僕は身長が高い方で、180cmくらいあります。だからだと思うのですが、今まで子どもの身長について悩むことは一切、ありませんでした。
僕の子どもだからある程度は身長が伸びるだろう。そう思いこんでいたからです。
しかし、子どもの身長が思いのほか伸びていないので、急に子どもの身長のことが気になり、どうしたら身長が伸びるのか、そのメカニズムが知りたくて調べてみることにしました。
僕は高身長の部類に入ると思いますが、ママは低身長の部類に入ると思います。
親のどちらも高身長、もしくは、どちらも低身長なら何となく予測できそうですが、僕らの場合、高身長と低身長、どちらの親に似るのか?はたまた関係ないのか?
これも疑問でした。そこで今回参考にさせていただいた本が、「子どもの身長を伸ばすためにできること」です。
本書と著者のプロフィール
額田 成氏
医学博士、小児科専門医。鳥取大学医学部卒業後、岡山大学医学部大学院で成長ホルモンの研究を行い学位を取得。神戸市西市民病院等で低身長外来を行う。2003年、「低身長専門ぬかた小児科クリニック」を開院。低身長外来については、日本テレビ、フジテレビ等でも紹介された。(著書発行時)
本書の要点ポイント(書評)
子どもの成長、身長に関する本はなかなか見つかりませんでした。そんな時に出会った一冊です。小児科専門で、低身長専門のクリニックを開院されている著者。正しい科学的知識に基づいた子どもの身長を伸ばすために有効な方法が書かれた本書は貴重で、それゆえに本書は13万部を超えるロングセラー本になっています。
自分自身が高身長であるがゆえ、全く気にしていませんでしたが、身長が伸びる時期は意外なほど短い。だからといって身長を伸ばす魔法もありません。
しかし正しい知識のもとで努力を積み重ねれば少しはよくなることは事実だと著者はいいます。本書を読んで正しい身長伸ばし方のアプローチ方法を学びたい。
身長を伸ばすための正しい知識
子どもの身長は遺伝だけでは決まらない。
子どもの身長は決して遺伝だけでは決まらないと著者はいいます。そうなのか?!僕が高身長であるから、子どももある程度身長は伸びるだろうと思っていたところに間違いがありました。
ちなみに参考ですが、子どもの身長を予測する方程式が存在しています。方程式は下記のとおりです。
男の子:(父親の身長+母親の身長+13)÷2
女の子:(父親の身長+母親の身長-13)÷2
例えば、僕の身長が180cmで、ママの身長が150cmとすると娘は
(180+150ー13)÷2 =158.5cm
と身長を予測することができます。ですが、この方程式に+αがあると著者はいい、言い換えれば、生活習慣によっては、これがプラスにもなりマイナスにもなるのだそうです。
その鍵を握るのが、皆さんもよくご存じの成長ホルモンです。このホルモンってすごいですよね。ホルモンって量にするとものすごく少ないそうですが、体に与える影響は絶大なんです。
牛乳を飲んだら背は伸びるのか?
ママはあまり背が高くないので、子どもたちはもう少し身長があったらいいなと言って、頑張って牛乳を飲ませていました。牛乳をたくさん飲んだら、身長が伸びるって何となくイメージでありますよね?
ですが、著者は「牛乳だけで身長は伸びない」と断言されています。そのためには
背はどうして伸びるのか?を知る必要があります。
背が伸びると言いますが正しくは、骨が伸びます。
骨には骨端線という骨と骨をつなぐ部分があります。これが若い時は柔軟で伸びしろがあります。骨端線が成長して身長は伸びるのです。
骨を作るのは、タンパク質です。タンパク質は、骨のみならず、細胞も筋肉も臓器も皮膚も血液も作ります。人の体はタンパク質で出来ている。
「カルシウムを摂りなさい」と言われるのは、骨(骨端線)の成長を補うからです。そのため、カルシウムが豊富な牛乳を飲みなさいと言われるのですが、カルシウムだけを摂っても、身長は伸びないというわけです。
当たり前のことかもしれませんが、食事はバランスが大事。特定の栄養に偏って成長は促せません。タンパク質だけなく、ミネラルも必要だし、ビタミンだって必要。エネルギー源の糖質だって必要です。
寝る子は育つは本当か?
寝る子は育つといいます。著者によればこれは事実なんだそうです。
日本人は諸外国と比べても睡眠時間が少ないんだそうです。著書発行時ですが、世界の子どもの平均睡眠時間は半数は9時間以上。対して日本人は8時間未満が31%もいたと書かれています。
そういえば僕は、毎日外で遊んでいた。小学校の頃は、毎日外で野球をする野球少年でした。とにかく毎日外で太陽の光を浴びてました。
太陽を体に浴びるとセロトニンというホルモンが分泌されて、睡眠ホルモンのメロトニンの材料となります。
そして疲れて早寝してた。結果、早寝早起きの健康的な毎日を過ごせてたと思います。夜の10時~12時頃は成長ホルモンが最も分泌される時間帯といわれています。この時間は、しっかり寝てたんじゃないかな。
成長に必要な条件3つとは?
著者は、子どもの健康な成長を、睡眠・栄養・運動の3つから成り立つとされ、これを成長三角形といわれています。
上述しましたが、僕の身長が伸びた理由を振り返ってみると、睡眠、栄養に加えて、適度な運動がありました。3つの条件が全て揃っていたといえます。だから僕は身長が伸びたんだなと本当にそう思います。
食事では、お肉をよく食べさせてもらっていた記憶があります。お肉は必須アミノ酸スコアが100の良質のたんぱく質で体を作ります。食事というなら僕は肉で育ったような気がします。
牛乳はあんまり飲んだ記憶はありません。というのも僕は乳糖不耐症で、牛乳を飲んだらお腹を壊すからです。だから牛乳は成長を促すひとつの栄養素であるには間違いないと思いますが、絶対必要なものではないというのは僕の例でいえます。
僕の身長が伸びたのは、きっと生活習慣がバランスよく摂れていた。成長三角形のバランスがしっかり摂れていたことが大きいのなのではないかなと思います。
我が家の対照的な二人の今後
二人の娘、一人は背が高くクラスで3番目くらいに背が高い。もう一人は低いほうだと思います。
ちなみに男子は中学生がもっとも成長する時期だそうですが、女子は、9歳がピークで15歳くらいまでで伸びが止まるそうですね。
なので、身長の伸びが止まるまで、よく食べてよく寝なさいと言ってあります。本書でも書かれている通り、身長を伸ばす魔法はありません。ただし、努力によって少しは身長は伸びると著者から心強い言葉をいただいているので、少しでも健康的に成長してくれたらいいなと思います。