親ガチャという言葉が流行っていますね。今年、大学入試共通テストでも「親ガチャ」が問題に出たそうで、再び話題になりました。
そもそも親ガチャ*1ってどういう意味でしょう。wikiペディアから抜粋すると
親ガチャは、生まれもった容姿や能力、家庭環境によって人生が大きく左右されるという認識に立ち、「生まれてくる子供は親を選べない」ことを、スマホゲームの「ガチャ」 に例えている。「親ガチャ」という言葉はベースで人生の結果が決まるというニュアンスが強いために、この言葉への反感もある。
とあります。
確かに親ガチャはあると思います。ですが、だからといってこのように将来を悲観することはない。
僕はむしろ、親ガチャを反骨精神で跳ね除ける事が出来る人が、人生成功するんだと思っていて、親が裕福だから、親が才能があるからといって成功するとも思えない。
実際、芸能人の二世が、スポーツの二世が成功してるかというと成功事例を見つける方が難しいくらいだと思います。
確かに芸能人の二世なら海外留学もしてる子も多いし、小さい頃から私立の学校に通ってエリート街道を進んでいる子も多いと聞きます。けれども、だからといって成功している例は少なくとも僕の知る範囲ではあまり聞かない。
なぜお金では成功者を生まないのか?
先日あるスポーツ教室を運営されている代表と話する機会があり、とてもいい話だったので紹介したいなと思います。
そのスポーツ教室は結構名門でプロをも養成されているところです。
代表は教室はビジネス的な側面から生徒が楽しくスポーツできるように心がけているのがほとんど(厳しいよりも楽しいを重視)だといいますが、一部代表の目にかなう原石もいるそうで、後進の育成にビジネス度外視で力を注いでいるとおっしゃっていました。
そんな代表のもとには親御さんが熱心で、子どもが小さいうちから「プロにしたい」とお金も惜しまず預けにこられる方もいるそうで、そういった子たちには素質もあり代表自らがマンツーマンで指導にあたっていらっしゃいます。
で、ここからが興味深い話しです。
そうやって英才教育を施した子はプロに近いレベルにまで達するそうですが、多くの子がそこで成長がストップするという事を教えてもらい、深いな〜と思いました。小さい頃からお金をかけてもらってプロの先生から英才教育まで受けたのになぜ、その子は大成しなかったのでしょうか?
代表いわく、それは小さい頃は、親または先生との二人三脚だったからうまくいっていた。にすぎない、からなんだそうです。
勉強でもスポーツでも親がつきっきりで教えていた、練習に付き合っていた。子どもよりも親の熱意が強い場合があります。それは子どもの夢じぁなくて、親の夢だったりする。
子どもは親の期待に応えようと頑張る。でも親から離れ独り立ちした途端に練習をさぼるようになる。こういうケースが多いのだといいます。
いくら小さい頃から英才教育をしてきたとしてもいずれ子は巣立ちます。その時に自ら学ぶ力、自学力*2がついていないとその後、伸びることはないというわけです。
僕はある程度才能は遺伝すると思っているので生まれ持った才能に差があるのは間違いないと思っています。東大生の親の4割が年収1000万円以上*3というのですから、経済的な事も含めて親ガチャは確かに存在すると言えると思います。
ですが、親ガチャで、人生は決まらない。代表の話が好例です。
非認知能力GRITってご存知でしょうか?日本語に訳すとやり抜く力といいます。アメリカでは才能を凌駕する能力とされていて、GRITを専門に研究されたアンジェラ・ダックワーク氏*4は、アメリカの権威ある賞・天才賞を受賞されるなど、社会現象ともなりました。
才能があっても努力することを怠れば、GRITを持つ子にはあっさり抜かれるのです。
小さい頃はお金をかけて習い事もたくさんさせてもらったとして、親や先生がついてるうちはいいのだけど、結局、最後は自分。
代表曰く、小さい頃の実力は親の実力だといいます。本当の自分の実力は親から巣立った後なんだと。結局、自らにやり抜く力、情熱があるかが全てなんですね。
親ガチャに話しを戻しますけど、小さい頃から色々な習い事をさせてもらったり、英才教育もしてもらって才能を伸ばせる子がいる、経済的な裕福差は、親ガチャというなら親ガチャでしょう。
でも人生を成功に導く力に親は関係ない。
本当の勝負は親から離れた時であり、結局のところ自分なんだというのが今回の事例でわかったと思う。
むしろ、親ガチャを反骨精神で越えよう。という人が成功を掴むんじゃないかな。と僕はずっと思っています。
安室奈美恵さんは沖縄アクターズスクールの特待生だったけど、教室に通うバス代さえも出せず、歩いて通っていたのだといいます。
安室奈美恵さんは、切羽詰まった状況で、人生を切り開くのはダンスしかないと思っていたのだと思います。
卓球の水谷隼さんは著書「打ち返す力」*5で、中学で単身14歳でドイツに卓球修行しにいって、多くの若者が遊んでいる時に、携帯電話もない卓球以外何もない生活をしてきた。この経験が、水谷隼を作り上げたとおっしゃっている。
自分はこの道で成功するんだ、決して諦めない。そういうハングリーさがGRITで、GRITは生まれ持ったものではなく鍛えられるものだといわれています。
親ガチャで恵まれてないから諦めるのか、親ガチャのハンデを乗り越えてやろう、乗り越えられるはずだと思える情熱を持てるのか。
親ガチャだといって簡単に人生を諦めないでほしい。
また親であれば、親ガチャを申し訳なく思うのではなく、子どもの情熱を見つけ、子どもを信じて、自分が出来る限りの環境を与えて応援すること。
その先に子どもの未来が見えると思っています。