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才能は遺伝する?!遺伝の事を知りたくなった時に僕が読んだ本5冊

僕は基本的に、才能は遺伝すると思っている人です。

スポーツはもちろん、勉強も遺伝だと思っていて、僕の遺伝子を引き継いだ子どもでは決して東大には入れないと思っている。

勉強は、スポーツとは違って、コツコツやれば必ず成果が得られるもの。そんな本をたくさん読んできたし、実際、勉強はそういう側面もあるとは思っている。成功体験を得られやすいのも勉強だし、勉強を頑張る事にはそれなりに意味があるとも思っている。

それでもスポーツの世界で簡単には一流アスリートになれないように、勉強も東大や京大に入るためには、やはり生まれ持った才能、つまり才能ある遺伝子を引き継がないと難しい。どこかでそう思っているのが僕です。

目次

カリスマ教育ママへの反論

先般、お子さん4人を全員東大に入れたカリスマ、佐藤ママの発言に対して、堀江貴文氏など様々な著名人の方が反論、発言していてちょっとしたニュースになりました。

意見の食い違いは誰でもあるもので、また意見をぶつけあうことも大事。だからどちらが正しいかどうかはここでは論じないでおこうと思います。けれど、僕が注目したのは、ひろゆき氏のこの発言。

佐藤ママが子ども達を全員東大に入れたのは「優秀な遺伝子の子供が生まれただけの可能性がある」と、発言されたのです。とても言いにくいのですが、僕は、このひろゆき氏の意見に共感を覚えました。

佐藤氏のお子さんは努力されただろうし、佐藤ママが注いできた教育も間違いなく素晴らしいものだったと思います。

ですが、この教育方法が、全ての子どもに合うかのように、佐藤ママをカリスマとして賞賛する風潮に僕は以前より違和感をもっていました。そこにはやっぱり僕の心の根底に、勉強の才能も遺伝だと考えているところがあるからだと思います。

僕が出会った遺伝に関する本5冊

行動遺伝学との出会い

AI時代の子育て戦略

たまたまなのですが、元マイクロソフト日本法人代表の成毛 眞氏が著書「AI時代の子育て戦略*1で、「子どもの才能は遺伝する」とおっしゃっていたのがきっかけで、僕は遺伝を深堀したくなりました。

そこで遺伝に関する本を何冊か読んだので、紹介したいと思います。

著:成毛 眞
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日本人の9割が知らない 遺伝の真実

まずは行動遺伝学の権威・安藤 寿康氏の著書「日本人の9割が知らない 遺伝の真実*2です。

僕はこの本を読んで初めて、能力が遺伝するのかを研究する学問がある事を知りました。今まで何となく能力は遺伝だと思っていた事が、学問で明らかにされている事に驚きました。

著:安藤 寿康
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遺伝の事を知りたければ、本書は必読です。

ひろゆき氏も安藤寿康氏の著書を読んで、遺伝的にも「東大の子は東大になりやすい」とおっしゃっている。*3それで上述の発言に繋がったのだと思います。

遺伝のタブーに切り込んだ橘玲氏

言ってはいけない-残酷すぎる真実

行動遺伝学を広く知らしめたのが橘 玲氏の「言ってはいけない-残酷すぎる真実」です。安藤氏の著書を引用しながら子どもの成功に、親も学校もあまり関係がない等、遺伝にまつわる、言ってはいけないタブーに切り込んでいる。

著:橘玲
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人は、遺伝と環境によって決まる。そういえば皆、納得すると思います。ですが、能力に環境はほとんど影響しないといったらどうでしょうか?子育てや親の教育では子どもの能力は上がらないと言われたらどうでしょうか?

そんなタブーに切り込んだ本が、「言ってはいけない」です。

行動遺伝学でいう「環境」には、

  • 共通環境
  • 非共通環境

があります。

共通環境とは、同じ教育を受け、同じご飯を食べてといった共通の環境で育つ事。一方で非共通環境とは、違う学校に通ったり、事情で全く違う環境で育ったりする事をいいます。

行動遺伝学では、双生児のデータをたくさん集めて、どのくらい似ているか調べることで遺伝の影響を測りその類似性を相関係数で表します。一卵性双生児とはいえ、完全に遺伝で似ることはない。ならば残りは環境によるものだといえますが、それが共有環境なのか非共有環境なのかが問題です。

本書では一卵性双生児を同一環境で育てたケース(共有環境)と全く異なる環境で育てた場合(非共有環境)の相関性を調べた実験で、異なる環境で育った方が相関性があったことがわかり、共有環境の影響はあまりないのだと紹介している。

予め賢い子を選抜しているから進学実績がよいのは当たり前

AI vs. 教科書の読めない子どもたち

遺伝の本ではないのですが、新井紀子氏が著者「AI vs.教科書の読めない子どもたち」で、進学校の大学実績の話題に触れていらっしゃる一節は興味深いです。

新井氏は、進学校は12歳の段階で、予め読解力のある子どもを選抜しているといい、その学校の教育のおかげで、東大に入れるのではなくて、12歳の段階で、すでに東大に入れる読解力を身につけている子たちなのだから東大に入れる可能性が他校の生徒よりも圧倒的に高い

とおっしゃっている。

著:新井 紀子
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これは読解力についての考察であり、遺伝についての考察ではありませんが、学力はある程度遺伝で決まると考えても腑に落ちます。

与えられた遺伝のシナリオに身を任せることの大切さ

小児科のぼくが伝えたい 最高の子育て

ここまで能力はある程度、遺伝によって決まっているといわれても、子育てはやり直しがきかないので、やっぱり親としては、遺伝だからと諦めて努力をしなかったときの後悔やリスクを考えてしまう。ここが子育ての難しいところです。

だからお子さんを東大に入れたという他者の成功体験になびいてしまうところがある。だけど最近僕は冷静に思うのです。遺伝を認めて、諦めるのもいいのではないかと。

ここで、遺伝の事を前向きに捉えた本を1冊、紹介したいと思います。「小児科のぼくが伝えたい 最高の子育て」です。

著者・高橋孝雄氏は、能力は遺伝するとおっしゃった上で、もって生まれた才能は誰にでもあり、それはいつか花開く、遺伝子が書いたシナリオを信じることが大切だと説かれています。

マガジンハウス
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勉強ができる事も大事だけれど、それよりも子どもを信じて、自己決定力、自己肯定感を育む事が、幸せにつながるとおっしゃっている*4

のは共感ポイントです。

自分で決めた道であれば失敗しても人のせいにすることはない。もし親が敷いたレールで失敗した時に親のせいで失敗したと子どもが感じることがあれば、それも大きなデメリットです。

一番よくないのは、他者の成功体験を子どもに押し付ける事。他者は他者。人と比べないこと。そして、自分で自分の道を決めることができる自己決定力、これが子どもの幸せにつながるのですね。

親が勉強を強要しなくても、子どもが必要と思えば勉強し始めるものです。

僕は子どもに勉強を無理強いしなくなってから、子どもが宿題が間違っていても全く腹が立たなくなりましたし、宿題をしなさいとも勉強しなさいともいわなくなりました。

これは僕にとっても子どもにとってもストレス・フリーで大きなメリットです。

子どもの教育に親が一生懸命になりすぎても、子どもは思うように育たない。それは、遺伝によってシナリオがすでに書かれているから。けれど、それは子どもの才能を諦めるのでは決してありません。子どもの才能が芽吹くのを信じて待つことが大切。

僕が遺伝の本を読んで学んだことです。

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