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「教育は遺伝に勝てるか?」を読んだ。遺伝子とは何か?僕なりの理解

教育は遺伝に勝てるか?

遺伝といえば、行動遺伝学の第一人者・安藤寿康先生。先生の著書「日本人の9割が知らない遺伝の話」を読ませていただいて衝撃を受けたのですが、さすがにこの1冊で行動遺伝学を理解するというのは難しかったです。で、今回、安藤先生の新書がでるということで楽しみにしていたのですが、本書を読み終えてやっと遺伝とは何者なのかを僕なりに理解できたかなと思っています。

子どもの将来を考えるとき、遺伝の影響は考えざるを得ません。何しろその遺伝子は僕から引き継いだものであろうから。

でも、今までのように漠然と

「遺伝だからね。。。」と片付けるのではなくて、行動遺伝学という学問に基づいて遺伝の事を多少なりとも理解したうえで、子どもの将来の事を考えられるようになったかなと思っています。

今回は安藤先生の新書「教育は遺伝に勝てるか?」の書評をしてみたいと思います。

目次

教育は遺伝に勝てるか? 書評

著:安藤 寿康
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安藤 寿康氏

1958年東京都生まれ。慶応義塾大学文学部卒業後、同大学大学院社会学研究科博士課程谷取得退学。慶応義塾大学名誉教授。教育学博士。専門は行動遺伝学、教育心理学、進化教育学。日本における双生児法による研究の第一人者。(著書発行時)

教育は遺伝に勝てるか?より引用

子育てマニュアルではなく科学書である

本書は子育てマニュアルではなくて、行動遺伝学の本であり、科学書であります。

子どもは褒めて育てようとか、子どもは親の背中を見て育つなんて書いてある子育て本は山ほどあります。それを実践してみるものの

「頑張って子育て、教育をしても子どもが思うように育ってくれない。」そう悩んでいる親御さんはきっと多いと思います。(僕もそうですが)

本書は、そうした子育て本の主張とはまるで逆の「遺伝」にスポットを当てて、果たして教育は遺伝に勝てるのか?について科学的アプローチでせまります。

教育 VS 遺伝。

オリンピックに出場するような選手に運動音痴の子が決してなれないように、また算数が苦手な子が毎日何時間もかけて勉強しても東大にはいけないように、僕たちは多かれ少なかれ遺伝の影響を受けている事は認めていることと思います。

ですが、遺伝で何もかもが決まってしまうのだと認めてしまうと、本人の努力も教育もまるで無意味だと認める事にもなります。

果たして教育は遺伝を凌駕できるものなのでしょうか?それとも子育てさえも遺伝に委ねるべきものなのか?

そんなスリルを味わいながら、本書を読んでみてほしいと思います。

行動遺伝学をわかりやすく

ここで、基礎知識として行動遺伝学とは何かを、僕なりに説明してみたいと思います。行動遺伝学とは、行動に及ぼす遺伝の影響を明らかにする学問です。

行動遺伝学の第一原則は、いかなる能力もパーソナリティも行動も遺伝の影響を受けている。

教育は遺伝に勝てるか?

というように、人は必ず遺伝の影響を受けているというのが大前提に研究されている学問であります。

行動遺伝学についてより詳しく勉強したい方は安藤先生の「日本人の9割が知らない 遺伝の真実」を是非読んで欲しいと思いますが

ここで行動遺伝学の研究手法と行動遺伝学を理解するために知っておきたい共有環境や非共有環境について整理して書いてみたいと思います。

行動遺伝学の研究方法

行動やパーソナリティに遺伝が関わっているかを調べる手法は、一卵性双生児と二卵性双生児を比べてその類似性を見るのが一番いいそうです。

一卵性双生児の学業成績やパーソナリティ(性格など)を二卵性双生児のそれと比べてみて

  • 一卵性双生児のほうが似ているという結果であれば、遺伝の影響が大きいことがいえ、
  • 一卵性双生児も二卵性双生児も似ているという結果であれば、それは共有環境の影響が大きいといえ
  • 一卵性双生児さえも似ていないという結果であれば、遺伝も共有環境も関係がなく、個々の非共有環境の影響が大きい

と判断されます。ちなみにここで登場する

共有環境とは、双子が共有して有する環境のことを指し、親が子に与える教育については、主にこの共有環境の事を指すといえると思います。

対して、非共有環境とは、個々が別に経験する環境のことをいいます。例えば、同じ双子でも違う学校へ通うことになった場合、それぞれが経験する環境は双子であったとしても異なります。このように個々に経験する環境の事を非共有環境といい、主に家庭ではなくて、学校や家庭外で経験する環境の事だと言えると思います。

教育は遺伝には勝てない?

