中学生、高校生になると親の言う事を聞かなくなるものです。
でも、です。もし子どもが
- スマホばかり見ている
- 将来のことで悩んでいる
- 何事にもやる気を感じられないように見える
となれば親としたらやっぱり心配して口出ししたくなるんです。
こんな時には、僕は著名人の力を借りるんです。全く同じ言葉を言っているのに、親の言う事だと聞かないのに、著名人の言う事なら響く。思春期の子どもが依存する対象が親でなく、世間の憧れの存在に変わっているからですね。
であれば、親は口出しせずにそっと著名人の言葉を子どもに贈ろう。
例えば、つんく♂氏の著書「凡人が天才に勝つ方法」これを子どもにプレゼントしてみよう。
つんく♂ 凡人が天才に勝つ方法 書評
本書の紹介と著者プロフィール
つんく♂氏
1968年10月29日生まれ。大阪府出身。音楽家、TNX株式会社代表取締役。1988年にシャ乱Qを結成、1992年にメジャーデビューし「シングルベッド」「ズルい女」など4曲のミリオンセラーを記録。1997年より日本を代表するヴォーカルユニット「モーニング娘。」のプロデュースを開始し、1999年には「LOVEマシーン」が176万枚以上のセールスを記録。「ハロー!プロジェクト」をはじめ数々のアーティストのプロデュースを手掛け、現在JASRAC登録楽曲数は2000曲を超える。
つんく♂ 凡人が天才に勝つ方法
つんく♂氏は自らを「天才」じゃなく凡人という
著者のつんく♂氏は、作詞作曲家、音楽プロデューサー。モーニング娘。1のプロデューサーが彼であることは誰もが知るところではないでしょうか?
著者は、歴代作曲家シングル総売り上げランキングで5位(3,873.4万枚)2という金字塔を打ち立てられた方ですが、冒頭から、僕は「天才」じゃない。凡人だ。とおっしゃるのです。
ですが、です。
凡人でも天才を凌駕することができるのだといい、凡人が天才を超えるための方法について著者なりの黄金ルールをまとめられた本が著書です。
一方で著者は天才ではないけれど、自分はプロなんだとおっしゃっている。このプロの定義についても本書では学ぶことができます。
漠然と夢が語られた本ではなく、著者が色々なアーティストをプロデュースしてきた視点から、才能を開花させるためにどのような努力が必要なのかがより具体的に紹介されており、アイドルやアーティストを目指す子は勿論、夢を叶えたいと頑張っているあらゆる中高生に読んでもらうといい本だと思います。
思春期の子どもに贈りたい つんく♂氏の言葉
さてここからは、僕が本書を読んで、ぜひ、子どもに贈りたいな~と思ったつんく♂氏の言葉(考え方)をピックアップして紹介したいと思います。
思春期ならではの壁にぶつかりながら頑張っているお子さんがいらっしゃったら本書をぜひプレゼントしてあげてほしいなと思います。
自分を凡人だと認めて努力できるか?
著者がなぜ成功できたのか?それは自分が「天才」ではないと気付けたからだといいます。
多くの子が自分に期待過剰ではないか?と問いかけ、自分もそうだったからその気持ちもよくわかるといいます。売れない時代、(何の努力もしないで)
- 自分ならもっとやれる
- 自分にはもっと才能があるのに
と自分の能力を過信し、一方で売れていくアーティストには愚痴や嫉妬をしていたとおっしゃいます。中高生の頃、僕もそうだったな~と赤面(苦笑)。
このように若いうちは世間の事もよくわかっていないせいでしょう、自分が努力しなくても何故かうまくやっていけるような気持ちになることがあります。
また、上手くいかないことがあっても
- お金が足りない
- ちゃんとしたスタジオで曲を作らせてくれ
などと人や環境のせいにしていたと著者は回想されています。裏返せば、お金さえあれば、環境さえ整っていたら、自分ならできるという話ですよね。これもあるあるな話だと思います。
他人や環境のせいにするのは、できない人の言い訳。「時間」と「やる気」があれば、環境なんて関係ない。
自分は天才でも何でもなく、凡人なんだということを認めて、そして努力しなければいけない。これが著者の言いたい事であり、著者が成功した理由であるのです。
イギリスの元卓球オリンピック代表選手、マシュー・サイド氏のベストセラー本に「きみはスゴイぜ!」という本があります。本書でも成功している人というのは、決して天才や恵まれた環境があったわけではなくて、実はものすごく努力しているんだよ、誰でもそのチャンスはあるんだよという事が書かれている。
凡人にとって大事なことは、好きをとことん追求すること
好きな事をとことん追求しなさい。これはよく聞く言葉です。ですが、著者はもう一歩踏み込んで、好きと得意とは違うという点が大事だとおっしゃいます。
得意であっても、それが好きでなければ続かない。だから好きを追求することが大事で、最終的には得意な人を好きな人が抜いていくというのは盲点でした。
小さい時に好きだったことも、大人になるにつれ、親であったりもしくは自分自身で制限をかけてしまい、好きなことを諦めてしまうことが多い。
「好きな事」を諦めずに努力することが出来れば、きっと財産にはなると思う。
好きなこと、得意なこと、自分の才能を見つける方法は、世界一やさしい「才能」の見つけ方という本も勉強になります。
人生はマラソン。後からごぼう抜きできる
著者は「親ガチャ」についても触れられています。確かに「親ガチャ」はあるだろうと僕も思います。けれど、環境を与えられた子が必ず成功するとも限らない。
著者は、人生は100メートル走ではなくて、マラソンのようなものだとおっしゃっています。世の中のほとんどが凡人なのであるから、親ガチャによるハンデは50メートルくらい、これくらいなら後からごぼう抜きができる。
つんく♂氏の言葉には勇気づけられますね。
当たって砕ける精神でとにかく数をこなす事
僕は実はこれが一番成功する人と、成功できない人の差かなと痛感しています。著者は、とにかく数をこなす、行動することの重要性を説いておられます。
確率が1%なら、10本打ったのではヒットは望めません。でも、1,000本打てば10本は当たる計算になります。
つんく♂ 凡人が天才に勝つ方法
多くの人が1,000本打つ前に諦めてしまう。
子どもの好きが本気なのかも1,000本打てるかどうかでわかる。
僕が我が子に一番伝えたいのが、1,000本打てる?この言葉なんです。
自分を枠にはめない
自分を枠にはめるとはどういうことか?
