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【少子化対策】児童手当の増額はばら撒き、教育無償化は投資。

当ブログで何度も取り上げている、異次元の少子化対策。3月31日そのたたき台が完成したそうです。

おおかた以前より報道されていたとおりの内容です。2030年に入るまでの期間を少子化を食い止めるラストチャンスだとして数々の施策が打ち出されました。

  • 児童手当の拡充
  • 高等教育費の給付型奨学金の対象者を多子世帯や理工農系の大学まで拡大
  • 多子世帯の住宅ローンの支援
  • 親が働いていなくても保育園を利用できる「こども誰でも通園制度」
  • 育児休業手当の給付率を100%に引き上げ

などなど。本当に盛沢山の内容です。

ですが、これらの施策は本当に少子化対策になるでしょうか?僕は、これは子育て支援であって少子化対策とは少し違うのではないか?と思っています。

目次

若者に少子化対策が響かない理由

特に若者、独身者にとって今回の施策はピンとこないだろうなと思うのです。「ピンとこない」というのは、リアリティーが感じられないということです。

例えば、結婚する前のカップルが、

「児童手当は所得制限なしで18歳までもらえるよ。」とか

例えば、

「育児休業手当は100%保障されるそうだよ。」あるいは、「親が働いてなくても、保育園に通わせられるよ。」といっても、実際、子どもを持たない若者にはいまいち実感が湧かないと思うのです。

結婚していない独身にとって必要なことは、わかりやすいシンプルなメッセージだと僕は考えます。

先般、発表されたロート製薬社の妊活白書によれば、母数は少ないものの18~29歳の未婚男女400人のうち、将来子どもを欲しくないと回答した割合が49.4%にもなり、その理由として、子育てにかかるお金が高すぎると答えている。

若者は、子育てにはものすごくお金がかかるとイメージで思っている。

このイメージを払拭することが、結婚を増やし、子どもを増やす少子化対策になるのだと思うのですが、今の施策では若者が子育てにはお金がかからない。とは想像しにくい。もっとわかりやすくパンチの効いたメッセージが必要だと思うのです。

児童手当の多子加算は少子化対策になるか?

児童手当の多子加算が本当なら、インパクトがあるように思えます。

児童手当の多子加算は具体的な金額こそ明言されていませんが、第一子は月額15,000円、第二子は月額30,000円、第三子は月額60,000円*1が検討されているという報道も過去にはありました。

これがどのくらいインパクトがあるかというと

子どもが3人の場合

第三子の月額60,000円、1年だと72万円。18歳まで支援が続いたとして、72万円×18歳=1,296万円にもなります。

第二子は、月額30,000円、1年だと36万円18歳まで支援が続くと、36万×18歳=648万円となります。

第一子は、月額15,000円、1年だと18万円。18歳まで続くと、324万円。

これを合計してみます。1,296万円+648万円+324万円=2,268万円にもなり、単純に3で割り、1人当たりの支援金額として計算すると、なんと756万円にもなります。

さすがにこれはインパクトがあります。ですが、結婚前の若者がここまで計算はしないでしょう。

この計算は子ども3人産む事が前提にしてますけど、誰もが3人以上、子どもを作れる保障はどこにもないわけですし、

「3人産んだら・・・」という条件付きで、若者が結婚して子どもを作ろうとはなかなかならないのではないかと思うのです。

なので、若者にインパクトを与えるのであれば、賛否両論あるとは思いますが、ひろゆき氏のいうように、子ども1人に対して1,000万円配る*2というほうが響き、リアルに恩恵を感じられると思います。

何度もいう。ベストな少子化対策は教育の無償化。

子育てを終えられた方、子どもを持たない方にとっては、今回の少子化対策はばら撒きだと思われる方もいらっしゃると思います。

僕は以前より少子化対策としては、児童手当の拡充よりも教育の完全無償化がいいと主張*3しています。教育無償化はばら撒きではなく、投資だと考えて欲しいのです。

今、大学の奨学金を受けて大学に通う学生の割合は今や5割*4にもなるそうです。本当なら大学院で学びたいだろう学生達が断念しているとすれば、大いなる損失です。

高等教育で専門性を身につけた学生達が社会に出れば、いい給料で就職出来るでしょう。若者の給料をただ上げろと言われても企業だって困るけど、しっかりと学んだ学生であれば企業も実際、給料を上げている*5

