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娘が私立中高一貫校を辞めた理由と辞める事を認めた理由

私立中高一貫校を辞めた理由

娘は私立の中高一貫校に通っていて、本来ならそのまま進学して高校生になる予定でした。成績も問題ありませんでした。しかし、娘はエスカレーター式に高校生になることを辞めて、通信制高校に通うことに決めました。

親としては当然、エスカレーター式に高校にあがってほしかったのですが、娘は中学の時から過敏性腸症候群と戦っていて、特に中学3年生の時にどうしても1時間授業を受けることが難しくなり、このまま高校で単位をとるのは難しいと判断して、進学を断念いたしました。

結論から言うと、それが進学を諦めた理由ですが、親としても辞めてもいいかと思えた理由が他にもありました。

娘のように過敏性腸症候群が原因で私立中高一貫校で、高校進学をあきらめ、さらには通信制高校に通うことになった子もいらっしゃると思いますが、他の理由でもせっかく入学した中高一貫校をドロップアウトする子は意外と多く、色々と思うところがあったので、今回は、私立中高一貫校を辞めた理由という題材で書いてみたいと思います。

今我が家と同じように、私立中高一貫校に入学してみたけれど、上手くいっていないと悩んでいる方の一助になればと思います。

目次

私立中高一貫校を辞めてもいいと思った理由

誤解のないように書きますと、娘が通っていた学校の先生は素晴らしかったです。娘に対しても大変、親身になってくださいましたし感謝しかありません。

できればそのまま通って卒業してくれる事がベストでした。なのでこれから書く事は私立中高一貫校を辞める事に対して自分自身を無理矢理納得させる為の言い訳みたいなものです。

そう思って下記理由については読んでほしいと思います。

大学入試が変わったと思ったから

娘が中学受験した時、我が地域の中高一貫校には下記のような特徴がありました。

  • 国公立大学や難関私立大学を目指す
  • 推薦ではなく一般入試で大学合格を目指す
  • 高校生の授業を先取りし、高校3年生は受験勉強に特化する

進学校の優劣は、大学進学実績で決まっていたといっても過言ではありません。娘が受験した中高一貫だけでなく、ほとんどの進学校が、国公立大学や難関私立大学の合格実績をこぞってホームページに載せ競い、親はそれをみて、子どもをこの中高一貫校に預けたいと思う。それが当時の中学受験でした。

しかし、この3年間で大学受験の状況は大きく変わったといっていいと思います。

大学入試は総合型選抜入試が主流になりつつある

特に中堅の中高一貫校は、中学受験組で一般入試の合格を稼ぎ、大学推薦枠を高校から入学してきた生徒に回す形で、大学合格実績を増やしていきます。だから中学受験組は一般入試で勝負してくださいというのが、特に中堅の中高一貫校の戦略でした。

しかし、大学入試改革がはじまり、大学入試は一変、不透明なものになりました。

大学入学者の6割が推薦入学になり、一般入試で入学する学生は、わずか4割、一般入試での合格は大変狭き門になりました。推薦入試枠を広くとる傾向は私立大学に多いのですが、東北大学のように国立でありながら、入試方法を総合型選抜入試に全面的に切り替えていくという大学も出てきました。1

総合型選抜入試は、大学受験のためだけの勉強では合格できない入試方法です。

もちろん、東北大学の総合型選抜入試も、国算理社英の勉強はある程度できないといけないのは間違いないと思います。ただ、大学入試を突破するだけの受験勉強を詰め込むだけでは、難関大学に入学するのが難しくなってきているのです。

総合型選抜入試は勉強以外にも論文や面接があり、探究活動が評価されます。

娘の通った中高一貫校はまさに国算理社英をとにかくたくさん勉強しなければならない学校でしたし、加えて探究活動も頑張る必要がありました。

これだと娘は拘束時間が長くいっぱいいっぱいで非常に厳しい環境になっていたのは間違いありません。

子どもにやりたい事があったから

繰り返しますが、親としては全日制に通ってほしかったというのが、本音です。

勉強が特別できなくても、学校は卒業するだけでも価値があると思っています。学校は社会の縮図で、社会に出たら色んな人がいるわけで、そういう人達とうまくやっていく術を学校で学んでほしかった。けど、体調が伴わないので、それも叶いませんでした。

