前の記事で、娘が私立中学からの進学をあきらめて、通信制高校へ進んだことを書きました。
僕がこのブログで教育の勉強をしていなければ、きっと通信制高校には抵抗があったと思います。けれど、年々通信制高校の数は増え、その教育も進化していることを知っていましたので、通信制高校も悪くないなと思い始めていました。
ただ近年、脚光を浴びつつある通信制高校ではありますが、世間でいわれるほど、通信制高校に行ったからといって、簡単に子どもが輝けるとは思っていません、現時点では。その点シビアにみているのですが、今回はその点について書いてみたいと思います。
N高等学校が変えた通信制高校のイメージ
通信制高校の概念やイメージを変えたのは、やっぱりN高等学校1だと僕は思います。
N高等学校は、ネットの学校として開校以来、年々生徒数は増加し、27,712人に及ぶ生徒がいる日本一学生がいる高校2にまで成長しました。
全国から生徒が集まるとはいえ、2万人以上もの生徒が集まってくるというのはN高等学校はそれほど学生にとって魅力的なんだと思います。
ただし裏返せば、全日制高校に通う事ができない生徒が年々増えている事も表しているともいえます。
通信制ネットコースの落とし穴
大半の時間をもてあそぶ可能性がある
N高等学校にはネットコースというのがベーシックであり、大半をネットで学習し、高校卒業に必要な単位取得は最低限の授業の出席で済みます。後はやりたい事、自分の夢に関する勉強に時間を費やせる事が魅力であります。
自分が本当に学びたい事を学ぶ。一見、N高等学校は未来型の学校だ、素晴らしい学校だと思えるかもしれませんが、僕は少し懐疑的でした。
というのも、この制度だと時間が無限にありすぎる為、いくら自分の夢があるといっても時間が余ってしまいすぎるのです。
例えば、N高等学校の卒業生に、フィギュアスケートの紀平梨花3さんがいらっしゃいます。こういったスポーツ選手の方は、1日中フィギュアスケートの練習が必要なはずで、まさにN高等学校のような「学校の勉強は最低限」というライフスタイルが必要なんだと思います。
自分の夢に費やす時間が、1日5時間以上必要な場合は、N高等学校のようなネットの通信制高校は非常に有益な学ぶ手段だと思います。けれど、自分の目標に費やす時間が、1日1時間程度であるのなら、全日制で学校終わってからでも十分活動が可能なわけで、N高等学校のネットコースだと、1日の大半は時間をもてあそぶことになります。
そうなると言い方は悪いですが、1日の大半を遊んで過ごすことができるし、生活のリズムが整わないことになります。夜遅くまで起きて、朝遅くまで寝ている。こんな生活を繰り返す可能性さえある。
誰ともコミュニケーションをとらずに卒業する可能性がある
もう一つ、ネットのコースは、誰とも会わない、コミュニケーションをとらずに卒業する可能性があります。N高等学校の広告にも出演しながら、通信制高校に通うのは反対だ。と断言するひろゆき氏。ひろゆき氏はまさにこのコミュニケーション能力が通信制高校では育たないないことを指摘し、通信制高校に否定的な意見をおっしゃっています。
通信制高校に通うなら、まず通学コースを検討すべき
だからなんだと思いますが、N高等学校でも通学コース4という、学校へ通うコースを設けるようになりました。子どもを通信制高校に通わすなら、このような通学コースをまず検討するべきだと思います。
幸いにもN高等学校以外にも多くの通信制高校で、通学コースを設けている学校は多いです。通学しなければなりませんが、通信制高校の多くは、全日制と比べて通学しなければいけない日数は少なく済むはずです。
学校へ少しずつでも通えるようになること、そこで少しでもコミュニケーションをとること、そして、日々の生活リズムを崩さないことを目標に、通える範囲で学校に通えればいいのです。
ネットコースの場合は、ダブルスクールを検討する
学校の勉強以外に、自分の夢を追いかけたいという場合は、通信制高校は最低限学校に通えばいいネットコースでもいいと思います。ただし、それでも、夢に関する学校へ別途、通わせることを僕は考えるべきだと思います。
つまりダブルスクールです。
例えば、通信制高校に通うのは最低限にして、残りの時間を大学進学のための予備校に通う。通信制高校で年々、大学進学実績があがっているのは、通信制高校で勉強ができるようになったのではなくて、ダブルスクールによるものが大きいと僕は思っています。
通信制高校を通うのを最低限にすれば学費は安く済みます。余った費用を、予備校に通うなどの費用に費やすのです。勉強は学校の勉強でなくてもいいのです。自分が興味ある勉強ができる学校に通い、社会との接点を得ることが重要だと思います。
通信制高校に通う子に必要な、自分の居場所探し
通信制高校へ通う子の多くは、学校での居場所を失くしている場合が多いと思いますが、多くの子が自分自身の居場所をやっぱり探しているはずなんです。自分の居場所を自分自身で獲得できるようにその場所を親としては提供してやるべきで、それは通信制高校でもいいし、どこで学んでもいいのです。
通信制高校に行ったからといって、未来が閉ざされているわけでない。けれど、社会にでるまでに、自分自身の居場所があるんだという自信をどこかで得る必要がある。だから、親としては社会との接点をやっぱり用意してやって、そのきっかけをつかめるようにしてやりたい。
しかし、通信制高校に通うということはそのハンデがやっぱりあり、なかなか簡単なことでもない。というのは常に意識しているところです。
次回も僕の通信制高校の考え方について書いてみたいと思います。