約500万冊が読み放題!30日無料お試し!KindleUnlimited

AIのプロンプティング技術を学んで思う。探究授業もいいけれど、基礎学力が何より大事

AIプロンプティングを学んで思う。探究授業も大事だけど基礎学力が何より大事

今僕はAIのプロンプティングを学んでいます。プロンプティングというのは、生成AIに指示を出して、ビジネスのアイデアや旅行の計画、レシピ、お勧めのレストランといった提案をAIから引き出すというものです。

AIは日進月歩で進化しており、私たちの日常にも身近なものになってきました。最近の調査では、大学生の6割以上、がAIを使っているといいます。

ただしまだAIを正しく使えている学生は多くないのかもしれません。簡単なところでいうと、勉強でわからない問題をAIに質問したり、大学の論文を書くのにヒントを得たり、面白いところでいえば、AIに恋愛相談をしている学生もいるようです。今はまだこういった使い方が主流かもしれません。

どんな使い方をしてもいいのですが、注意しなければいけないことは、AIは必ずしも正しい答えを返してくれるわけではない。ということを肝に銘じておくことです。

AIが間違った答えを返すことをハルシネーションといいますが、

AIに大学論文に関する事を聞いて、AIの回答のまま論文に活かしたりすると、とんでもない間違いを平気でする可能性もあるので注意が必要です。

なので結局のところ、AIから得た回答を自分なりにクリティカルシンキングして、再度AIにたずねることを繰り返し、自らが得たい回答を導き出すというのが必要になってきます。

今日はそのことについてお話してみたいと思います。

目次

AIから精度の高い回答を得るには、精度の高い入力が大事

AIからより精度の高い回答を得るためには、AIに出来る限りたくさんの情報を与えることが大切です。

例として、AIに恋愛相談をすることを考えてみます。

学生の頃を思い出して欲しいのですが、好きな子を振り向かせるために、懸命に好きな子を観察し、思考を巡らせ、アプローチをしましたよね

  • 好きな子との今までの関係性
  • 好きな子との出来事、会話内容
  • 好きな子に今までどんなアプローチをしてきたか
  • 今どんな事で困っていて、どんな関係性になりたいのか
  • AIにアドバイスしてほしい内容

こんな思考がスラスラ出てきます。この詳細な情報をAIに伝えることが大事です。そうすれば、非常に精度の高い回答が返ってくる。

しかし生成AIが自分が思うようなアドバイスをくれなかったとしたら、

「いや、AIさん、私はこんなアドバイスを求めているのではなくて、こんな角度でのアドバイスを求めているんです」

なんて、反論もするかもしれませんね。なにせ好きな子を振り向かせたいのですから、もう必死です(笑)これがクリティカルシンキングといってAIを利用するには大事なことなんですね。

でも、これが勉強だったらどうでしょうか?

  • 因数分解って何ですか?

例えば、こんな1行の薄っぺらい情報をAIに与えていませんか?AIは与える情報によって、回答の精度が違うことは説明しました。

いくら生成AIだといっても、これだと非常に薄っぺらい回答しかできないし、ひょっとしてその答えも間違っているかもしれません。これがAIなんです。

探究授業も同じく精度の高いインプットが必要

さて、ここから本題です。今学校では、探究型授業が盛んです。2022年の学習指導要領で探求型授業の科目が導入され1色々な学校で探究クラスがが生まれ、この探究授業はしばしばグループワークで行われ、アクティブラーニングともいわれるものです。

ちなみにアクティブラーニングとは

生徒が能動的に学びに参加する教育法のことをいい、ディスカッションやディベート、グループワークを通じて、生徒が主体的になって学ぶもの

と定義されています。しかしです。

生成AIの話を思い出して欲しいのですが、生成AIは、インプットの情報の精度が高ければ高いほど、精度の高いアウトプットを出力することをお話しました。

探究授業も同じです。

つまり学生たちが、議題に対して、精度の高い内容の質問であったり意見であったりを用意することで、精度の高い学びに繋がる

例えば、ある事柄について、分析して結論を表にまとめて発表しようとしたとします。

平均という手法と棒グラフがあることしか知らない生徒と、平均の他、中央値や最頻値、さらにそれを可視化するヒストグラムや、箱ヒゲ図、さらには散布図等、相関を調べる手法まで知っている生徒

では議論する内容から出力する内容まで大幅に変わってきます。AIは何でも知っていますが、それを問いかけない(インプット)といけません。高度な質問ができる生徒と、そうでない生徒に対する回答に差があるのは当たり前ですよね。