それを諦めれたというか、認められたのは、子どもにやりたい事があったからです。

何もやりたい事がない、無気力で通信制高校に通うのは反対でしたが、娘にやりたい事があり、それに向かって頑張っている姿を見ることができたから、何とか通信制高校に通う事を認めることができました。

勉強が多少できてもしれていると思ったから

最後は完全に自分に言い聞かせている言い訳です。

勉強が好きで努力が出来る子であれば、中高一貫校を辞めるのはもったいないなって思いました。でも、勉強がそれほど好きではなくて、なんとなく大学へ行った方がいいかなと思う程度の勉強であったら、その後社会に出ても「しれているな」って思いました。

だったら、自分のやりたい事をとことん勉強出来る子になった方がいいなと考えました。

「成功する人間はオタクもしくはヤンキー。僕は、そう思っています」2と岸先生がおっしゃっているとおり、満遍なく学校の勉強ができる子ではなくて、これからは一つの事を極めることができるオタク気質の子が成功する時代だと言われています。

うちの子は学校の勉強もそこそこ出来ましたが、そこそこでは社会に出てもそこそこ。でも好きで極められる道があるのなら、若いうちは、失敗してもいい、その道に挑戦してもいいのではないか、そう思ったのです。

もし今、私立中高一貫校を選ぶなら

では、僕が今、中学、高校を選ぶならこういう基準で選ぶというのをここでは書いてみたいと思います。

勉強漬けの進学校は選ばない

少なくとも大学進学実績だけで、中高を選ぶことはないと思います。

子どもが勉強が大好きなら進学校を選ぶかもしれませんが、親が主導で中学受験をして、子どもはそれほど勉強好きではない場合は進学校は選びません。

娘の通った中高一貫校でも、勉強についていけない子が一定数いました。

学校だけで大学受験までサポートしますよとアピールする学校も多いですが、僕の体感では、学校の勉強だけで中高一貫校の勉強についていくは大変そうでした。基本、学校と塾のダブルスクールが必要だと思います。

長く授業時間で拘束されてさらに塾の勉強。勉強好きでなければ結構きつい。そう思います。

探究活動が充実している学校を選ぶ

大学受験のためだけの勉強では勝ち抜けない時代になりつつあります。

総合型選抜入試では評価されるのが探究活動です。だからこれからは探究活動に力を入れている学校が増えていくと思います。

ただ誤解のないように書きますが、学校の勉強を疎かにしては探究活動はままなりません。基礎学力は伸ばしながら、探究活動に時間を割いている学校。バランス型の学校がいいですね。

時間に余裕がある学校を選ぶ

授業時間が長い学校は選ばないと思います。今の子どもは成功を求められすぎていると、武田信子氏は、著書「やりすぎ教育 商品かする子どもたち」でおっしゃっています。この言葉のとおり、勉強も部活も、探究もしなければいけない今の子ども達は疲れています。

子どもにはぼぉ〜とできる時間も必要です。

僕は田舎の学校出身で、放課後、学校裏の原っぱで、ぼぉ~と考え事をしたり、それがものすごく貴重な時間だったと今も記憶に残っています。恋もしたし、時間に余裕があったからこそできた青春できました。

子ども達にもそんな余裕をもった学生時代にしか経験できない贅沢な時間の使い方をやっぱりしてもらいたいと思います。

遠回りしても最後に良い人生を

娘もできれば全日制の高校に通いたかったみたいです。親としても、クラブ活動等、学生でしか経験できない事を経験させてやれなかった事に胸が痛みます。けれど、もう前を向いて進むしかありません。

娘は4月から通信制の高校に通う事になりました。おそらく大学にも通わないと思います。

元々、娘を中高一貫校に通わせた理由は、難関大学へ行ってほしいという意味合いではなく、高校受験がない環境で、部活なり勉強以外の価値観を6年間で見つけてほしいと思ったからでした。

親の価値観を無理矢理押し付けて大学に行かせて、一般企業に就職させてみても、今のままでは社会人の早いうちにドロップアウトするだろう。そう思うのです。

幸い娘には得意な事、好きな事がありました。まずその分野を頑張って勉強して自分の居場所を確保してくれたらいいなと思う。

遠回りでもいい、若いうちは悩んで、もがいて、それでも最終的に自分の居場所を見つけてほしい。頑張れ、娘よ。

  1. 東北大学「AO入試への全面移行」にまつわる大誤解、入学者の学力不足が進むのか? ↩︎
  2. 成功するのはヤンキーかオタク【岸博幸】 ↩︎
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