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「友だち幻想」を読んだ。友だち100人できるかな?は、もはや幻想

「人の悩みは全て人間関係のものである。」これは心理学者の巨匠アドラーの言葉です。人間関係の悩みというのは、尽きることがありませんが、まさか親になっても子どもの人間関係で悩むようになるとは夢にも思っていなかったという人もいらっしゃるのではないでしょうか?

友だち100人できるかな?という歌があります。親とすれば学校でたくさん友だちができればいいなと思って送り出したはずが、群れる子どもたちをよそに自分の子どもはひとりぼっちでいる。

自分の事であれば自分で工夫して何とかしようと考えられるものの、親は子どもの分身ではありません。子どもの人間関係は子どもが自分でなんとかしなければいけない。

そこに親の大きな悩みがあるのだと思います。

子どもの友だち問題に悩んだ時、「友だち幻想」という本を読みとても気が楽になった事を思い出しました。

今日はこの「友だち幻想」を書評してみたいと思います。

目次

本書と著者のプロフィール

菅野 仁氏

1960年宮城県仙台市生まれ。1989年東北大学大学院文学研究科社会学専攻博士課程単位取得。東北大学文学部助手などを経て、1996年宮城教育大学教育学部助教授。専攻は社会学。(著書発行時)

なぜ中学生は友達関係で悩むのか?

日本人の高校生は他国よりも「友人重視」が突出して高いそうです。すごく素敵な話にも聞こえますが、一方で現実には、友だちをめぐる色々な悩みを抱えている子どもたちは多い。

なぜ、人は友だちとの関係に悩むのか?

著者は、昔と今では、人と人とのつながり方が違う事を指摘し、人と人とのつながり方をもう一度考え直してみましょうよ。といいます。内容は少し難しいですが、中学生、高校生向けに書かれた本です。

本書は、

  • どうしたら友達ができるのか?
  • どうしたらみんなと仲良くできるのか?

っていうことを解決できる本ではありません。

息苦しい現在社会の人間関係の本質が理解できて、気持ちが楽になるといったらいいでしょうか?本書を読めば、友だち関係に悩んでいる子も少し楽に学校生活を過ごせるようになるはずです。

友だち関係に悩む中学生、高校生はもちろん、親御さん、そして学校関係者の方は必読の一冊です。

学校が居づらい場所である理由は、ムラ社会だから

人間関係を語る際に、本書では、「ムラ社会」という言葉が多く登場します。

僕は田舎育ちなので、この「ムラ社会」のことはよく理解できます。かつては近所に誰が住んでいて、どこで働いていて、などご近所情報はムラの人は皆知っていて、ムラで助け合い、支え合う社会でした。

しかし、人が多様な価値観をもつようになった現在にこのムラ社会的な考え方は合わなくなった。田舎では今もムラ社会が残っているところもありますが、都会の人であれば、とっくにムラ社会などなくなっていて、人間関係が希薄になったことを誰もが実感していることだと思います。

このムラ社会の伝統的な考え方を、学校は未だに引きずっていると指摘する著者。

特に女子というのはムラ社会ばりに群れをつくる。誤解を恐れずにいえば、群れるのは女性の特徴だともいえると思うのですが、この群れに合わない子は村八分という言葉がありますが、排除される。これが学校を居心地の悪い場所にしている。

学校が居づらい場所である背景を「ムラ社会」に例えるとしっくりきますね。

承認欲求がいじめを引き起こす

この歳になって「幸せって何だろう?」って考えることがあるのですが、幸せの本質のひとつに、他者から承認があり、それは何ものにも替えがたい歓びなんだという著者の指摘にはっとさせられました。

自己肯定感を育む方法として、「他人と比べない事」だと書かれた本がありますが、理想はそうかもしれないけど、やっぱり誰だって人に認められることは嬉しいし、幸せに感じる。これを承認欲求*1といいますが、皆んな人に認めてもらいたいんだと改めて思いました。

だから、この承認欲求をめぐる争い、例えば、学校の先生や友だちに認められるかどうかをめぐって争いが生じ、いじめが起こる。僕はものすごく腑に落ちました。

いじめじゃくても、同調圧力があるから

本書に出てくる著者の教え子である女子学生の高校時代の話も印象的でした。

とにかくいつも一緒に行動していなきゃいけない雰囲気があって、それがとても重荷だった。抜け出すにも抜け出せないし、距離を少しでもとろうとすると「なんか冷たい」とか、「今までとちょっと違う」などと言われ、いついじめの対象になるかわからない。距離をとって孤立するのも怖い。そんな毎日だった