若者の給料が上がれば、納税額も上がるし、自信がついて結婚だってしようと思うかもしれないし婚姻率も上がるかもしれない。

そう、教育無償化はリターンが期待が出来る投資なのです。

若者にはメッセージが必要だといいましたが、保育園から大学院まで教育に関わる費用を全く心配しなくていい0円という安心感は半端ないし、メッセージとしてもわかりやすい。

また自分自身がリアルに教育無償を実感できるのもプラスに働くと思うのですね。

マクドナルドがハッピーセットを販売したり、子どもを重視する戦略*6をとっているのは有名です。幼い頃からマクドナルドの味を覚え、「美味しい」、「楽しい」という思い出を刷り込む事で、大人になってもマクドナルドに通うという戦略ですね。それと同じで、教育無償で安心を体感した若者が、子どもの教育や経済面に安心感を持つ可能性は充分あると考えます。

児童手当は、教育に関心がない家庭にも配られます。極論、児童手当を子どもの為に使わない家庭だってあるでしょう。ですが教育無償化は、お金の使い道が、子どもに限定される。それもいいと思うのです。

今回の少子化対策案では、給付型奨学金の対象を拡充するとはいいますが、いかにも中途半端。ましてや、出世払い型なんて、ちょっとでもお金を回収しようという政府の思惑がみえて、まったく魅力的に感じないですね。

政府はリカレント教育*7。人生100年、ずっと学び続ける時代だといいます。ならば、若者に教育のことは心配しなくてもいいからどんどん学んでください、そして生まれてくる子どもについても国が教育を負担するから安心して産んでください。というメッセージを出して支援すればいいと思うのです。きっと、少子化対策にもなると思います。

※とはいえ、教育無償化にも課題はあります。いわゆるFランクの大学に行っても教育効果は得られない。これは確かに言えると思います。大学についての僕の考え方は下記記事をご覧ください。

少子化を反転させるためには婚姻率を上げる必要がある

今回の様々な少子化対策は僕ら子育て世代にとっては大変助かる施策ですし、子ども2人の家庭であれば、確かにもう1人作ろうとなるかもしれません。

ですが、現代社会の価値観は多様化しています。いくら手当があるといっても皆んなが皆んな、子どもを3人以上作りたいとなるのは難しいと思うのです。なので多子にこだわりすぎず、婚姻数も同時に増やした方がいい。 

個人的に経験しているからいえる事ですが、子どもを保育園や幼稚園に預けて仕事と子育てを両立するのは相当エネルギーが必要です。多子は口で言うほど簡単ではないと思う。

共働きのほうが、実は多子だという統計もあるようですが、*8データでは見えない、例えば祖父母と一緒に住んでいるとか支援がその背景にあるかもしれない。

僕は子どもをたくさん持とうと思うにはお金の余裕と併せて、心の余裕が必要なんだと思う。核家族が主流になった現代で皆んなが皆んな多子を持つのはやはり厳しいのではないか。

だからこそ、子育て支援もありがたいけれど、同時に少子化対策は若者が結婚したいと思える施策が必ず必要だと思うのです。それを両方兼ねているのが、教育無償化だと主張したい。

気になる財源の問題

僕は教育無償化こそが一番の少子化対策だと思っていますが、まずはやってみる事、一歩を踏み出す事が何よりも大事なことだと思います。ばら撒き批判があったとしても、まずは第一歩を踏み出した政府には敬意を表したい。

ですが、気になるのは記事にもあった財源に社会保障費をあてがうという点です。

我々子育て世代は、氷河期を経験した世代であるため、裕福な高齢者優遇の施策を非難しがちですが、我々もいずれ高齢者になることを忘れてはいけません。

未来を担う子ども達の事は大事ですけれど、足元をすくわれないように、少子化対策の財源はどこからくるものなのかはちゃんと注視しなければいけない。

だからこそ、選挙対策で何でもかんでもばら撒くのではなく、これだという少子化対策に集中して取り組んでほしい。教育無償化のワンプラン、いかがでしょうか?

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