僕の趣味は子育てです。いや、ある意味仕事だと思っているかもしれません。僕の空いている時間は、子どもの事を考えたり、子どもの事で悩んだりしている。
もちろん考えたからといって、子育てがうまくいく保証などどこにもありません。ですが、誰が何と言おうとも、娘たちが僕たちの元を巣立っていくそれまでに、立派なレディーに育ててやりたい。そして娘たちには心から幸せになってほしい。僕はそう願っている父親です。
しかしです。この多様化した時代、女の子の幸せってなんなんだろうと悩むのです。
- 女の子の幸せって結婚なのか?
- 女の子が勉強できても意味はないのか?
- 女の子は料理ができて家庭的なほうがよい?
僕は親として娘たちをどのように育て導いていけばよいのか、悩んでいました。僕は男ですから、女の子の事がよくわからない事もあります。
そんな女の子の育て方に迷っているときに出会った本が、その名もずばり「女の子の育て方」という本です。
本書と著者のプロフィール
中野 日出美氏
一般社団法人 親と子の心理コミュニケーション協会代表。日本心理学会認定心理士。心理セラピスト。親子関係の改善を図るセラピーの専門家。現在睡眠を応用し、潜在意識に働きかける独自の手法を開発。約20年間で3,000件以上の親と子の問題や悩みに関するセラピー実績をもつ。その独自の手法は圧倒的な成果をあげ、1回10万円以上の高額セラピーにもかかわらず、常に予約で満杯。(著書発行時)
↓男の子版もあります
本書の要点ポイント(書評)
本書は、
親から子への言葉かけ、態度やふるまい、そして生き方を通して、子どもの潜在意識に暗示をかけていくという日本初の子育て本です。
子どもの潜在意識に「暗示」をかける?暗示とはどういうことでしょうか?本書でわかりやすい例があったのでここで紹介したいと思います。
暗示の反対は明示です。たとえば、「虫歯になるから歯磨きをしなさい!」というのが明示。そして、「お父さん、後悔しているんだよ。子どもの頃にちゃんと歯みがきしていたら、歯を抜かなくてもすんだのにって・・・」というのが暗示です。(略)暗示は「自分が進んで歯をみがきたい」という気持ちになります。一見、命令や指示には見えないのに、ついつい自分から進んで受け入れてしまうような「こっそりしたメッセージ」
これが暗示です。
「パパは中学の時、反抗期で全然勉強しなかった。もっと勉強してたらな~」(反抗期だからといって勉強しない時期があると将来損するよ)
とか
「芸能人もかわいいだけ、かっこいいだけじゃやっていけないんだな。何か他に芸をもっていないと生き残るのが大変なんだろうな」(勉強だけじゃなくて、習い事も頑張っておくと幅が広がるよ。芸は身を助ける)
とか。
本当のメッセージは隠して、子どもに伝えたい事を伝えるという手法、僕も自然に子どもに暗示をかけていたことになりますね(笑)しかし、こうした暗示も正しい暗示でなければ意味がありません。
著者は、こうした暗示を子に伝えることを、「潜在意識に種をまく」と表現されていますが、種には、子の人生を幸せに導く種もあれば、不幸せに導く種もある。だとしたら、娘にどんな種をまけばよいのか?僕はどんどん惹きこまれるように本書を読みました。
潜在意識とは?
潜在意識=無意識のことです。人は意識して行動している(顕在意識)というのはほとんどなくて、そのほとんどが本人が自覚していない潜在意識で動いているといいます。これを提唱したのは心理学者のフロイトやユングです。
↓潜在意識について著者のHPで解説されています。
著者によれば、心理学には「交流分析」というものがあり、人は子どもの頃の親とのかかわり方によって、無意識のうちに人生のシナリオを作るのだといいます。
だからこそ、子どもの潜在意識に親が種をまくことが大事になってくるのですね。
女の子の潜在意識に蒔きたい幸せの種7つとは?
