次女は今年4月に4年生になります。お姉ちゃんの厳しい受験勉強をみてきたせいか、次女は中学受験はしないと今のところ言っています。親としては子どもの意志は尊重してあげないといけないと思っています。
それでも、高校受験は必ず通らないといけない道です。
- 中学受験をせずに高校受験をするなら、小学生の間は特別に何もしなくてもいいのかな?
- いやいや、中学受験しなくても、高校受験のために今から中学受験ばりの勉強をして備えるべきか?
など色々悩んでいる最中、今回読んだ本は、少し古い本になりますが「小学生の親が高校受験のために今からすべきこと」という本です。
本書と著者のプロフィール
おおたとしまさ氏
教育ジャーナリスト。麻布中学・高校出身。リクルートから独立後、独自の取材による教育関連の記事を幅広いメディアに投稿。講演活動も行う。著書は50冊以上。(著書発行時)
本書の要点ポイント(書評)
中学受験しないお子さんであれば、小学校のテストは何点とればいいと思いますか?80点以上でしょうか?
本書の答えは、100点満点が当たり前。
理由は公立小学校の問題は簡単すぎるから、100点をとって当然というのです。詰め込み勉強を否定したい気持ちもあるかもしれませんが、例えば、インドでは、日本の教科書よりもずっと厚い教科書を使い、中学入試の基礎問題くらいは解いていると筆者はおっしゃいます。グローバル社会というのならば、日本も甘いことを言っていられないというわけです。
全て100点というのは少々大げさかもしれませんが、僕もこの意見にはおおむね同意します。そもそも小学校で解く問題の絶対量が少なすぎるというのは、公立小学校に子どもを通わせている親御さんなら感じている事でしょう。
では、中学受験をしない子どもに親ができることはなんでしょうか?まず前提として、子どもに色々してやれるのは低学年のうち(9歳くらいまで)だということです。
これは僕も以前のブログで書いていますが、何でも素直に言う事を聞いてくれた子どもが突然、親離れするというのは、特に初めて子育てをされている親御さんは戸惑う事ですが、事実です。それがまぁ、早い場合、子が10歳くらいから親離れするという事です。というか親が子離れしなければいけません。
ゆえに、勉強だけの話でいえば、親がすべき事は9歳までに学習習慣を身につけさせて、自学自習出来る子に育てておくことです。極論、小学生高学年から親からの働きかけで勉強させようと思っても、きっと難しい。
さて、話は変わりますが、今後は付け焼き刃の学力、いわゆる詰め込みだけの勉強ではダメだといわれています。この疑問についても本書でヒントを得ることができます。
今、文科省が付け焼き刃の学力ではない力を計るといって大学入試改革で迷走している印象がありますね。
考え方自体はいいと思います。ですが、大学入試から改革しようという考え方に僕はまるで賛同できません。やるなら、中学校、高校からでしょ?と思う。そこで学んだことが、大学入学共通テストに出るならわかるけど、まだ訓練してもいない内容がテストに出るなんて。。。学生が可哀そすぎるし、今の大学入試改革には正直、疑問しかありません。
本書では、東大合格者を毎年トップクラスで輩出している灘校の国語の授業、超スローリーディングの紹介があります。
銀の匙という1冊の本を中学3年まるまる使って読む授業で、
- 寄り道する
- 追体験する
- 徹底的に調べる
- 自分で考える
ことで、徹底的に遊ぶように学び、思考力や探究心が育てられるというのです。こういった授業を文科省が小学生からじょじょにでもやってほしいし、やってくれてのなら、大学入試共通テストが思考力型になるのもいいと思います。
ちなみにこの超スローリーディング教育を考案された橋本先生が、
きっちり労力をかけて学んだことはいつか必ず役に立つ。必要以上に学んだことがゆとりにつながる。要するに、詰め込みがあるからこそゆとり教育が実現するということです。
とおっしゃっているのは、同意です。探究とか思考型の教育の理解を勘違いしないように注意したい。
最後に1点だけ本書の補足です。本書は、京都の進学塾「京進」の協力を得て書かれていますので塾のPR的なところが少しありますが、多くの子どもたちを指導してきた進学塾ならではの学習習慣の作り方のノウハウを吸収できるところも本書のよいところだと思います。
本書を読んだ今後の行動(まとめ)
本書では、子どものやる気を伸ばす方法についてもいくつか触れられていますが、中でも
- 子どもが勉強する同じ時間に親も自分の勉強をすること
といった思考は、同意。
僕も、子どもが勉強しているのに親がテレビを観ていては、そりゃ~勉強しないよね。という考えで、子どもが勉強しているときに、一緒に英会話したり、読書したりしています。今後もこの点は意識して、子どもの模範となるように努力していきたい。