- 私って黒しか似合わないんだよね
- この髪型は私には無理
- このセリフは私っぽくない
というように、自分の枠をあらかじめ決めてしまう事です
つんく♂ 凡人が天才に勝つ方法
こういう人は伸びないと著者は断言されています。僕も若い頃そうでしたし、娘もそういう傾向があります。
「夢の叶え方はひとつじゃない」の著者・岡嶋かな多氏も、「いろいろな扉をノックする」という表現を使っておられますが、食わず嫌いにならないで、いろいろな仕事(扉をノックして)をして、自分の得意を見つける事が重要。とおっしゃっています。
子どもの頃から、自分を枠にはめてしまわず、視野を広く持てるようになるといいなと思います。
自分で決められることは自分で決める
自分の事は自分で決める。社会人になれば、瞬時に判断することが求められますが、これが出来ていない人が意外と多いと思うと著者はいいます。
子どもの頃から自分のことは自分で決め、自分の事は自分で出来ることは勉強よりも大事なんじゃないかな?ぜひ本書で気が付いてくれるといいなと思います。
上達したければ反復練習のみ
どうしたら歌がうまくなりますか?と聞かれることがあるという著者。その答えは、「反復練習あるのみ」なんだそうです。
歌でもダンスでも、ギターでも、1年間練習しまくれば、いまより絶対にうまくなっています。
誰もがAdoや米津玄師、ブルーノ・マーズやテイラースウィフトのようになれますか?と言われたら、それはNOです。ですが、「1年前のあなたより、絶対うまくなっています」と断言できます。
つんく♂ 凡人が天才に勝つ方法
素敵な言葉ですよね。
子どもに努力という言葉を伝えるのは難しいと感じていましたが、著者の言葉ならとにかく1年間頑張ってみようと思えるのではないかなって思います。
とにかくいったん完成させて箸をおく
これは僕がそうなんですが、完璧を求めるあまり、仕事のスピードはあがらないし、いつまでたっても完成しない。完璧でなくても、7割8割の出来で、まず完成させることが大事だというのは本当にそう思います。
この事を著者はとにかくいったん完成させて、「箸をおく」と表現していいます。
いったん箸をおくと、半年、1年と寝かせた後、熟成するように味が出てくるのだというのはまさにそのとおり。
「とにかく数をこなす」為にも完璧を求めすぎない事は大事。
子どものうちにこの習慣を身につけることができたらすごく社会に出てから役に立つなって思います。
まとめ つんく♂氏からプロの考え方を学ぼう
まだまだ心に響く言葉がいっぱいあるのですが、今回は特に僕が自分の子どもに贈りたいなという言葉に絞って紹介させていただきました。
世の中のほとんどの人は凡人であり、それほど能力は変わらない。だからこそ親ガチャというような環境のハンデがあっても、凡人集団の中から抜け出すことは誰でもできる。
人や環境のせいでとくすぶっている思春期の子どもは多いと思いますが、本書を読めば勇気が湧いてくると思います。
一方で、今回はほとんど紹介していませんが、プロになるための必要な条件についても本書には書かれていて、プロになる為には相応の努力が必要なんだなということも勉強できます。
音楽プロデューサーとして成功されている著者の言葉は大変重みがありますよ。
思春期を迎えている子どもに声かけしてもなかなか響かないことが多いと思いますが、多くの子どもが憧れる音楽や芸能の世界で成功をつかんでいるつんく♂氏の言葉ならきっと心に響くのではないだろうかと思います。
僕も本書を読んだあと、子どもに読んでみたら?と紹介しました。自分なりの何かをつかんでくれたらいいなって思っています。