皆さんは子どもに習い事をさせていますか?
今時の習い事事情は、週5回とか、ほとんど毎日のように習い事を子どもにさせているというご家庭も決して珍しくないといいます。
- 子どもにたくさん習い事をさせてあげたほうがよいのでは?
- 今の時代、勉強よりもむしろ習い事で得意を伸ばすべきでは?
- 子どもに習い事をさせていないのは子供の可能性をつんでいるのでは?
など、今は勉強ではだけじゃないスキルを習い事で身につけさせてやらないと子どもの将来が不安だと焦った事はないでしょうか?実は僕はそういう不安をもっていたことがあります。
そんな方に是非読んでほしい本が、「習い事狂騒曲」という本です。本ブログでも何度か紹介させていただいている教育ジャーナリストおおたとしまさ氏の著書です。
本書と著者のプロフィール
おおたとしまさ氏
教育ジャーナリスト。麻布中学・高校出身。リクルートから独立後、独自の取材による教育関連の記事を幅広いメディアに投稿。講演活動も行う。著書は50冊以上。(著書発行時)
本書の要点ポイント(書評)
僕が子供の頃は、よい大学を出て、一流企業に就職することが幸せだと信じられていた時代でした。
しかしそうやって育った僕らの多くが、学歴だけでは本当の意味での幸せになれない事を知り、親になった。子どもには勉強だけではなく、習い事を通じて色々な体験をさせ、可能性を広げてやろう、そう考えるようになったのが今の習い事がヒートアップしている背景にあると思います。
だから僕ら世代の親はある意味戦略的に子どもに習い事をさせたがる。自分が出来なかったことを子どもにはさせてやりたい。そういう想いもきっとあるのだと思う。
こうした習い事の背景は、僕らが右にならえでそろばんや野球をしていた子供の頃とはまるで違う。特に今の習い事は多様化している。本書は、子どもの習い事にヒートアップする親を見て滑稽といい、タイトルを「習い事狂騒曲」としている。
本書の内容
本書の前半は、今の習い事事情をリアルに伝えてくれる充実した内容となっている。
第1章は、東大生が習っていた習い事について、実際の現役東大生(当時)3名のインタビューが掲載されていて興味深い。
第2章は、ダンス、プログラミングからキックボクシングなど多様化、細分化する最新の習い事事情について。
第3章は、習い事の選び方、教室の探し方などのQAがあり、習い事に悩む親御さんにとっては非常に役立つコンテンツが満載となっています。
一転して第4章では、「受験エリートよりも過酷な習い事エリート」として、プロの職業を目指す場合の過酷さと、その過酷さを乗り越えてプロとして成功をおさめた人のインタビューが掲載されているが、習い事で子どもの夢をかなえてあげたいと思っている親御さんは、子ども以上にその覚悟がいることがよ~くわかる内容となっている。
そして第5章。「習い事で得られるもの、失うもの」では、正解のない時代の習い事の心得について、筆者の考えがまとめ書かれている。
僕個人的には、習い事で得られるものについてよりも、失うものについての筆者の考え方が刺さりました。
習い事をたくさんすればするほど技術が得られ、メリットばかりだと思っていたけど、子どもにとって失うものもあるのかと。
習い事をできるだけさせてあげて、子どもの可能性を広げてあげた方がよいのではないか?
その不安に対する答えというか、子どもの習い事について、親の気持ちの持ちようをこの章でもらえた気がしました。
本書を読んだ今後の行動(まとめ)
我が家は、長女、次女とも習い事は1つだけ。ずっと音楽系を続けています。上述したとおり、もっと習い事をさせてあげたいなと思った事が何度もあります。
ですが、本書を読んで、習い事で時間を埋める事は、子どもがその時間を使って何をしようか考える時間、創造する時間を奪っている事でもあるんだと気が付きました。子ども自身の時間をもっと大切にしてやりたいなと思いました。
勉強の本はたくさんあるんですが習い事の本って少ない気がします。本書は子どもの習い事で悩んでいる方の入門書としておすすめの本です。