英検準2級と2級の間に新設級を導入するというニュースがありました。
批判もあるようですが、僕はこの新設級の導入には大賛成です。その理由について今日はブログを書いてみたいと思います。
くろちゃんパパ
- 思春期の娘二人(小学生、中学生)のパパ。
- 子育て本、教育本を100冊以上読む。
- 娘が生まれた時からずっと子育てに関わり、娘たちと今も良好な関係を築く。
- 長女の中学受験の勉強に毎日付き合い、中高一貫校の合格を親子で勝ち取る。
- 勉強だけで優劣が決まる今の教育に疑問をもち、未来型の教育に関心を持ち勉強中。
準2級と2級の間に新設級が導入される背景
今回、英検の準2級と2級の間に新設級を導入するに至っての背景は、英検HPより引用1すると
英検HPより
- 5級から準2級までは各級の合格までに要する期間がおよそ1年間であるが、準2級合格者が2級に合格するまでに約2年近くかかっている
ということなのですが、私の経験からいっても、確かに準2級と2級には結構、高い壁があるように思います。
「約2年近くかかっている」というのは、実際に英検を級の順番に受けていって、2級まで全級合格した人を対象に、合格までの期間を平均して算出している。
さらに、英検1級まで全級合格した人の準2級から2級の合格期間も、平均で1年超を擁しているいるようですから、準2級と2級には明らかに高い壁があると言っていいと思います。
これが準2級と2級の間に新しい級を導入する背景。
準2級と2級の間の新設級に否定的な意見
準2級と2級の間に新設級を導入することについては、批判的な意見も多いです。
例えば、これは英検が色々理由をつけて作ったビジネス級だろうという意見です。僕はまぁ、そのとおりかなとも思います。
英検は2015年以降は合格率など詳しい資料を公表していないようなので、古いデータを参照することになりますが、準2級の受験者が年間約50万人なのに対して、2級の受験者は年間約30万人と落ちます。2
さらにその上のレベルになるとハイレベルなので、受験しようという人は
- 準1級 年間約7万人
- 1級 年間約26,000人
と極端に減ります。そう考えると、英検を受験しようという意欲がある層のボリュームは2級まで。2級までに取りこぼしがあると英検が考えて新設級を導入したと想像できます。
ですので、英検のビジネスにまんまと乗せられているという意見があるわけです。
次に、英検といった仕事に直結しない資格を意識してるのは日本人だけで、海外では仕事に直結する資格を取得するんだという、日本のガラパゴス化を懸念した意見もあります。これも的を得た意見でしょう。
確かに社会に出ると、資格をもっている、もっていないは関係なく、どれだけ実務を経験してきたかが問われるとよく言われます。もちろん、資格をもっているに越したことはありませんが、資格だけをとって満足する日本人が多い事はよく指摘されることです。
僕が準2級と2級の間の新設級導入を支持する理由
このように英検の新設級の導入に否定的な意見があることは事実です。ですが、それでも僕はこの新設級の導入には賛成なのです。
その理由について書いてみたいと思います。
自己肯定感を高めることができる
1つは、子どもの自己肯定感を高める為に役立つと思うからです。
僕は以前も記事に書きましたが、英検2級がとれたから英語が喋れるようになるとは思っていません。ですが、英検の導入目的にも書いてありますが、「小さな成功体験を積み上げていける」これが英検の最大のメリットだと僕は思っていて、子ども達にもおすすめしている理由です。
日本の高校生の自己肯定感は、世界でもダントツ低いことで知られています。3そのためか、今の子育て本の多くが、子どもの自己肯定感を高めようというものが多いです。
他人と比べない。であるとか、失敗を叱らないとか、子どもの自己肯定感を高める方法は大体似たようなものが多いです。
ですが、子どもの自己肯定感を高めるというのは、僕の子育ての経験上、本に書いてあるほど簡単なものではありません。
なぜなら、子ども達は子ども達なりに学校という小さなコミュニティーで戦っているわけで、他人と比べるなと言われても、なかなか理想通りにいかないものなのです。
特に日本は同調圧力が強い国で、学校ではグループができて、その中にもカーストがある。女の子は特にその傾向が強く、今も日本の文化といっていいくらい根付いています。他人は他人、自分は自分と簡単に割り切れないわけです。
であれば、中高生が僕自己肯定感を高めるためには、最低限の他者の評価も必要なんじゃないかなって思うんです。
ですから、英検が例え資格ビジネスだとわかっていても、子どもが自信をつけるために、僕はいい資格なんじゃないかなって思っています。
スモールステップで実力をつける事ができる
もう一つ。英検は、スモールステップで、自分の実力より少し上の試験に挑戦できて、実力をつけていくことができる資格試験です。この合格までのプロセスを経験できる事こそが英検の最大の魅力だと僕は思っています。
何か技術を習得するときに、自分の実力以上のことをしても挫折するだけです。自分の実力よりも少し上のクラスに挑戦することが大事なことです。
「最高のコーチは教えない」の著者で、千葉ロッテマリーンズ監督でいらっしゃる吉井氏も、技術を習得するには、スモールステップでトライしていくことが一番良いと説いておられます。プロの選手であっても、スモールステップで課題に取り組むのがベストだといわれているわけです。
英検は、級が細かくわかれているので、自分の実力に近しい、または自分の実力より少し上の級に挑戦できるのがよいのです。だから、準2級と2級の間には少し実力に差があるのならば、この間に級を新設することには大きな意味があり、学生が英語で挫折しないためにもいい案だなと僕は思うのです。
スモールステップは物事を挫折しないための最も重要なファクターです。物事を習得するためには、続ける力が大事になります。「続ける」というのは能力ではなくて技術であるというのは、「続ける技術」という本ですが、ここにもスモールステップで挫折しない事の重要さが書かれています。
まとめ 英検2級と準2級の間の新設級にはぜひ挑戦しよう
英検2級と準2級との間に新設級ができることについて、出来た背景や、批判的意見、そして僕の意見と展開してきましたが、僕は英検ビジネスであろうがなんだろうが、ぜひ挑戦すべきだと思います。
準2級と2級には確かな差があることは僕の経験上からいっても事実です。2級の高い壁を感じて英語の学習を諦めた子も多いと僕は思います。
もちろん何度失敗してもいいんですけど、高い壁で先が見えないチャレンジは挫折してしまいます。
それが新設級ができ、自分の実力よりほんの少し上のランクの級を狙えることで、同じ失敗にしても、英語学習のモチベーションを維持できる子は増えると推測します。
英検準2級と2級の間の新設級は、2025年度から実施ということですが、現在準2級を取得している我が子も、いきなり2級を受けるのではなくて、新設級から挑戦したらいいなって思っています。