常に一緒にいて仲がよいんだろうなと思う集団でも、よくよく話を聞くと、

  • そこにいないと不安になるから
  • 陰口をたたかれるのが嫌だから

だから、一緒にいるという可能性があると著者は指摘しています。

こうした不安で仕方ない状況をお互いが作り出している事を「同調圧力」というのだそうですが、いじめじゃなくても、同調圧力に悩み、学校に行きづらい子たちは多いんだろうなと思います。

著:鴻上尚史, 著:佐藤直樹
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不安だから群れる。不安だから、自分と合わない子を攻撃する。こうした学校の息苦しさは一体誰が作っているのか、どうしたら解決するのか?という話です。

友だち100人は幻想。と考えると楽になる

子どもなら誰とでも友だちになれる、仲良くなれるを前提にしたクラス運営は考えなおすべきという著者。

これだ!と思いました。

  • どうしたら皆んな仲良くできるのか?
  • どうしたら友だちができるのだろう?

という発想では、いじめは決してなくならないんだな~。

よくよく考えてみれば、皆んな仲良くなんて大人でも出来ないんだから子どもなら出来るって理屈は合わないし、子どもにだってどうしても気の合わない奴がいるのは当たり前。それを無理矢理、クラス一丸って雰囲気を作ろうとするから良くない。

友達100人できるかな?はもはや幻想なんです。実際そうですし、そう思うと気が楽だと思います。

著者は、先生は生徒の記憶に残らなくてもいいんだといいます。三年B組金八先生*2のような先生を中心としてクラス一丸となるようなクラス運営に幻想をいただいてはいけない。ということだと思います。

著者は、「いじめ」を受けている子の事を、恐らくなら「生命の不安を感じなら学校へ通っている子」と表現されていると思いますが、その子が、学校へ行っても危害は加えられない事を保障してあげる、それを最低限、管理する事が先生の役割だというのは、まさに目から鱗でした。

クラスを団結させよう!その先生や学校の熱い想いが、そこからはみ出た子にとって生きづらい環境を作り出している。これも間違いないことだと思いました。

  • 学校には合わない子もいるだろうけど、それは大人でもある世界なのだから当たり前。
  • 友だちができればラッキーだけれど、必ずこのクラスに仲の良い友達ができるとは限らない。
  • だけれど、合う人、合わない人、今後色んな人と出会っていきます。だから、どんな人とでも協力してやっていく。その訓練をするところが学校です。

と言ってくれる学校があれば素敵だろうな~。熱血先生とは逆のすごく冷めた先生が、息苦しい学校を救う!みたいなドラマがヒットしないだろうか?

そんな雰囲気が生まれれば、きっと子ども達が心を軽くして、安心して学校に通えるようになるだろうなと思いました。

著者は、学校はもはや偶然的に集められたクラスメートだと感じている子が多いのでは?といいます。

友達じゃね~よ、クラスメイトなんて。たまたま同じ年に生まれた近所の奴が同じ部屋に集められただけじゃん。

はブルーハーツ・甲本ヒロト氏の言葉(正確にいったかどうかはわかっていません)ですが

友達100人どころか、フィーリングが合う子がクラスメートに一人でも見つかればラッキー!そのくらいでやりましょう!と先生が言ってくれれば、救われる子も随分いるのではないかと思います。

気に合わない人が世の中には絶対いると思えれば、みんなが救われる

社会に出たら、今の時代はグローバル社会。否が応でも自分とは考え方も文化も違う人たちとやっていかなくてはならないし、当然気の合わない人とも仕事をしていかないといけない。

学校では群れを作って騒いでいた子たちが、価値観の違いから、逆の立場で孤立する事だってあるはずで、社会に出れば気の合わない人とどう合わせていくのか悩む事もあるはずです。

そんな時、合わない人もいるんだ。皆んなが皆んな、同じ価値観じゃないんだということを学生時代に学び、仲良くできなくても思いやることができれば、その経験は多いに役立つはずです。

話は変わりますが、リクルートや転職サイトで

  • オフには皆んなでバーベキューやってます!

みたいな結束アピールの会社が多いように思いますけど、これで今の若い人が集まるのかな?といつも疑問に思います。

むしろ、

  • 仕事は一致団結してやりますが飲み会一切ありません!オンオフをしっかり分けてます!

といった会社の方が人気が出るんじゃないでしょうか?

今まで僕のこういった感覚は、きっと変わっているんだろうなと思っていましたが、本書を読んで、どちらかというと僕の感覚のほうが今の若い人に近いんだろうなと思えましたし、僕自身も気が楽になりました。

気の合わない人は絶対みんないるし、当たり前。みんながそう思えれば、救われる子はいっぱいいる。学校が教えるべき道徳は今、これなんじゃないかな。本書を読んでそう思いました。

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