僕の趣味は子育てです。いや、ある意味仕事だと思っているかもしれません。僕の空いている時間は、子育てについての本を読むのにあてたり、考えたりしている。
もちろん考えたからといって、子育てがうまくいく保証などどこにもありません。ですが、誰が何と言おうとも、僕は、娘が僕の元を巣立つそれまでに、立派なレディーに育て上げたい。そして娘には心から幸せになってほしい。僕はそう願っている父親です。
しかしです。この多様化した時代、女の子の幸せってなんなんだろうと悩むのです。
- 女の子の幸せって結婚なのか?
- 女の子が勉強できても意味はないのか?
- 女の子は料理ができて家庭的なほうがよい?
僕は親として娘たちをどのように育て導いていけばよいのか、悩んでいました。女の子の育て方に迷っているときに出会った本が、その名もずばり「女の子の育て方」という本です。
本書と著者のプロフィール
女の子の育て方 子どもの潜在意識に幸せの種をまく方法
(2017/12/31 (株)大和出版)
中野 日出美氏
一般社団法人 親と子の心理コミュニケーション協会代表。日本心理学会認定心理士。心理セラピスト。親子関係の改善を図るセラピーの専門家。現在睡眠を応用し、潜在意識に働きかける独自の手法を開発。約20年間で3,000件以上の親と子の問題や悩みに関するセラピー実績をもつ。その独自の手法は圧倒的な成果をあげ、1回10万円以上の高額セラピーにもかかわらず、常に予約で満杯。
本書の要点ポイント(書評)
本書は、
親から子への言葉かけ、態度やふるまい、そして生き方を通して、子どもの潜在意識に暗示をかけていくという日本初の子育て本です。
この手法は、交流分析という心理学をベースとしてNLPや現在睡眠を駆使したオリジナルかつ科学的根拠のあるものだと著者はいいます。
子どもの潜在意識に「暗示」をかける?暗示とはどういうことでしょうか?本書でわかりやすい例があったのでここで紹介したいと思います。
暗示の反対は明示です。たとえば、「虫歯になるから歯磨きをしなさい!」というのが明示。そして、「お父さん、後悔しているんだよ。子どもの頃にちゃんと歯みがきしていたら、歯を抜かなくてもすんだのにって・・・」というのが暗示です。(略)暗示は「自分が進んで歯をみがきたい」という気持ちになります。一見、命令や指示には見えないのに、ついつい自分から進んで受け入れてしまうような「こっそりしたメッセージ」
これが暗示です。
「パパは中学の時、反抗期で全然勉強しなかった。もっと勉強してたらな~」(反抗期だからといって勉強しない時期があると将来損するよ)
とか
「芸能人もかわいいだけ、かっこいいだけじゃやっていけないんだな。何か他に芸をもっていないと生き残るのが大変なんだろうな」(勉強だけじゃなくて、習い事も頑張っておくと幅が広がるよ。芸は身を助ける)
とか。
本当のメッセージは隠して、子どもに伝えたい事を伝えるという手法、僕も自然に子どもに暗示をかけていたことになりますね(笑)しかし、こうした暗示も正しい暗示でなければ意味がありません。
著者は、こうした暗示を子に伝えることを、「潜在意識に種をまく」と表現されていますが、種には、子の人生を幸せに導く種もあれば、不幸せに導く種もある。だとしたら、娘にどんな種をまけばよいのか?僕はどんどん惹きこまれるように本書を読みました。
著者の示す女の子に届ける種は7つ
- 自分で稼げる女になる種
- 自分を傷つけない種
- 選ばれる女ではなく、選ぶ女になる種
- 女子の戦場を上手に生き抜く種
- しなやかに、たくましく人生を切り拓く種
- 理想のパートナーを引き寄せる種
- 絶対に幸せになる種
です。この7つの種に対して、幸せの種ならどのような言葉がけでまいたらよいか、また絶対にまいてはいけない種についても、本書には具体的に書かれています。
僕は「絶対にまいてはいけない種」についてのほうが勉強になりました。種のまきかたは注意したいなと思いましたね。
著者の考える幸せの種をひとつ
上記の7つの幸せの種を見ていただくと何となくわかると思いますが、
男性に幸せにしてもらいたいと思うのではなく、自分の力で幸せになる。精神的にも経済的にも自立した女性になる。というのが著者の価値観でした。実際に著者の娘さんはお医者さんになられたそうです。
日本人の所得の中央値は、20年前と比べて100万円も落ちています。男性だけが働いて、家事は女性という時代も終わりました。男性に選んでもらう、女は耐えて男性に尽くすという考え方も古い。
30代半ば~50代半ばの世帯所得 20年余前と比べ100万円超減少 | 新型コロナウイルス | NHKニュース
そして男女格差も一向に是正されず、日本は国際的に遅れている。
男女格差、日本103位に急降下 世銀、経済的な権利で調査|全国のニュース|富山新聞
結婚するにしても、男性とは対等のパートナーであるべきで、女性が精神的にも経済的にも自立することは大切なことです。
だからこそ、女性も勉強でも何でも努力し高みを目指すべきです。一流の大学や一流の会社へ入ることで将来が約束される時代は終わったといわれます。ですが、努力し、そうした環境に身を置くことができれば、そこには同じように高みを目指して努力してきた人たちとの出会いがあります。
反感を買うかもしれませんが、「出会いがない」といったり、「結婚したいと思う人がいない」という人(男女とも)は、そういった理想の人がいるステージに、そもそも立てていないのではないかと僕は思うのです。
高みを目指して努力してきた人との出会いこそが、僕は財産だと思っていて、娘たちにもそのステージに立ってほしいなと思うのです。
そうしたお互い尊敬できるパートナーを見つけるためには、自分も同じくらい頑張らないといけない。こういった価値観の種をこっそり、コツコツと、子どもの潜在意識にまいている僕です(苦笑)
本書を読んだ今後の行動(まとめ)
親の価値観を押し付ける事ほど愚かな事はありません。ですが、子を立派な大人に導いてやるのは親の義務でもあります。ですから潜在意識に種をまく。
決して強制的ではなく、親の願いをこっそり届けるという表現がいいかもしれません。
最近はなかなか親の暗示も効き目が薄れてきたので(苦笑)、著名人の本を読んで、著名人は「こんな努力をしているんだって」とか、「こんな事考えているんだって」とか、あたかも著名人が子どもに語ってくれているように伝える工夫をしています。
子どもに読書をすすめるのもいいですが、親が読んで、子の潜在意識に種をまくのもよいなと思います。
ちなみに「男の子の育て方」という本も同時に販売されています。男の子を育てられている方は、ぜひ、読んでみられたらいいと思います。いや~、いい本でした。