探究授業があるだけでは、深い学びにつながらない

近年、多くの学校が探究授業を導入し、あたかも近代的な学習手法であるかのように見えるかもしれませんが、つまりのところ、学生の基礎学力が高めであればあるほど、探究授業(アクティブラーニング)の精度もあがるといえます。

AI vs 教科書が読めない子どもたちの著者である新井紀子は、著書の中で、アクティブラーニングに触れ、

「教科書に書いてあることが理解できない学生が、どのようにすれば自ら調べることができるのでしょうか?(以下省略)「推論」や「イメージ同定」などの高度な読解力の問題の正答率が少なくとも7割ぐらいは超えないと、アクティブラーニングは無理だろうと私は考えています。」

こういった手法を導入しても、議論の内容が幼稚であれば、無意味であることをおっしゃっているので、ぜひ読んでみていただきたい。

著:新井 紀子
¥1,155 (2025/06/28 06:52時点 | Amazon調べ)

近年は総合型選抜入試など「学力では測れない能力」だと、高校の探究の成果を評価する大学も多いからでしょうけど、それが大学に受かるための手法、一つの手段になっているようではいけません。

大学に入って、ディベートやディスカッションやグループワークができることは大事なので、探究授業(アクティブラーニング)を高校から勉強する意味はおおいにあり、有益だとは思いますが、でもやっぱり中身は大事。

「これからの時代は、勉強だけできても意味がない。」とはいいますが、学力がある生徒であればあるほど、探究授業の精度はあがると思います。

探究授業自体は素晴らしいですが、中身が大事。

僕自身が今大学で学び直しをしていますけど、基礎学力がないと、大学の授業もついていけないことは実感しています。話題についていけないなら、結局ディベートもできないし、グループワークを練習してきたことが活かせない。

探究授業は大学入学の手段になってはいけない

さて、僕は、基本的には総合型選抜入試はあっていいなと思っている人です。何がよいかというと、大学に入る前に、自らが勉強したい学問を掘り下げて、大学のアドミッションポリシーを読み、この大学で学びたいという思いを強くする。ことができるからです。

  • 大卒の方が就職に有利
  • みんなが大学へ行くから大学へ行く
  • 特に目標もないけど大学へ行く

それもいいとは思うけど、やっぱり大学で伸びる子って、大学入学時に目標であったり、学びたい分野が決まっていたりする学生が多いと思うので、自分が大学で学びたい事を予め理解して受験するって大事です。

ただし、繰り返しになりますが、そこに基礎学力は必須です。

生成AIの例をあげたとおり、学問を掘り下げてそれを出力する精度は、やはり基礎学力と比例すると思います。大前提、自分に知識がないと、それ以上学問を掘り下げることはできないし、ましてや生成AIに質問を投げかける事すらできないです。

大学は高等教育の機関ですから、最低限、基礎学力を備えて、本は読めないと本来、行くべきところではないと思います。入学しても苦労するだけだと思いますし。

だからこそ、探究授業は、ブームではいけないし、大学に受かるためのテクニックになってはいけない。大学の学びにつながるものになるためには、見せかけではない基礎学力はどうしても必要だと思うんです。

そして、高校も大学進学実績をつくるための単なる手段として探究授業をアピールするのではなくて、学生が精度の高い探究を作り上げるためのアドバイスや導きができる先生を育成する等、探究授業の精度をあげる努力が必要です。

一方で学生や保護者である私たちも、探究型授業をアピールしている学校を近代的な授業をしてくれる等と、それだけで期待してはいけない。2

生成AIに渡せる知識の質や量で、AIが回答する精度がまるで違うように、基礎学力が整っていれば、探究の精度もあがりアウトプットも素晴らしいものになる。探究コースがあるからいいのではなくて、地に足をつけた授業をしている学校がやっぱりいい。そのうえで、プラスα、探究授業は評価したいところです。

  1. 新学習指導要領で授業が変わる~探究型授業って何?~ ↩︎
  2. 「探究一期生」の現高3生が受験した「新しい総合型選抜」、成果を出す高校はどこが違うのか ↩︎
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
PRです

子育て本、教育本を読むならKindleUnlimited

僕がいつも思っている事は、「子育てはやり直しがきかない」ということです。子育てに正解はないですけど、後悔はしたくない。だから僕は本を読みます。わずか1,000円程度で子育ての先輩や偉人の知恵を授けてもらえるのですから。

KindleUnlimitedなら月額980円で200万冊以上の本が読み放題です。和書だけでも12万冊以上あります。これは他社のサブスクを圧倒しています。KindleUnlimitedで様々な子育て本や教育本に触れてみませんか?今ならお試し30日間無料です。

試すだけなら無料です。30日間無料お試し。

KindleUnlimitedで読める本はこちらから

目次