今回ご紹介する本は、レジリエンスの鍛え方という本です。
レジリエンスとは、もともと環境学で生態系の環境変化に対する復元力を表す言葉でしたが、現在、心理学で人の精神的な回復力を示す言葉としても使われています。
本書はこのレジリエンスの鍛え方について書かれたビジネス書です。
エリートには、たくましいエリートと脆いエリートの2種類が存在します。たくましいというのは、精神的にたくましいことを意味し、一方で、学歴は申し分ないのに、難しい仕事を任せると精神的にもろさを見せる人がいる。これが脆いエリートです。
仮に自分の子どもが、勉強が出来るエリートに育ったとしましょう。ですが、勉強はできるけど、全く仕事ができない精神的に脆い子どもに育ってしまったら?そんな事を考えたことはありませんか?
子どもを進学校に入れたけど、
- 勉強だけできる子に育ってしまわないか?
- 本当に社会に通用する精神的にタフな子どもに育っているのか?
そんな不安がよぎる方は、本書を読んでみる事をおすすめします。
本書と著者のプロフィール
久世 浩司氏
世界最大級の消費財メーカーP&Gに入社、化粧品マーケティング責任者としてブランド経営と商品開発に国内外で携わるなど、ビジネスの最前線で活躍された後、国内初のポジティブ心理学の社会人スクールを設立、代表として就任。ポジティブサイコロジースクール代表
本書で学べる事、得られる事
人は失敗をする生きものです。それは仕方がないのですが、精神的に弱い人は、この失敗を引きずります。失敗しても、精神的にたくましく、這い上がることができる。そのために必要な要素を本書では学ぶことができます。
本書はビジネス本ですが、逆境、難題に立ち向かうことができるタフな子どもの育て方をじゅうぶん学ぶことができると思います。
本書の要点ポイント(引用)
なぜレジリエンスを鍛えることが必要だと思いますか?
例えば将来、子どもが英語をペラペラに話せるようになったとしましょう。しかし、それだけではグローバルで戦える人材=仕事ができる人になれるとはいえません。グローバル社会で海外エリートと戦っていくためには、精神的にタフであることが条件だからです。
レジリエンスを鍛える方法はいくつか紹介されていますが、自分の強みを生かす技術には説得力があります。
経営学者のピータードラッカーは
「何事かを成し遂げられるのは強みによってである。弱みによって何かを行うことはできない」という名言を残しています。
自分に弱点があればそれを克服するという鍛え方もあるけれど、克服したところで、それが強みになることはなく、平均にしかならない。またビジネスの世界は平均を求めてはいない。それならば徹底的に強みを鍛えた方がよい。
本書からは自分の強みを徹底的に伸ばすことが、自己効力感を高め、結果、効果的にレジリエンスマッスルを鍛えることに繋がることを学べます。
今後の自分の行動について
子どもを観察し、強みを3つ見つける事。そしてその強みを徹底的に褒める事からはじめたいと思います。
そのうえで、親としてサポートしてやれることは何なのかを考え実行したい。