係に悩んでいる方はぜひ、読んでみてくださいね。