著者の示す女の子の潜在意識に届けたい幸せの種は7つ
- 自分で稼げる女になる種
- 自分を傷つけない種
- 選ばれる女ではなく、選ぶ女になる種
- 女子の戦場を上手に生き抜く種
- しなやかに、たくましく人生を切り拓く種
- 理想のパートナーを引き寄せる種
- 絶対に幸せになる種
この7つの種に対してどのような言葉がけでまいたらよいか、また逆に、絶対にまいてはいけない種についても本書には具体的に書かれています。
今回はこの中で僕が特に印象に残った「種」について紹介してみたいと思います。
自分で稼げる女性になることが幸せに繋がる
女性だからといって、男性に幸せにしてもらいたいと思うのではなく、自分の力で幸せになる。精神的にも経済的にも自立した女性になる。というのが著者の価値観です。実際に著者の娘さんはお医者さんになられたそうです。
日本人の所得の中央値は、20年前と比べて100万円も落ちています。男性だけが働いて、家事は女性という時代も終わりました。男性に選んでもらう、女は耐えて男性に尽くすという考え方も古い。
結婚するにしても、男性と女性は対等のパートナーであるべきで、その意味でも女性が精神的にも経済的にも自立することは大切なことです。
だからこそ、女性も勉強でも何でも努力し高みを目指すべきです。
一流大学や一流の会社へ入ることで将来が約束される時代は終わったといわれます。ですが、努力した結果、一流の環境に身を置くことができれば、そこには同じように高みを目指して努力してきた人たちとの出会いがあります。
反感を買うかもしれませんが、「出会いがない」といったり、「結婚したいと思う人がいない」という人(男女とも)は、そういった理想の人がいるステージに、そもそも立てていないのではないかと僕は思うのです。
高みを目指して努力してきた人との出会いこそが、僕は財産だと思っていて、娘たちにもそのステージに立ってほしいなと思っています。そうしたお互い尊敬できるパートナーを見つけるためには、自分も同じくらい頑張らないといけない。
だから僕も先生のおっしゃるとおり、子どもが夢を語ってきたら、「自分で稼げる女性ってかっこいいよね!」っていう感じで、潜在意識に種をまいています。
女の子の戦場を上手に生き抜く力は幸せに繋がる
女の子の世界は本当に大変だなと、他人事のようですが男性である僕は思います。最近もびっくりしたですが、女性同士のやりとりで、今まで陰口をたたいていた人と何事もなかったように談笑したり、ご飯を一緒に食べに行ったり!する世界を見て「怖すぎる」と思ったことがありました。
もちろん、こんな人はごく一部だと思いますし、これを女性特有の世界というのも失礼かもしれません。ですが著書でも紹介があるように女性独特のルールや掟というのはやっぱりあるようですね。女性の世界を上手に生き抜く力はやはり必要のようです。
ここでも潜在意識に種をまくことで、子どもの心を強くすることが大事になりますが、「一人でも大丈夫だという事を教える」という種のまき方には本当に共感しました。
長女は、小学校の時に学校に馴染めないという経験をしたから、本当に強くなってくれましたが、また集団行動ができなくても、孤立しても大丈夫なように僕は今も子どもの心に種をまき続けています。
例えば、ブルーハーツ甲本ヒロト氏(が言っただろう)の
友達なんていなくて当たり前なんだから。友達じゃね~よ、クラスメイトなんて。たまたま同じ年に生まれた近所の奴が同じ部屋に集められただけじゃん。
言葉を紹介したり、歌手あいみょんさんの
「独りでも大丈夫。あみみょんさんだって「友達ってなんなん?」って疑問持ってたみたいだよ」って話をしながら、独りでも大丈夫。自分を信じて前に進めば、きっと未来は開ける!というエールをこっそり送っています。
まとめ。子どもの潜在意識に種をまき続けよう
親の価値観を押し付けても子どもは反発するだけです。思春期の子であれば、鬱陶しいといわれて話すら聞いてもらえないかもしれません。ですから、親の願いをこっそり届ける。これって本当にいいなと本書を読んで思いました。
僕がよく使っている具体的な手法は上述もしましたが、著名人の本を読んで、著名人は「こんな努力をしているんだって」とか、「こんな事考えているんだって」とか、あたかも著名人が子どもに語ってくれているように伝えています。親がいうよりも著名人が言ってるっていうほうが効果ありそうでしょ?(笑)
子どもに読書をすすめるのもいいですが、読みたくもない本を無理やり読ませても効果はないでしょうし、親が読んで、子の潜在意識に種をまくのです。
今は結婚も当たり前の時代ではなくなったし、女性がバリバリ社会で働くのも当たり前の時代になりました。正直何が正解なのかわかりませんが、1つ言える事は、男性に依存したり、子どもに依存したり、他人の人生を生きるのではなく、自分の人生を生きてねって事です。
本書を読んで、力強く生きる女性に育てたいなって改めて思いました。
なお僕の子どもは二人とも女の子なので、「女の子の育て方」について書かれた本を紹介させてもらいましたが、同時に「男の子の育て方」という本も販売されています。男の子を育てられている方は、ぜひ、読んでみられたらいいなと思います。
↓中高生のお子さんをお持ちの方はこちらがおすすめです