学力は遺伝と共有環境が8割

さて、遺伝といわれて最も関心が高い話題は、知能は果たして遺伝するのか?についてだと思います。本書によると

知能については、8割~9割が、遺伝と共有環境の影響が関わっているんだそうです。

共有環境とは親が子に与える教育を主に指すと考えるのでしたから遺伝と、親に与えられる環境で知能がほぼ決まってしまうのですから、子本人の努力だけではどうしようもないのが学力だということになります。

これが本当なら「もっと努力してよい成績をとりなさい!」と叱ったところで、子どもにとってはどうしようもない事だと思われます。

しかし、これを遺伝だと片付けてしまうと、遺伝という言い訳をして、子どもは全く勉強をしないのではないか?と心配になりますよね。

けれど、行動遺伝学の世界では、知能はどうやら子どもの努力だけでは何ともしがたいものがあるというのが結論のようなのです。

残念ながら学力の差は親の年収も関係する

さて、知能については遺伝の影響が最も大きい(50%程度)としながらも、同時に親が与える教育環境の影響も遺伝ほど影響は受けないけれど30%くらいは関わっているという点を著者が認めている点も印象的でした。

親ガチャという言葉がありますが、家庭の経済的状況や親の学歴が大きく関係しているのも行動遺伝学をもってしても認めざるを得ないところのようです。東大の親の年収が1000万以上が多数というのも考えてみれば納得。

冷めた言い方になりますけど、遺伝と経済的に恵まれた環境がないことには、努力次第だといくら綺麗ごとを話してみても、子どもは東大や京大には行けないんだろうなって諦めも感じました。

つまり能力は遺伝が相当関わってくるけど、同時に遺伝とは別に経済的格差も関わっている事がエビデンスとしてある程度立証されているんですよね。

まとめ 遺伝子とは何か?僕なりの理解

ここまで知能に絞って遺伝について書いてきましたが、遺伝の影響を受けるのは勿論、知能だけでは勿論ありません。本書を読んで遺伝ってあらたか何だろうと考えてみましたが、遺伝は能力よりもむしろ性格に色濃く出るのではないかと思ったので、ここからはパーソナリティについて書いてみたいと思います。

親は、えてして子どもは生まれた時は真っ新であるように愛情や教育をかけて育てていきます。ですが、人は生まれた時にすでに遺伝子という個性をもっている。

  • 勉強が嫌い
  • 運動が得意
  • 音楽好き
  • 明るい
  • 人と接するがの得意ではない

など。遺伝子という、もう決まった性格をもって生まれてきている。それなのに、まるで生まれた時はパーソナリティは何も出来上がっていないものだと思い込んで、まるで着せ替え人形のように親の色に染めようとする。

だから子どもが自分の思う通りに育たないとイライラするのではないか?本書を読んでそう感じました。

だけど、人は生まれた時に既に遺伝子というパーソナリティをもって生まれてきている。

そして、その子はきっと自分やパートナー(僕の場合は妻)が好きな事ややりたかった事を受け継いでいる可能性が高いのだと思う。何せ僕らの遺伝子を引き継いでいるのだから。

著者は、遺伝は教育に負けるほど弱くはないとおっしゃる一方で、教育なしでは遺伝は姿を現さないとも表現されています。

遺伝子は生まれた時に既に組み込まれている。ただし、親があれやこれや教育しない事にはそれに気がつく事もない。教育をするからこそ、幼い時にその子の遺伝子の顔を見ることができる。

考えてみれば、自分だって幼い頃に好きだったことが職業になっていたり、今でもずっと好きだったりする。これは遺伝子の仕業なのではないかと思う。だとすると、子どもが幼い頃に見せる興味関心こそが、その子の遺伝子の顔であり個性なのだと思うようになりました。

だから僕は親が子の幸せを思い、あれこれ教育したい気持ちはわかるけれど、遺伝子に抗ってまで教育はするべきではないと思うようになりました。一律同じ内容の勉強を子どもに提供するという今の学校教育に合わない子も出てくるのもわかるし、時代にそぐわないのだろうなって今、思います。

パーソナリティ、遺伝子は生まれてすぐに持ち合わせているのだから、それに抗う事なく教育、愛情をかけてやることができれば、経済的なハンデはあるかもしれないけど、子の遺伝子を尊重した真っ当な教育はできるのではないか?それが子どもの幸せに繋がるのではないか?本書で遺伝を勉強して思いましたね。

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